第3話  【ベアウルフ討伐イベント 其の3】

 せかへい 外伝15


 著者:pirafu doria
 作画:pirafu doria


 第3話
 【ベアウルフ討伐イベント 其の3】

 魔道具は使えなかった。いや、使い方がわからなかった。そのため三人は森の中を探し回ることにした。

「わんわーん、ベアウルフちゃん、どこにいるのー?」

「犬を探してるわけじゃないからやめろ。あと、犬じゃなくて狼だ」

 ミエとリトライダーがそんなことをやっていると、先を進んでいたダズが何かを見つけた。

「みんな、あれを見てくれっす」

「どうした、いたのか?」

 リトライダーとミエはダズの指さす方を見る。するとそこには大きなキノコが生えていた。

「あのキノコ、焼いたら美味しそうっす」

「真面目に探せ!」

 リトライダーはダズの頭を優しく叩く。

 そんなグダグダな感じでしばらく進んでいると、リトライダー達はついに見つけた。

 森の奥でうさぎを殺している白い毛皮の動物。四足歩行で大きさは熊のように大きく。鋭い牙と爪を持っている。

「いたな」

 狼のモンスター。ベアウルフだ。

 モンスターが動物を殺すのは魔素を手に入れるためだ。

 モンスターは魔素の塊が近くにいる動物の遺伝子を元に構築された魔素の集合体である。

 近くにいる動物の遺伝子を元に作られているため、動物の器官や習性が備わっているが、それらは必要なものではない。

 モンスターは常に魔素が漏れている。魔素を布で包んだようなものがモンスターであり、魔素は少しずつ減っている。
 しかし、モンスターは形を保つために魔素が必要だ。そのため魔素を確保するために人間を襲う。

 動物の持つ魔力。それをモンスターは吸収することで魔素に変換して、身体を保つのだ。
 モンスターは動物を殺して、魔素を吸収すればするほど、強いモンスターへと進化する。

「これ以上、魔素を吸収されても困る。すぐに討伐するぞ」

 リトライダーはそう言うと、腰にあるバックから短剣を取り出す。

「了解っす!」

 ダズは腕にグローブのような武器をはめる。

「ええ、援護は任せなさい」

 ミエは杖を取り出した。

 三人のパーティ構成は前衛のリトライダーとダズ。そして後衛のミエの構成である。

 リトライダーがスピードで相手を撹乱して、ミエが防御や攻撃のアシストをする。ダズの一撃のパワーで敵を倒す。それが彼らの戦い方だ。

 リトライダーはパーティのリーダー的役職でもある。リトライダーが作戦を立てる。


「敵はベアウルフ、一匹だ。俺が惹きつける。ダズは隙を見て攻撃。ミエは援護を頼む」

 ベアウルフとの戦いが始まった。


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