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遊技機開発ならではのノウハウ【パチスロ】

こちらの記事はQiitaで書いた『遊技機開発ならではのノウハウ 【パチスロ】(投稿日 2021年12月08日)』をnoteへ移植したものです。

はじめに

以前、遊技機開発ならではのノウハウ 【パチンコ】をまとめました。多くの人に読んで頂き、とても嬉しく思います。
私自身、数年前の仕事でパチスロのプロジェクトでもエンジニアの経験しましたので、リール制御や液晶演出やサウンドなど様々な開発について、旧来の開発フローや手法ですが、用語の解説も合わせてザックリと紹介します。
※ 秘密保持契約(NDA)に基づき、すでに公開済みのものや独自にないし別ソースから入手されたものなどの紹介です。

パチスロ開発について

パチスロの開発フローについては、以前まとめた記事とほとんど同じです。

下記の記事が分かりやすくまとまっています。

潜入!SANKYO調査隊!~パチスロ開発篇~
皆さんからの要望が多かったパチスロの開発現場に潜入調査!

エンジニアがやる事

  • 使用するプログラム言語
    (C言語 / C++、アセンブラ)

  • 担当する業務
    遊技機用の制御プログラム(抽選/役物/ランプ/サウンド/液晶など)

リール制御

パチスロは一見すると回したリールを自力で止めるゲームのようですが、実際にはパチンコと同じで抽選によって当たるものが決められています。レバーを叩いた時点で、当たり、小役、ハズレなどの各種抽選が行われており、その抽選結果に応じた位置でリールが止まります。パチンコと違う部分は役によってはしっかり狙わないと揃わず、揃わなければ出玉は得られません。

リール制御は、しっかりと、法律で定められており、ボタンを押してから、0.19秒以内に止まらなければなりません。
また、法律上は、最大5コマまで、リールがスベる事ができます。
※ 停止の時間は、メーカーによって、バラバラで横並びで決まっているわけではありません。

実装には以下の方式があります。

  • コントロール方式
    条件装置を最大限すべらせて揃えようとする方式

  • テーブル方式
    最初に止めたリールの位置により第2リール、第3リールの停止する位置をあらかじめ決めておく方式

液晶演出

遊技機映像の需要拡大や液晶パネル品質向上も伴ない、より一層、高品質な表現が求められるようになってきています。開発会社では各社で、映像制作ツールの導入や検証研究を行い、制作技術向上に取り組んでいます。中でもAfter Effectsのスキル習得は注力されており、デザイナーだけでなくエンジニアもAEに接することが多くありました。

ベースとなる仕組みはパチンコ開発でまとめた通りですが、パチンコ開発との違いとして、開発会社によってはリアルタイムCGで開発している事もあります。

リアルタイムCGとは
即時にレンダリングされるCGのこと。ゲーム、VR、イベント、シミュレータなどで用いられています。これに対して、事前にレンダリングされているCGのことをプリレンダーと呼びます。リアルタイムCGの制作においては、リアルタイム性を最優先とし、プリレンダーよりも表現精度を落とす場合が多くあります。そのため制作者には、限られたデータ容量のなかで、最大限豊かな表現をするための様々な工夫が要求されます。

サウンド

エンジニアはパチンコやパチスロ台の映像に対するサウンドの制御を行います。効果音やBGMなどの実装などが中心になりますが、サウンドと合わせて役物の制御実装も行います。

まとめ

以前、まとめた 遊技機開発ならではのノウハウ 【パチンコ】 よりもスッキリとした内容になっていますが、参考にして頂けたら嬉しいです。

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