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ハッブル

どこまでも潜る、死体みたいに冷たくなる、飼いならしていた筈の内側の筒が、実は一番外側に辿り着いている。
昨日あったことが今日の私の色になるとすれば、原型を散り散りにした記憶たちを少しずつ集めて書き足したこれも、私の武器足り得るだろうか。
もっと潜れるか。増していく圧力を跳ね除けて、しかしそれでも軽蔑せず、丈の合わない意志で。
どこまでも弱く在るきみの、もっと奥の方、血痕さえ視認できず、ただ弱さを装着して進んでいく公転軌道。
まだ、まだ終わっていない、ここからだ。
私たち、それぞれの視点で。
暦が優しく、それでも確かな願いと愛で、ゆっくり、遠くへ。私にも視える、高光度青色変光星。
ほら、今から、全部の不正解が意味を持つ。

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