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神戸大学経済学部編入合格体験記[後編]

こんにちは、シグマです。
今回は編入合格体験記の後編ということで、9月から合格発表までの状況を事細かく書いていきたいと思います。
前編をお読みでない方は下記の記事をご覧ください。後編が読みやすくなると思います。

ありのままの編入生活を書こうとしたらめちゃくちゃ長くなりました。
前置きはこれくらいにして、それではどうぞ。

合格体験記


9月上旬 阪大受験を諦めた時期

上旬まで夏休みということで8月と同じペースで勉強することにした。勉強場所も1か月契約の有料自習室からカフェへ戻した。

この期間までの目標は「神戸レベルまで完璧に仕上げる、阪大レベルで戦えるようにする」である。具体的には以下の内容を行った。

  • 神戸大学の過去問1周(約10年分)

  • 経済数学の補強

  • 上級レベルの経済学の演習

  • 経済史、統計の勉強

1つめはnoteに上がっている過去問をやっていった。勉強する上で過去問は最高の演習問題である。大体1日に2年分やったと思う。本番では記述式だが、演習の際は意識せず解いていった。基本的には経済学は用語問題を除き出来るようになっており、夏休みの勉強の成果が感じられてとても嬉しかった。経済数学は出来る問題もあれば、ナニコレ?という問題もあったため、解説がわかりやすいと噂の参考書をもう1冊買い、過去問で出来なかったところを中心に補強していった(これが2つめ)。

3つめと4つめは阪大レベルの経済学の問題を解けるようにすること、まだ勉強を始めていない経済史と未完成の統計を仕上げるためにやっていた。

が、このくらいから阪大受験を悩み始めた。色々理由はあるのだが、その1つとして阪大のレベルに到達できなそうだなと感じた、ということがある。ちょうどメルカリで阪大の過去問を購入し、実際問題を見てみたのだが、まあ難しいのである(当たり前)。その他にも

  • 経済史が興味が持てず、全く覚えられなかった

  • 上級レベルの経済学が解説を読んでも理解できないことが多くなってきた

などがあった(ここらへんは後日別記事で書きます)。

結論として阪大受験を諦め、神戸1本で受験することにした。むやみに2つの大学の対策をして両方落ちるよりかは、どちらかを選んで確実に受かりたい、そんな気持ちだったのだと思う。

これが成功だったか失敗だったかはなんともいえない。が、自分は嫌なことから逃げる性格であるためこのような決断に至った。

話を戻して、この時期は毎日4~5時間程度勉強していた。勉強時間が少し少なくなったのは、なんと9月からバイトを始めたのである(アホ)。大体週2くらいで働いていた。バイトを始めた理由としては、編入勉強にお金がかかるから(基本的に勉強のための費用は自腹だった)、勉強ばかりよりかはメリハリのある生活をした方がいいと考えたからである。ここらへんの決断の良悪は個人の判断だと思う。

9月下旬~10月上旬 1ミリも勉強しない時期

見出しを見て驚いた人もいるかもしれないが、この時期は経済学の勉強を1ミリもしなかった。直前2か月なのにも関わらずだ。

簡単にいえばやる気がなくなってしまったわけだが、今振り返ってその原因は「このままでも神戸合格できるんじゃね?」と考えてしまった点にある(勘違い)。

阪大を諦めて難しい経済学の勉強、統計や経済史の勉強から解放されたこと、神戸の過去問がある程度取れてしまったことなど、現状に満足してしまったのである。

1度編入を経験した人ならわかると思うが、
編入勉強の1番の敵は「モチベーションの維持」である。大学受験とは違い、

  • 母数が少ない→皆やるから自分もやるが怒らない

  • 万が一失敗しても今の大学に在籍し続けることができる

  • 周りは勉強、というよりかはキラキラした大学生活を送っている(夏休みなんて特に)

という特徴がある。実際私も自分以外の編入受験生なんて入試当日に初めて会った。今在籍する大学にかなりの嫌悪感を覚えつつも、まあ失敗したら来年文句を言いながら忙しい大学生活を送るんだろうなあと考えていた。

といったような感じで、直前になったらまた勉強するかあという気持ちでだらけていた。じゃあ代わりに何をやっていたかというと、特に何もしていない。夜更かしをし、14時くらいに起床してだらけるというゴミ人間みたいな生活を送っていた。流石にこの生活をしながら親に住まわせてもらっているということに罪悪感は芽生えたが、それでもだらけ続けた。バイトは相変わらず週2回程度で働いていた。

※補足だが、彼はTOEIC605点であり、本番相当高得点を取らないと受からない現実が待っているのである。筆者が真面目でなく馬鹿な人間であるということはそろそろ分かっていただけただろうか。

10月中旬~下旬 焦り始める時期

9月下旬から10月上旬にかけてだらけた後、流石にやらなければまずいと思い重い腰をあげた。この時期には以下の内容を行った。

  • 今までやってきた教材の復習

  • 過去問の解きなおし

  • 用語問題の対策

1つめに関しては、今までやってきた教材をもう一度確認した。今までは間違えた時に教材を参照するくらいだったが、基本的な問題を落とさないことを徹底するためにすることにした。これが結果として3回目の大きな成長につながった。当たり前だが、基本的なことが前提で応用の理論は展開される。

  • 言葉の定義と解法パターン

  • モデルの導出

  • 具体例やメリットデメリット

を再考することで、頭の中にある知識が強化され、忘れにくくなるかつ応用問題への対応力が上がった気がした。
(アドバイス)「基本的」な知識というのは決して「簡単」という意味では使われていないし、「簡単」とイコールでない。難しい問題を解けるのが楽しいのは大いに分かるが、この簡単ではない面倒くさい作業をやってみることをオススメします。何をやればいいかわからない方は上の箇条書きの3つを聞かれたときにすぐ答えられるようにするのがいいと思います。

2つめに過去問の解きなおしを行った。時間がなかったので、基本的に間違い直しを中心にやった。また、問題を見て解けそうな問題はそのままスルーして、解けなそうな問題は式だけ立てて計算はやらないなど、効率よく復習することを心掛けた。

3つめに関しては、過去問でほぼできなかった用語問題の対策を試みた。神戸大の経済学の試験ではほぼ毎年、用語説明問題が2~4題出題される。他人からいただいた単語集をやろうと思ったが、量が多い&暗記が苦手なことから挫折してしまった。結果演習している中で分からなかった単語リストを作り、それを覚えるのみにとどまった。

以上3つを中心に、毎日4~5時間程度勉強した(もっとやれよと思う)。バイト先にはテスト週間で忙しいなどの言い訳をして、2週間程度の休みをいただいていた。難しい問題は全くやらず、基本的な問題や、良問であると判断した問題のみを演習していった。直前期はこのような復習の仕方が正解であるだろう。実際私以外にも、京都大経済学部の編入に合格したMorganさんも以下のようなことをツイートしている。

(本人様の許可はいただきました)

この時期の勉強は精神的にきつかった。失敗したら終わり、今までの勉強がムダになるというプレッシャーが重くのしかかり、勉強途中何回も不安に襲われた。単願でもあったことが原因だったかもしれない。こんな感じで勉強を続けて試験を迎えることになった。

試験前日

大学の授業は休み、午後2時くらいに家を出発した。疑問点があったときにすぐ解決できるよう参考書をバッグにかなり詰め込んだため、かなり重くなってしまった(負担を軽くするために最低限でいいと思います)。

東京から新神戸までの2時間半の新幹線の中で勉強しようと思っていたが、案の定一切しなかった。隣が小さい子連れで少しうるさかったのもあるかもしれない(言い訳)。適当にyoutubeを見たり、思想に耽ったりしていた。夜眠れなくならないように、とにかく寝ないことだけは意識した。

ホテルの最寄り駅についたらホテルには向かわず、大学への経路の確認をした。当日行く経路で電車に乗り、バス停の位置を認識した。それで大体7時だったので、大学に直接行くことはせず、ホテルに引き返した。

その後は旅行支援が使えないというトラブルや、水曜日のダウンタウンを最後まで見るといった感じで過ごした。流石にここで1時間程度確認した。正直、直前で勉強しても合否は覆らず、すでに合格者は決まっているというメンタルであった(真偽はわからないが)。そんなメンタルではあったが、寝過ごしたら終わるということ、明日が試験であるという緊張感からほぼ眠れず、30分寝ては起きることを繰り返していたと思う。合計睡眠時間は4時間程度で本番を迎えた。


試験本番

※神戸大の試験は午前10時から12時までの2時間で経済学、経済数学の2科目である。解く順番はどちらからでも構わないが、2時間の間に解答を書ききらなければならない。

受験票には9時半入室開始と書いてあったが、余裕をもって9時に着くようにホテルを出発した。実際9時ごろに着、外で待たされる、なんてことはなく待合室として教室が開放されており、既に勉強している人が何人かいた。受験室はカギがかかり入れないようになっていた。

ここで嬉しかったのは受験者数の少なさである。試験室の前に座席表が貼ってあったのだが、なんと番号が70までしかなかった。直近3年の受験者数は多くて110、少なくて95だから如何に少ないかがわかるだろうか。このチャンスを逃したら自分は受からないだろうと思った。また、実際欠席者は数人おり、実質の倍率は約3倍。「横の2人を倒せば合格か」と思うことで精神を保っていた。

受験室に入り9時45分から説明が始まった。ここで誤算だったのが、配られた解答用紙に掛線が引かれていたのである(中学生のノートみたいなやつ)。完全にリサーチ不足あり、普段コピー用紙で勉強かつ字が大きい自分は少々戸惑った。今後変化するかはわからないが、ちゃんと自分の志望校の解答用紙の形式を調べて、直前期はそれにあった勉強をすることをオススメする。

10時。試験が開始した。とりあえず受験番号を書き全体の問題を見る。パット見、経済学は見たことあるような簡単な問題、経済数学も滅茶苦茶難しいわけではなさそうである。本番で高得点を取らなくてはならない自分にとって、他の受験生と差をつけられるか少し不安になった。だが苦手な用語問題は2問しかなく安堵。自分がいままで聞いたことない単語であったため他の受験生が出来ないことを祈った。

まずは経済数学から手をつけていく。小問集合はそれなりにできた。大問2はとばし3と4へ。だが明らかにおかしい固有値の値がでる。固有ベクトルを求める際に間違い気づいたが、何回検算をしても直せない。大問4の(2)もいままでやったことのない3変数であることに気づいた。すべてを解き切らず、経済学に移った。ここまでで大体10時30分くらいだったと思う。

経済学は比較的簡単な問題が続き、特にひっかからず解いていった。記述では

  • 新しい文字を出すときは定義すること

  • 式の説明を少しでもいいから日本語で書くこと

の2つだけを心掛けた。用語問題を除いた大問1.2.3を解き終わり経済数学に戻る。この時点で11時15分。

残りの経済数学の問題を処理していく。大問2は平均値の定理を無理やり使うことでなんとか白紙は避けた。小問の(2)もeの定義から、大問4の3変数の問題も2変数のアナロジーからヒントを得て、解答欄をうめていく。固有値のミスにも気づけて、経済数学の問題をすべて解き切ることに成功した。11時40分。残り20分。

用語問題も単語からなんとなく推測して書いておいた。最後に全体を見直し。経済数学の小問の計算ミスに気づけたのは幸運だった。ちょうど見直しを終えて1分が経ったところで長いようで短い2時間の試験が終了した。

解き終わったときの感触は解いた問題が全部あっていれば経済学80、経済数学100の合計180であった。目標は170であったからなんとか及第点を取れたかなあと思った。

試験が終わった後はtwitterで他の人がどれくらいできているかを確認したが、予想以上にみんなできているようだった。不安になりつつも、倍率が低いから受かってると思い込みながら神戸を後にした。

合格発表

試験後発表までは2週間はぼーっとしていた。バイトを再開し、自動車学校に行き始めた。友達に20歳をお祝いしてもらった。そんなことをしながら2週間が経過した。

合格発表はなぜか自動車学校で見た。14時になったところでサイトにアクセス。自分の番号があることを確認し思わずガッツポーズをしたところを職員の方に見られてしまいとても恥ずかしかった。高校受験以来5年ぶりの第一志望合格はとても嬉しかった。その後編入受験を伝えていた友達に報告したら予想以上に喜んでくれて驚いたのを覚えている。

最後に

だらけてしまうこともあったが、自分の努力が結果として認められる経験ができてとても良かったと思う。何回もやめようと思ったが、今振り返ると編入を志してよかったと思える。あのまま大学生活を送っても後悔しか残らなかったなあと。もっと編入してよかったと思えるように、残り2年の、神戸での大学生活も頑張りたいと思う。

ここまで読んでくださったかたありがとうございました。前編後編合わせると9000字を超えるボリュームになりました。まさかこんな文字数になるとは…。

ありのままの編入生活を伝えたいという思いで、いろいろ書きましたが、読みにくいところもあったと思います、すみませんでした。なにか1つでも活かせるところが見つかれば書いた身としてはありがたいです。

これからも編入に関する情報を発信していくのでフォローよろしくお願いします。twitterの方ではnoteの通知や質問箱などもやっていますのでそちらもフォローしていただけると見逃さないのかなと思います。また、いいね(ハート)がモチベーションになりますのでいい記事だと思ったら押してくださいね。いや押して。

長くなりすぎたので編入受験生に伝えたいことは後日別記事でまとめようと思います。

以上で終わります。読んでくださりありがとうございました!

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