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ジャパンキャンサーフォーラム2022:ウェブ開催


このところいろいろ勉強ごとが多い。8月6日・7日と、NPO法人キャンサーネットジャパン(CNJ)が主宰する「ジャパンキャンサーフォーラム2022」にアクセスしました。

こちら会費無料。できれば寄附お願いします、というものでありました。アーカイブ配信も予定されているので、興味のある方々はそちらで。
 
基本的にはがん体験者の方が、ピアサポート(患者さんを支援する立場になること)の資格者になって活動するNPOで、毎年がん関連の専門分野のお話も聞いたり、交流会を開いたりということをされていたみたい。僕はたまたまCNJの委員の方がClubhouseの医療部屋というところでお話になっていて、そこでちゃんと知ったのでした。
 
感想としては、確かに有益なお話も多かったです。交流会は入れなかったのだけど(本当はそこでいろいろ聞いてもよかったのですが)講義も他の分野のお話も多くて。
 
ただ、ちょっと心配だったのは、「患者さんたちのどこらへんの人まで届いているのかなぁ」ということ。
どんな勉強会・研究会でもそうですが、『参加者バイアス』というのがそもそもあります。つまり、「興味がある人達が集まる」という基本的なことです。がんで辛い、がんで困っているという人たち、そういう人たちがどのくらい集まっているのかなぁということ。本当に困っている人たちは、ここまで来れているのだろうかということ。

また、基本的に相談所ではないから、一般論をいろいろ聞くわけです。そこからさらに個別の事項について知るためには、また地元の病院に、最近はがん相談室・がん相談支援センターみたいなところがありますので、そこに尋ねるでしょう。ただ、そこにいる人たちが同じように答えを持っているのだろうか。

僕自身は、緩和医療に関わる人として、がん治療の段階から知るべきことがものすごく増えてきているので、自分の専門の領域(もともと内科医なので、日本内科学会、日本消化器内視鏡学会など)の総会や地方会にも行きますが、一方でこういうがん患者さん向けの会というのはなかなか行けないので、Web開催と聞いて、喜んで参加したのです。参加した、参加したが…その割に、聞いたような話が多かった。

ん?どゆこと?と思うでしょう。

つまり、参加してお話されていた専門家の医師の先生のお話は、医師の僕が聞いてもそこそこの重い話だったということです。

いや。

それじゃあかんやろ。

僕らも忙しいのでね、正直スライド何枚も新しく作り直すことは大変なのですよ。

とは言え、英語が羅列してある小ちゃい文字のスライド、いくら日本語のルビが振ってあっても、それだけでゲンナリ、しちゃいますよね。。


そうでない先生方ももちろん居られた。それは、ただしテーマが精神的なこととか、がんの周辺の仕組みのことだとか、そういう分野の先生方。治療医師の先生方のお話は、総じて難しく感じられた。

(あ、これ、伝える気ないんじゃ?)

ひねくれた僕はそう思ってしまいます。

かつての僕のボスがおりまして。その方は、言っていた。

「難しいことを難しそうに伝える人は凡人、難しいことを易しく伝えてこそ一流、やさしいことを難しく伝える奴はアホ」と。

いまさらながら、そのお言葉が胸に突き刺さります。

来年あけて、講師を担当する研究会の資料も、そろそろ準備しておこう。ではー。