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エルデンリングが人としての器を試してくる【ゲーム】

最近「エルデンリング」というゲームで遊び始めた。

エルデンリングというのは2月25日に発売されたフロムソフトウェアの新作ゲームだ。「狭間の地」と呼ばれる場所に「褪せ人」として降り立ち、立ちふさがる敵を剣やら魔法やらで倒しながら王を目指すというオープンワールドアクションRPGである。「ゼルダの伝説 ブレス オブ ザ ワイルド」や「ウィッチャー3」とだいたい同じジャンルのゲームだ。

発売元のフロムソフトウェアはとにかく難しくて死にまくる「死にゲー」でおなじみのダークソウルシリーズを提供している会社で、エルデンリングもかなり難しいと評判になっている。

私はアクションが得意ではないし、RPGはサクサクストーリーを進めたいタイプなので、最初は特に興味が湧かなかった。本を読むようにストーリーを効率よく進めたいのだ。死にまくって進めないゲームなんて好みと真逆ではないか。

そんな風に思っていたのだけど、エルデンリングは難しいところも含めて面白いらしく、褪せ人たちの「もう無理だ…」「コントローラー投げた」と辛そうでありながら楽しげな悲鳴が毎日のようにTwitterで流れてくる。

そうしてじわじわ興味を持たせられたところに、各所で「これはゼルダの伝説 ブレス オブ ザ ワイルドを超える世界一の面白さだ!」だなんて噂を聞いてしまったらもう我慢できなくなり、ついに買ってしまった。

「ゼルダの伝説 ブレス オブ ザ ワイルド」はクリアした後も遊び続けている私のお気に入りのゲームなのだ。アクションが苦手な私でも十分に楽しむことができた。ゼルダの伝説よりも面白いというなら、それはもう難しさなんて関係ないくらい面白いにちがいない。

10秒で殺される

そんなわけでSteam版を購入し、ウキウキした気持ちで起動する。欲しいと思って数分後には遊べるだなんて良い時代だ。

キャラクターを作り、チュートリアルを終えていよいよエルデンリングの世界に降り立った。荒廃した世界が広がっている。

さて、まずはどこに行けばよいのかな?
とりあえず目の前の馬に乗った敵を倒してみるか。
近づいてみるとなんかでかいな…。
あ、気づかれた…すごい勢いで走ってくる!
でかいでかい!ちょ、待って。剣を…剣を…
なんて手間取ってるうちにでかい槍でぶちのめされ…
「YOU DIED(死亡)」。

降り立ってわずか10秒で殺された。

その後3回くらい挑戦したけど一向に勝てる気がしない。

最初の敵でこの強さなの?ドラクエのスライム的な奴でこのレベルなの?と心が折れそうになったので一旦終了。

心を落ち着けて攻略サイトで倒し方をチェックする。まさか開始数分で攻略サイトのお世話になるとは思わなかった。

どうやらこの敵(ツリーガード)は最初は無視して通り過ぎるべき相手らしい。

なんで倒せない敵を最初に出すんだ。初心者に優しくするどころか慣れないうちに心を折ってやろうという開発側の意志を感じる。これが「死にゲー」というやつか。

先が思いやられるなぁ…と思いつつ再びゲームを起動する。こそこそとツリーガードの横を通り過ぎ、しばらく進むとようやく勝てるレベルのコウモリやら兵士やらがいるエリアに到着した。

プレイヤーを甘やかさないゲーム

その後もこんな感じで何度も殺されながらストーリーを進めていくわけなのだけど、遊んでいるうちにエルデンリングの「難しさと楽しさ」がどういうものなのかが何となく分かってきた。

このゲームは全体的に「プレイヤーを甘やかさない」のだ。

ヒントは最小限しか与えられず、敵も簡単には倒せない。準備無しでボスに挑んだら瞬殺される。

そのような状況で進んでいくには、プレイヤーが考え、歩き回って情報を集め、操作の練習をして臨まないといけないのだ。

たとえばこのゲームでは「次に何をしたらよいのか」ということをふんわりとしか教えてくれない。

他の優しいゲームだったらメニューにクエスト一覧みたいなものがあって、そこで次にやるべきことや行くべき場所を確認できたりする。しかしエルデンリングの場合はそんなものはない。「次はあっち方向に行けば何かあるかもよ?」みたいな感じでふにゃっとした矢印が出るだけだ。

しかもその矢印に従って素直に進んでも敵が強すぎて殺される。実際は色々回り道をしてレベルを上げたり武器を集めたりしてから進まないといけないのだ。もちろんそんなことを教えてくれる親切な村人もいない。何回か死んで、「あれ、ここに来るのはまだ早いのでは?」と自分で気づくしかないのだ。

地図も最初は持っておらず、どうやって手に入れるかも教えてくれない。あちこち歩きまわっているうちに落ちているアイテムを拾ったらたまたま地図で「あ、地図ってこうやって手に入れるんだ…」ということを知るのだ。


そんな不親切で厳しいゲームが楽しいの?という話なのだけど。当然最初は「分かるかい!」「できるかい!」とコントローラーを投げたくなる。しかし文句を言いながら色々試しているうちにだんだん楽しくなってくるのだ。

次の目的地の見つけ方にしても地図の見つけ方にしても、分からないなりにあちこち行ってみたりやり方を変えてみたりしているうちにうまくいく方法が見つかり、話が進んでいく。気づけば何となく次に何をすれば良いかが分かるようになっている。

情報が少ない事をもどかしく感じるが、その分自分で発見した喜びを多く感じることができる。

敵を倒すときも同じで、初見ではボコボコにやられるのだけど、10回くらい殺されると、敵の行動パターンが見えてくる。そうすると少しずつ攻撃を避けて相手に攻撃を当てることができるようになり、30戦目くらいでついに勝てるようになる。

死にすぎじゃない?っていうくらい死ぬけどその間も自身の操作がうまくなっていることを実感できるのだ。だからめげずに再挑戦することができる。

こんな感じで試行錯誤して進めるうちにキャラとともに自分も成長しているような気持を味わえるところが、エルデンリングを「ゼルダの伝説を超える面白さだ」と言わしめる魅力なのかもしれない。

それはそれとして、やっぱりサクサク進みたい

なんて書いたがこれは一般論であって、軟弱ゲーマーである私はそんな厳しさを楽しむ余裕は持ち合わせていない。殺されてめげないなんてウソ。発見を楽しみつつもなるべくストーリーをサクサク進めたいし、同じ敵で死ぬのは10回くらいに収めたい。

なので「GameWith」や「Game8」などの攻略サイト、SNSの攻略情報を調べまくる。攻略サイトは狭間の地版の「地球の歩き方」のようなものだ。私は旅行に行く前に「地球の歩き方」を熟読しておくタイプなのだ。

あらかじめ強い武器や魔術を手に入れ、レベル上げ用の狩場でガシガシレベルも上げておくことでなるべくストレスなく敵を倒して次に進む。これもまた1つの楽しみ方ではないだろうか。

そんなわけで今日も「こっち行っても大丈夫?」「こんな敵どうやって倒せばいいの?」と攻略サイトに教えてもらって危険を回避しつつ、それでも操作をミスって何度も殺されながら楽しく冒険している。

ちなみに今はラダーン攻略中だ。
こいつ強すぎじゃない?ラスボスじゃないの?


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