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30代、「子どものいない人生」を考える

先日、NHKの朝イチで「子どものいない人生の生き方」というテーマを取り上げており、大変興味深かった。

結婚、パートナーはいるが子どもがいない著名人(増田明美 、小田井涼平 、吉田潮)をゲストに、視聴者の実体験を
子供は別にほしくなかった人、ほしいのにできなかった人、自然に任せていて結果できなかった人など、4パターンほどに分けて紹介。ゲストも自分の経験と織り交ぜながら、子どものいない人生を選択する過程で感じたことを語るという構成だった。

生涯、子どもを産まない女性の割合が日本は28.3%だという調査があるそうで、女性の約4人に1人は子どもを産まない人生を歩んでいる(男性は調査はないがもっと多いだろうとのこと)けど、実際子どもを持たなかった男女、夫婦はどんなことを感じているのだろう?という切り口から始まったこの企画。
「本当は子どもが欲しくなかったのに、時代の潮流に飲まれ、パフォーマンスとして妊活をしていた」「不妊治療中に、子どもを作るために結婚したんじゃないと夫に言われてハッとした」「子どもはまだ?という言葉が世の中から消えて欲しい」
出演した視聴者は率直な意見を述べてくれていて、大変共感した。そうそう、「子どもまだ?」→「いないです」→「これからだね」のパターンまじで多い。別に言われても平気だと思ってたけど、結構傷ついていた自分に気づいたり。
「子どもを望んでもできないことがある、子どもがいない人生もある、と認識できて良かった。それを知れる人生の方が良いと思う」という趣旨のコメントもあって、本当にそうかも!と超共感。自分自身の中にふんぞりかえる「子どもがいた方が幸せ感」という偏見にも出会うことができた。不妊治療の過程がなくば、私の価値観は結構違っただろうなと思う。

気になったのは、インタビューを受けた視聴者やゲストが皆40代〜50代とある意味「子どもを産む」フェーズからは少し通り過ぎた世代ばかりだったこと。そして視聴者は皆顔出しNGで出演していたこと。
多くの人が30代くらいに不妊治療に一度はチャレンジしたようで、その時の心境を話してくれるものの、まさに渦中にいる世代の出演はなく、(番組へのFAXメール等のお便り紹介はあったけど)やっぱり今だからようやく語れることなのかな、という印象を受けた。まだまだ「子どものいない人生」と「いる人生」で揺れ動く世代にインタビューするのは難しかったのかなあ。むしろ20〜30代で「子どものいない人生」を積極的に選んでいる人の話も聞いてみたかったなあ。また、顔出しはできない話題なんだなあというところに少し闇というか、世間の偏見を恐れる姿があるような気がした。ゲストを中心に子どものいない人生をポジティブに話すものの、やっぱりどうしてもどこか暗い印象を受けちゃうのはコレのせいかなあ。。。

と、多少気になることはあったが、「少子化」「出生率減」「不妊治療」ばかりにサポートがいく世の中にあって、この特集は面白い切り口で、心に響いた人も多かったのではあるまいか。

自分の不妊治療の結果は芳しくなく、3月末の卵子未成熟の報告を受けてから、クリニックの通院をお休みしている。そして、しばらくはいいかなと考えている。そうしているうちにも生理は毎月やってくるわけで、その度に「ああ」といろんな感情が渦巻く。でも、通院する道が私にとって最良な不妊治療ではない気がするのでこういう選択になっている。子どものいない人生を、今は精一杯楽しみたいと思う。不妊治療に向き合い傷ついている女性たちが、少しでも気楽になれる瞬間があればいいなと願う。

今回のトップ画は、自分のイラストお休みです。

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