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備忘📝 どうなりたいのか?問題



写真は、通勤途中の水壺に、一度だけ現れた蓮の花。

元々歩く時に草花をみる質だったけれど、こういった瞬間に気づける視線、呼吸、歩幅も、俳句から培われたのだと思う。


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少し前に、セルフジャーナルpodcast「とに
ポチ」にて、『何者シリーズ』を語った。(#055あまのっちさんとの「きれてますか?」を何者シリーズ①と考えて、#058のrinaさんとの回まで)



プロジェクト思考のわたしは、当時その問いに対して、

「自分がどうであるかより、何ができるか、誰とできるか、の方に関心がある」

という話をした。


そんな話を偉そうにしておきながら、近頃のわたしは、「自分はどんな方向に歩んでいくの?」と不覚にも考える事態に陥っている。


何が起こっているのかを説明していこう。




先日わたしは、初めて多数の俳人の方と会するイベントに参加させてもらった。

※前段として、こちらのイベントに参加し、その打上げにお邪魔させていただいた。谷川嘉浩さんnoteにてFF仲間となった松井さんから、俳人の黒岩さんイベントを紹介してもらったのだ。



率直に、嬉しかった。


生で俳人と喋るのは、独学素人流浪俳人の自分にとっては、大先輩方のような方々と喋るような感覚なのである。(草野球プレーヤーがプロリーグの野球プレーヤーと対面する、と言えば近しいか)

自分をここに呼んでくれた松井さんは、早々に会場を後にされ、誰も知り合いのいない(大変失礼ながら、登壇されたお2人のことも初見)という環境で、共通点は、ただただ俳句と映画のみ。


パリピではなく、
どちらかと言うと
既に出来上がった空間に加わる行為は
苦手で、進んで空気を消したくなる。

だがしかし、
この日は腹をくくって、

こんなチャンスなかなかないぞと、
人見知り体質を押しやり、MOTTAINAI体質を引っ張ってきて、近くにおられた方に次々話しかけていった。


そう、失うものは何もない。


と、びびりまくっていたものの、
登壇のお2人の周りに集まる方々なので
優しい方ばかりで、
少し照れながらではあるが、終始和やかに、楽しませていただいた。


百万遍のおむら屋さんというお座敷で
それぞれの俳人の方のお話を
お聴きしていると、

俳句に対して、ちゃんとしたルートというか、真剣に取り組まれている方々に刺激を受けたり、輪に入れていただいたり。


俳句を元々されていたけれど、人と一緒じゃなきゃ詠まなくなり、数年、数ヶ月詠んでいない…
なんて人の聴くと、まるで、お酒の話をしているような錯覚もしたり。


わたしみたいに、40〜70点くらいの出来で
日々排出するスタイルも「多作プロセスもいい、毎日やっていて素晴らしい」と受け入れてくださったり。


多様だった。

俳句自体、人口が少ないので、
ビギナーも大事にしようみたいなところは
文化としてあるのかもしれない。

実際にTVでも有名なかの先生も
ビギナーに対して、
優しい姿勢で接されるとのこと。
(その中で、本当にすごいと思った句は、
覚えておられるらしいとか)


俳句も音楽みたいに
いろんなジャンルがあるよね、

だから、

全部のジャンルの俳句に惹かれなくても
それは仕方のないことだし、
ジャンル自体に優劣がある訳でもない。

という話もされていた。

(ちなみに、俳句甲子園などでの勝ち負けは
「その季語である必要性は?」などの質問に
 耐えうる強度のようなものだそうだ。
 いろんな編み目があると尚いいのだろう、
 ダブルミーニング、韻、とか)


その日、黒岩さんの俳句集『UZU』の
句をみながら、なんていうか
自分の句と比べて、文学的だなぁと
感銘を受けました。



そして、磨かれている句だなぁ、と

重厚感も感じていたら、
とてもとても活躍されている方だった。
(私がどう頑張っても起きられない日曜の朝のNHK俳句のレギュラー出演や、
ご著書も大型書店で販売されていたり…)

夏井いつき先生の会に所属してされていたり、
ご自身でも講師をされたり、句会を開かれたり。

なんとも輝かしい。

自分の俳句は、とても日記的だ。

抽象偏重ではあるので、
誤読余地もあるものの
本人にとっては記憶の圧縮ファイルのような。

あまりにプライベートで
秘密の暗号過ぎて、
かと思いきや、季語の使い方など
とてもありがちでストレート。

そう、未熟なのである。


一方、
黒岩さんの句は成熟しているように思えた。

実際、3人程の師匠から鍛えてもらったと
語っておられた。
そうすることで、磨かれたのだ。

句会にでたり、
師匠についてもらってみてもらうのは
いいことだと勧めてもらった。


句会に出ること、

いつかやってみたいことではあったけれど、
自分はどこまで俳句を極めたいのだろうと思った。
俳句で何か賞がとりたい?
認められたい?

うまくなりたい?


それは、

より面白い句ができれば嬉しい。


どんな句がいいか?は
自分しかわからない領域だと思う。
自分でも言語化できるかわからない。

そうすると、いまの自分の句を
どう思う?


上手ではないけれど、

日々使いたい季語をつかいながら
詠み進めることは、自分にとって
尊い行為だ。


黒岩さんの句は、文学っぽい
自分の句は、日記っぽい

黒岩さんの句は、名のあるアーティストによる作品とすると、
自分の句は、民藝のようでありたい


渡邉康太郎さんの言葉を借りると、

「弱い文脈を弱いまま育てる」

ドミニク・チェンさんの言葉を借りると、

「反響板を気にし過ぎると、続けられなくなる」

※とにポチ #029回でも紹介(3:45あたり〜)
https://open.spotify.com/show/33BraiMfjZ0YbXty8EBAKW



句会も楽しみなのは本心だけれど
自分の衝動も大事に育んでいきたいなと思う。


という、玉虫色のエンディング。


ともあれ、多くの俳人の方との語らい
とてもとても楽しかったです。


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蜘蛛の糸
細いの伝って
めがみえた


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