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【PIT】今オフのパイレーツの補強【MLB】

①マルコ・ゴンザレス Marco Gonzales(31歳)


 左投げ左打ちの先発投手。マリナーズからブレーブスにトレードされたのち、パイレーツが獲得。対価は後日発表でまだ決定しておらず(パイレーツのトレードの後日発表選手というとシェーン・バズというトラウマが……)。

【成績・契約】
 2023年は怪我の影響もあり10先発、50回、防御率5.22、FIP4.28

 しかしながら2018~2022までは短縮シーズンの20年を除き毎シーズン140回以上投げています(最多で203.0回)
 この間防御率はほぼ4.00前後(短縮シーズンのみ3.10)。イニング、防御率共に非常に安定しているので怪我から復活すればそれなりの成績は残してくれるでしょう。

2022年の savant

 24年は1200万ドルの契約。25年はクラブオプション1500万ドル。うまく復活すれば7月のトレードデッドラインで「転売」ルートですね。24年もパイレーツはおそらくコンテンドしないので。

【雑感】
 さて、このトレードですが、まだ対価が発表されてないとはいえ現状一人(ミッチ・ケラー)しか確定してない先発ローテの確保という点では文句ないトレードでしょう。ローテが安定しない中で、怪我の不安はあるとはいえイニングを稼げるという実績のある投手の加入は非常に大きいです。

 また今オフは非常に先発投手の市場価値が高騰しており、FAでは軒並み1000万ドルを超える契約ばかりでパイレーツはFAではなかなか手が出せない状態。そんな中で1200万ドルクラスのマルコ・ゴンザレスをトレードで獲得できたのは良い動きでした。

 ここからは個人的な雑感ですが、PITには「新加入先発左腕の系譜」というものがあります(と勝手に思っています)。
 古くはリリアーノ。近年ではキンタナ、アンダーソン、リッチ・ヒルと獲得した先発左腕を復活ないし成長させトレードデッドラインで転売する、という動きが続いています。これに当てはまるマルコ・ゴンザレスには非常に期待しております。ぜひ復活して優秀なプロスペクト(若手有望株)を連れてきてください。

 また、上述した通り現状でパイレーツのローテ当確投手はミッチ・ケラーマルコ・ゴンザレスの二人しかおりません。なのでせめてあと一人は先発を確保したいところ。FAではロレンゼン、マナイアあたりが取れれば万々歳。個人的には上述した「新加入先発左腕の系譜」に該当するマナイアなんかがフィットして復活するんじゃないかなと思っています。左腕過多にもなりそうですが、左腕なんてなんぼおってもいいですからね。


②Rowdy Tellez ロウディ・テレス(28歳)

 FAで獲得した左投左打の一塁手。巨漢。ボーゲルバック二世。

  • 【成績・契約】
     320万ドルの単年契約。オプションとして最大80万ドルの出来高が含まれるそうです。

 2022年は153試合で35HRの打率.219、出塁率.306、OPS.767。
 一方2023年は105試合で13HRの.215/.291/.667 (-0.6WAR)と大きく数字を落としました。


 わかりやすく低打率・高出塁率・高長打率でそこそこのOPSといった選手。そういう点もボーゲルバックによく似ていますね。

【雑感】
 今オフ必須の補強ポジションである一塁手を無事埋められました。といっても大きなアップグレードが期待できるものではないでしょう。それにしても筒香やらボーゲルバックやら、PITはこういう体型のファーストが好きなんでしょうか。

 さて、パイレーツにとって24年は一応「ブリッジイヤー」。25年からいよいよ本格的にアクセル踏んでプレーオフを目指す予定(のはず)。そういう意味でもテレスの獲得はあくまで繋ぎといったところ。単年契約でわかりやすく「復活させてトレードデッドラインで転売」というここ最近のパイレーツの動き。それにしてもパイレーツファンやってると徐々に転売が手段ではなく目的化してきて危険ですね……

 ともかく約300万ドルという安さや空いていた1Bを埋めたという意味で、やらなければならないことをちゃんとやった補強です。

 テレス、今度はお前が盗塁する番だ


③Edward Olivares エドワード・オリバレス(27歳)

 右投げ右打ちの外野手(主に両翼)。
 ロイヤルズとのトレードで獲得。対価はマイナーのOFのDeivis Nadal。出しても何ら問題ない対価で穴であったRFを埋めた形になります。

【成績・契約】
 FAまでまだ三年保有可能。24年は150万ドル程度。
2023年107試合、二塁打23本、12HR、11盗塁で打率.263、出塁率.317、OPS.769


 見た通りある程度の打撃力、長打力があり盗塁もできる選手で、常に貧打のパイレーツにとっては十分すぎる成績です。

 一方で守備ですが、昨期は主にLFを守り、OAA(守備指標)レフト-5ライト-2DRSレフト-9と期待できません(当然マイナスの方が悪いです)。パイレーツはレフトがレイノルズでほぼ固定されているので、基本はライトでの出場となります。サンプルは少なめですがライトでも指標はマイナス。ここ数年明確にパイレーツの「穴」であるライトを完璧に塞げるといった補強ではないでしょう。その分バットに期待したいです。

【雑感】
 上述した通りパイレーツの穴で補強ポイントである外野(ライト)を埋めたトレード。とはいえあくまで「穴を埋めた」程度であり、大幅なグレードアップではありません。あくまでブリッジイヤーの繋ぎでしょう。

 さて、パイレーツは外野が「酷い」です。少なくとも私はよくないと思っています。レフトには今シーズン初めに契約延長したレイノルズがいますが、すでに守備がマイナスであと数年で外野は任せられなくなりそう。センターのスウィンスキーはOAAこそ+3ですがDRSは-10。このまま正センターを任せるのは若干厳しめでできればライトで使っていきたいところ。

 つまり守備ができる「正中堅手」が欲しいわけです。キアマイアー、取ってくれませんかねえ。ハリソン・ベイダーとかでお茶濁さずにここはガツンとキアマイアーいって欲しいところ。

 ともかく現状ではレフトをレイノルズ、センターをスウィンスキーオリバレスパラシオスが両翼を。たまにセンターにペ・ジファン、という形になりそうです。

 ……弱い。やはりあと一人は良い外野、できればCFが欲しい……


【おわりに】
 以上です。駆け足でしたがこんなところで。完全に忘れてて漏れがあるかもしれませんが、そんな動いてないオフなのでメジャーレベルの補強で見逃してるのはないはず、です。

 長いオフなので気が向いたらプロスペ紹介とか書くかもしれません。

 長文読んでいただきありがとうございました。

 ではまた。



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