アイドルの恋愛について


人がお金を払う際、そこには「払う価値」が存在しているからお金を支払う。
商品を購入するのであれば明確だ。「のどが渇いたから水を買う」という行動は「のどの渇きをいやす目的で水を購入する」という事になる。生活するために絶対に必要な食料品や生活雑貨、電気、ガス等は「生きていく上で必要だから購入する」事になる。

一方、その人個人の趣味・嗜好に関する支出は必要なモノではない。
趣味・嗜好に関するモノはどちらかというと個人が「自分の生活を少しでも豊かにするため」に行う支出だ。もう一歩踏み込むと「自分が精神的に豊かだ」と感じられるために支出を行っている。
だからこそ、そこに対する支出の価値観は人により大きく異なり、キャンブルが趣味の人は場合によってはその趣味がゆえに借金苦に陥る事になる。ギャンブルに全く興味がない人からすると理解できない事だが、ギャンブルが趣味の人にとっては儲かった際の高揚感が忘れられないのか、そもそも賭けている時に感じるヒリヒリ感を味わいたくて支出しているのか、たしなむ程度しかギャンブルをしない俺にはわからない。

タバコが好きな人にとって「タバコを吸う」という行為を行う事に「自分が思っていたのと違う」という事はタバコの種類を間違って購入しない限り発生しない。
ディズニーランドに遊びに行けば、ミッキーやミニーといったディズニーのキャラクターが自分を夢の国に連れて行ってくれて、そこにあるアトラクションも常に変わらないパフォーマンスでゲストを満足させてくれる。
支出する側の期待は裏切られることはない。

趣味・嗜好の中で「自分以外の人」が介在するモノへの支出は色々と難しい事になる。
なぜなら対象が「人」であるため自分の思っている通りになるとは限らないからである。
自分の思っている通りであれば支出に対して自分自身で納得し「支出により精神的に豊か」になる。
が、自分の思っていない内容であれば「支出したことに対し期待していた精神的な豊かさを得る事ができなかった」となる。

例えば野球観戦に行った時に「村神様の3打席連続ホームラン」を目撃したとする。ヤクルトファンは当然ながら満足するだろう。
しかし対戦チームを応援しに行った人からすると「村神様を抑える〇〇が見たかった」という人もいれば、「敵でも村神様の神様たる所以が見れた」と満足する人もいるかもしれない。
野球選手の場合、基本的に「チームが勝つためにその役割を果たす」という事が目的であり、結果論になる。
新庄の様に「野球選手なのにエンターテイナー」である必要性は基本的にはない。

そのような中で「アイドル」を趣味とする人が求めるものは何か?
元々は「アイドル」が行うパフォーマンスであったと思う。そしてパフォーマンスだけではない恋愛感情に近い憧れもやはり「アイドル」には求められていたのではないだろうか?
それこそ「アイドルはう〇こをしない」というようなイメージを含め昔は「清廉潔白」が求められていたと思う。

しかし、時代が昭和から平成、令和へと変わり「アイドル」も多様化していった。
AKBに代表される「至近距離のステージ」と「接触系イベント」により元々「遠い存在」であった筈の「アイドル」がどんどん近い距離になる。SNSの普及と共にハッシュタグさえつければ自分の発信をアイドルが目にしてくれる。「いいね」で反応してくれたり、場合によっては返信すらくれる。憧れのアイドルがすぐ近くで自分の事を認知し、理解してくれている。(もちろん応援している人の人気によって大きな差はあると思うが・・・。)

でもね・・・基本的にあなたが相手しているのは「アイドルである〇〇ちゃん」であって「一人の女性である〇〇ちゃん」ではないんだよ。
もっとストレートに言うと相手から見えているあなたが「私のファンの〇〇さん」でしかないという事。

確かに「アイドル」が自分を認知してくれる事は昔よりははるかに多くなったと思う。アイドルと個人的に連絡を取れる可能性も格段に大きくなっている。
俺ごときですら元AKBメンバーとLINEでやり取りをしたことがあるのだから。もしかするとそこでの会話が「アイドルである〇〇ちゃん」の枠を超えていく事はあるのかもしれない。それは人と人の関係だから。でもそこまでくるともう「アイドルに清廉潔白を求める」という世界観ではないと思う。

お年頃の周囲よりかわいい女性が恋をすることは問題なのだろうか?俺は問題ないと思う。むしろ恋愛はしっかりした方がいい。
楽しい事、嬉しいことがあればその人の表現力は豊かになるのではないだろうか?傷つく事もあるかもしれない、窮屈に感じる事もあるかもしれない。でもそれをパートナーと共に乗り越えていく事で見えてくる新しい世界もあるかもしれない。
大好きな人と意見が合わない事もあるだろう、そのすり合わせをして同じ方向を向く事も人生では大切な事だと思う。
場合によっては恋愛スキルの高い人に遊ばれてしまい涙する事もあるかもしれない。あれだけ好きだった相手なのに、その人のちょっとした行動で一気に嫌いになる事もあるだろう。でもそれは人と人のコミュニケーションだから「一人の女性である〇〇ちゃん」にとっては必要だと俺は思う。

「一人の女性である〇〇ちゃん」についてレベルは違うだろうけど実体験としてキャバ嬢の話を。
昔キャバ嬢と付き合っていた時にそのコはいつも悩んでいた。「キャバ嬢としての自分」と「一人の女性としての自分」のギャップについて。キャバ嬢に求められるのはお客さんを店に呼び、店の売り上げを上げる事。そのためには「お客さんが求める自分の姿」になりきる事が大切で、客によって求める姿は違い、その中には自分にはなれない姿もありどうするのが正しいかわからないというモノであった。
店が夜のお店なだけに露骨に体目当ての客もいる訳で、そこに色々な人間関係の調整が入る。営業トークで逃げようとしてもしつこい客やあっさり指名変えする客、自分にはその気はなくとも本気で口説いてくる客に対し嘘をついて売り上げをあげる罪悪感。
俺はそのコとそのコが働いている店で知り合ったんだけど、友達と飲みに行った時にフリーでたまたま俺に付いたコだった。俺に付く直前に本気で口説いてきている好みではない指名客がいて、その客が帰り「ホッ」としたけど「嘘をついているキャバ嬢の自分」が嫌だなって気持ちを持った状態でフリーの俺に付いたらしい。
少し世間話をしただけで俺から「もしかして少し疲れてる?だったらここで休んでていいよ。場内指名入れていいから」って言われてその瞬間に「この人は私を一人の女性として気遣ってくれている」って感じたらしい。俺的には「めっちゃ可愛いし場内指名入れるけど、でもちょっとしんどそうやし無理に盛り上げようとしてくれなくていいかな・・・」って思っての事だった。結局連絡先を交換し、その日すぐに来たメールが営業メールじゃなくて「もしよかったらお休みの日にドライブでも連れて行ってくれませんか?」っていう「え???キャバ嬢からいきなりこんなメール来るなんて・・・」っていう内容でまぁそのまま付き合う事にる・・・って脱線し過ぎてるww
レベルは違ってもアイドルも同じような気持ちになる事が多くあると思う。

「アイドルである〇〇ちゃん」はビジネスにおいて自分自身が商品である事も忘れてはいけないと思う。
自分が「一人の女性である〇〇ちゃん」としてプライベートを過ごす事を誰も否定はしない。でも、ファンの中には「アイドルである〇〇ちゃん」と「一人の女性である〇〇ちゃん」の境目が分からなくなっている人がいっぱいいるのだから。というか「一人の女性である〇〇ちゃん」の存在を認めずに四六時中「アイドルである〇〇ちゃん」である事すら求めている人がいっぱいいる・・・。

俺は「アイドルである〇〇ちゃん」と「一人の女性である〇〇ちゃん」がいていいと思う。そして「一人の女性である〇〇ちゃんは」恋愛していいと思う。
でも、ビジネスにおいては自分自身が商品。ユーザーが「アイドルである〇〇ちゃん」を求めるのであれば「一人の女性である〇〇ちゃん」は絶対に表に出してはいけない。
だから俺は思う。

「バレるな」「撮られるな」「隠しきれ」

場合によっては男やその友達が流出させるリスクもあるから気を付けなきゃいけないぞ。だからその男が自慢げに色々話すのも当然ダメだぞ。

でもね。
恋愛した方が女の子は可愛くなるよ。美しくなるよ。傷ついても恋愛した方がいいよ。

・・・と個人的には思う。
今回大きな話題になっている件に関し、俺は今まで通り「スルーでいいじゃん」と思っていたのだが、ファンでもないのに批判するような人々含め大きな話題になってしまい、「恋愛禁止なのか?違うのか??」というトコをハッキリさせないといけない状況に追い詰められつつある模様。

恋愛禁止です! → 当該メンバーになんらかの処分。状況としては処分する事は活動範囲が狭くなる可能性がありネガティブ。

恋愛禁止ではありません! → 「男がいるようなアイドルに金なんか出してられるか!」とファン離れが起こる。

今回の件、どーゆー収め方しても誰も幸せになれないんじゃない??
そんなこと誰が望んでるの???
俺は今まで通りファジーな中で進めたらいいと思う。

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