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シャーレ奪還、そしてアジア王者へ。

はじめに

“とにかくタイトルを獲りたい”

昨シーズンを終えて約1ヶ月間のオフ、ずーっとこのことが頭から離れなかった。SNS上では各クラブのサポーターが、メディアを通しては解説者の方が、いろんな意見を発信していく。ザーッと眺めているなかで気になったのが

マリノス”も”強い

というこの言葉。あくまでも主役はリーグ連覇を果たした川崎であって、それに付け加えるようにマリノスの名前が挙げられている。

間違いなくマリノスのサッカーはJリーグでもトップレベルだと思うし、昨年はリーグ最多得点を達成して失点数も1試合平均1点以下だ。十分立派な数字を残したと思う。ただ、それでも主役になれなかった2021シーズン。それもそのはず。結局、2年連続の無冠でシーズンを終えたからだ。

残念ながら“2位”は注目されない。サッカーファンの記憶に残るのは“王者”だけであり、2位のクラブの存在なんて忘れられるのが当たり前。マリノスサポーターがどれだけ“俺らは強いぞ”と胸を張ったところで自己満の領域を出ることはない。周囲を納得させるためには“チャンピオン”にならないとダメだから。

さて、2022シーズン。“結果がすべて”と言うつもりはない。アタッキングフットボールに更なる磨きをかけることが最重要課題だ。それが出来れば必ずシャーレを奪還できると信じているから。

そして2年ぶりにアジアの舞台に帰還する。一昨年の悔しさが鮮明な記憶として残っているうちに戻れたことはクラブとして大きい。

“シャーレ奪還” “初のアジア王者”

この2つこそが2022シーズンのミッションになるだろう。

最注目は“ボランチ”

さて、今シーズンの注目ポイントについて。

注目ポイントはいっぱいある、というか全部だけど(笑)

例えばレギュラークラスがごっそり抜けた左サイドの再構築、とか、王様マルコスに挑む吉尾&樺山の若手コンビの台頭、とか。サポーターによっても注目ポイントは変わってくると思う。

そんななかで私が最も注目しているポイントは“ボランチ”だ。大袈裟でもなんでもなくここ数年で最もハイレベルな争いが繰り広げられると思っている。

主将の喜田拓也、直近の日本代表合宿に参加した渡辺皓太、マルチロールの岩田智輝、パリ五輪世代の藤田譲瑠チマ。名前を並べただけでも迫力がある、そんな4人でボランチ2枚の枠を争う。

アンジェ体制下の鉄板コンビは扇原&喜田だった。2019年のリーグ優勝にも大きく貢献し、主将としてもチームを引っ張った。2020年以降も過密日程により、スタメンの入れ替えは起こっていたが、序列の1番手はこのコンビだった。昨年は岩田が台頭し、リーグ終盤は渡辺も存在感を示した。しかし鉄板コンビと言えるほどの組み合わせはなかった。

“誰が出てもマリノスのサッカーを体現できる”というのはマリノスの強みだと思うし、誰が出てもクオリティが落ちないのは大事なことだ。その一方で“センターラインの固定”はタイトル獲得の為には必須条件だと思っている。

チームの軸を安定させる為にセンターラインは基本的にいじらない。現時点のマリノスならGK高丘、CB畠中、トップ下マルコス、CFレオ。ボランチ以外のセンターラインは比較的固まっていると思う。当然過密日程になればターンオーバーも含めてスタメンの入れ替えは起こるが、ベースのセンターラインがしっかりしていることはタイトル獲得に向けてマストだと思う。

さて、ボランチ。

ケヴィンにとっての1stチョイスが明確に確立されることが重要だ。100人のマリノスサポに訊いて、100人とも同じ答えを出すくらいの確度の高さがほしい。

個人的に推したいのが渡辺皓太。2020年から注目しているので良い加減レギュラーを張ってくれ、というのが本音(笑) 代表活動にも参加して本人の中で意識が上がっているはず。昨夏の鳥栖からのオファーも断り、マリノスへの想いは伝わってきてる。だからこそチームの中心選手として躍動してほしい。皓太のようなタイプはマリノスにはいないし。

プチ注目ポイント

その1 Newリーダーの出現

番記者のキャンプレポートを読んだり、公式SNSがアップする写真などを眺めていて感じることが喜田さんの立ち位置だ。

主将としての覚悟は例年通り持っているに違いないが、一歩引いた位置からチームをまとめている、そんな印象を受ける。

それもそのはず。これまでは大津祐樹、扇原貴宏と言った年長者が喜田を可愛がったり、後方から支えていた。しかしその2人はもういない。おそらく喜田自身が今年からはその立ち位置を務めようとしているのかもしれない。

となれば求められるのは新しいリーダーの台頭だ。個人的には畠中槙之輔を推したい。2018年の夏に加入し、在籍5年目に入る。チーム内でも古参になりつつあり、副主将にも就任した。また相棒チアゴが移籍したことで畠中に求められるタスクはピッチ内外において例年以上に大きい。昨年の負傷離脱による悔しさも含めて、今年の畠中にはプレー面だけでなくチームを引っ張るような立ち振る舞いにも期待したい!

その2 平均年齢の若いチーム編成

今年のチームはとにかく若い。これが良いか悪いか、を問う気はない。良い面もあれば悪い面もある。どんな物事においても共通だ。

では、何故注目したか。答えは“メンタル面の充実度”だ。昨年終盤、首位川崎との勝ち点差を1まで詰めたにもかかわらず、先に崩れたのはマリノスだった。追いかけるチームの方がプレッシャーはない、というのが2019年のリーグ優勝から得た経験値だったが、川崎が勝ち続けたことによるプレッシャーをモロに受けてしまった。

一般的に、若いチームは勢いに乗れば手を付けられないが、勢いが止まると途端に脆くなる。シーズンを通して常に勢いに乗っていることはあり得ないし、必ず踏ん張りどころが来ると思う。

そんな時に昨年の反省を踏まえてどうやって乗り越えてくれるか、これはチームのメンタル面の成長を見れるチャンスだし、ましてや若いチームだからこその楽しみでもある。誰かに頼る、ことは不可能だ。1人1人が自覚を持って立ち向かう、その先に選手個人そしてチームとしての大きな成長があるばすだ。

まとめ

実質初年度となるケヴィン体制の2022シーズン。”1試合で50回前後もスプリントをする選手”“後方の広大なスペースを圧倒的なスピードでカバーする選手”はもういない。特徴的な選手はいないかもしれないが、その分コレクティブで魅力的なチームへと更なる進化を遂げてくれると期待したい。

そして、改めてタイトル獲得を熱望したい。開幕前の各メディアのマリノスに対する下馬評は我々が思っているよりも低かった。大体シーズン前の下馬評が高いクラブは①昨年リーグ王者(※川崎)②変革期により成長曲線を描いてるクラブ(※浦和・神戸等)の2つだと思っている。

マリノスの大きな変革期は既に2019年のリーグ優勝で完結している。だとすればもうタイトルを獲り続けるしかない。自己満ではなく、全てのサッカーファンの記憶に深く残るためにも、アタッキングフットボールでタイトルを獲ろうじゃないか!!

最後まで読んでいただきありがとうございました。