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届かない想い《ツインレイ物語⑤》

私がレラの姿を次に見たのは出会ってから9ヶ月後でした。

レラのバンドが私の住む地方にツアーでやって来ると知って見に行ったのですが、相変わらず私はレラに興味がなく、気になっていたミュージシャンがレラと同じバンドにいるという理由でライブへ足を運んだだけ。

だから、レラがどんな様子でステージに立っていたのか全然覚えていません。


レラは、姿が見えなくても私が近くにいるとエネルギーでわかるのだそうです。

たとえば、開演前のフロアに私がいると「ピリカが来てる!」と楽屋にいてもわかるらしいです。

このときも私が来ているとレラにはわかったのかもしれませんが、ライブ中の私は「そういえば、去年イベントライブに出てた人も同じバンドだなぁ…」くらいにしか思っていませんでした。

しかしレラにとっては、9ヶ月間ずっと探し続けた私をやっと見つけた、どこに住んでいるのかがわかった嬉しい日だったのではないでしょうか。

でも、私にとってレラはまだ「ただ名前を知っているだけのミュージシャン」という存在でした。


その後、私がどこに住んでいるのかを知ったレラは、立て続けに私の住む地方にツアーを組んで来ていたのですが、残念なことに私はそのツアーを知ることがありませんでした。

当時の私は、他のミュージシャンを追いかけていたため、よほど興味を持ったミュージシャンでない限りスケジュールの確認などしていなかったのです。


いくら私の住む地方へ来ても私がライブに来ないので、レラは私の姿を見ることができませんでした。

ただ会いたい、姿を見たいだけなのに、それさえも叶わない…

今から思えば、レラはどれほどもどかしい想いをしていたことでしょう。


その次に、私がレラの姿を見たのは2回目のライブから4ヶ月後、私たちが出会ってから1年以上が過ぎていました。

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