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ニュージーランドでの仕事の探し方・選び方(主にIT)

ニュージーランドでの職探しは、日本での職探しとは少し違います。といっても、わたしは日本で一般的に仕事を探す時のように、求人サイトから仕事を得たので、ニュージーランドでは一般的と言われている他の方法も含めてご紹介します。

探し方1:コネ

ニュージーランドで仕事を探す上で、よく言われているのが、「コネ」を使った方がいいという話。

これは本当によく聞く話で、ITの学校でも、ニュージーランドで職探しを経験されている方々も、就活の訓練コースでも、多くの人が、「コネを作るためにオープンに社交的になりなさい」と言っていていました。

求人サイトなどに出ている求人は、実際の空きポジションの全体の30%とも言われています。

70パーセントは表に出ていない求人

最初聞いた時は本当なの?と思ったものですが、あまりにも多くの人が言ってくる上に、実際に周りでもコネで仕事を得た人が多いことから、とりあえず、実践してみることにしました。

言語交換やIT情報交換系のミートアップに参加したり、ボランティアに参加したりしてとにかく交友関係は広げてみたのですが、ただ知り合いが増えるだけ(とても良いことなのですが)でそこから仕事へのコネとは繋がりませんでした。

ただし、わたしの周りでコネで仕事を得た人の例を挙げてみると
・知人の旦那さん(金融関係):友人を勤務している会社へ紹介
・わたしのパートナー(建設関係):ディプロマ時代の友人の紹介
・ディプロマ時代の学校の先生:学校の卒業生(仕事を探していたら学校からお声がかかったらしい)
・知人の旦那さん(小売):前職の同僚に紹介してもらって入社(前職とは別の会社)
・ディプロマ時代の友人(飲食):友人からの紹介
などなど。

うまくコネで仕事を見つけている人もいますが、運によるところが大きいと思いました。

友人や知人、隣人に自分が仕事を探していることを積極的に伝えること、かつ自分の強み・スキルなども押し付けがましくないくらいに伝えることができたら声がかかるかもしれません。

紹介する側も、紹介先にふさわしい人間しか紹介したくないので、押し付けがましいと当然嫌がられます。

探し方2:求人サイトで応募する

日本では一番メジャーな仕事探しの方法ですが、先にも述べた通り、市場の30パーセントしか求人サイトには載ってないとも言われています。

そのため、当然求人サイトの求人には人が殺到します。ITの求人だと、100通以上応募があるようなものも多いと聞きます。わたしは今回、求人サイトからの応募でSoftware Developerのポジションを得ることができましたが、職場のCEO曰く、「本当にたくさんCV見たんだよ」とのことでした。

有名どころで例を挙げると、LinkedInのAWSのDeveloperの求人は132人も応募しているみたいです。(LinkedIn経由の応募者の数が表示されますが、当然別の経路から応募している人もいるので正確な数はわかりません。あくまで目安です。)

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高い倍率を潜り抜けるにはカバーレターCVでパッと目に止まるようにしないといけないのです。ここで企業担当者の目に止まるようなカバーレター・CVが書けると、面接に進む確率が本当にグッと上がります。

数撃てば当たる、も可能性としてはありですが、しっかりと1社1社丁寧に書けば、10社しか応募していなくても5社の面接を受けられたりします。数十社CVを送っても反応がないか、お祈りメール(I wish you all the best in your search for work.みたいな)しか来ない、という話もよく聞きます。

良いカバーレターを書くためには、自分が「ここで働きたい!」という会社に絞ってしっかり企業分析をしてカバーレターを書くことをおすすめします。会社の規模やサービス内容、雰囲気、経営理念(ミッションとかバリューとか)を調べて、どうしてその企業で働きたいのか・どうやって自分は会社に貢献できるかを盛り込みます。

また、ニュージーランドによくあるのが空の求人広告。

一般的に、企業が労働者のワークビザをサポートするためには、一度求人広告を出さなければなりません。

Your employer needs to try to recruit any suitable New Zealanders who are available to do the work before offering you the job. (NZ immigration より)

これはニュージーランド人の雇用を守るためであり、ニュージーランドの人にもできる仕事をわざわざ外国人にビザを出してやらせる必要はない、という政府の方針です。そうは言っても、企業としてはビザのサポートをして自社で働いて欲しい人材がいる場合には、ニュージーランド人(国民・永住権保持者)向けにかけた募集ではふさわしい人が見つからなかった、という建前が必要になるので、ビザをサポートしたい人と同じかそれ以上の経験・能力を対象にした求人広告を出します。そして、この求人広告に対して応募したところで、人を採用したくて広告を出してるわけではないので次のステップには繋がりません。なので、空広告に時間・労力をかけるのは避けたいところです。

これは、かなり個人的な仮説なのですが、かなり具体的な経験年数・スキルを記載している求人は空広告なんじゃないかなと感じています。例えば、Javascript 5年、React 3年、Java 2年、Spring 2年…のように、複数の言語・フレームワークに対して年数縛りがある場合や全ての条件を満たすのがなかなか難しいような求人は、特定の誰かの経歴を見ているような気すらします。一つの言語やフレームワークに対して経験年数を設けている求人は少なくないですが、条件が厳しすぎる場合は、余程「この人!」とストライクゾーンを狭めて人を探しているか、空広告かな、と思ってわたしは手を出しませんでした。(個人的な意見なので、本当に気になる企業の求人であれば応募した方がいいです!)

求人の条件が厳しすぎるものは避けた方がいいと思う反面、手のかかる応募フォームや企業からの質問・課題がある場合は、積極的に応募するといいと思います。手がかかるという理由だけで、数撃てば当たる派の人は応募を避けたりします。企業側が応募者をふるいにかけるため(数撃てば当たる系の人よりもこの会社で働きたい!という人を採用したいのは当然)に設定しているものなので、このタイプの求人は空広告の可能性も低く、課題の質が高ければ高いほど、企業の担当者の印象に残りやすくなります。

実際にわたしが面接に至った、手のかかる応募課題の例としては、
・60秒のビデオを作成(5つの質問にビデオ内で回答)
・ショートポエムを提出
など。

ビデオは、売れるくらいのクオリティ(実際にお金もらった仕事と同じくらい)で仕上げました。ポエムはもう恥ずかしさは捨てて、世界平和について書きました(そして、この会社に採用してもらいました!)。

ニュージーランドで仕事を探す際の求人サイト・ソーシャルメディア

*求人サイト
・Seek
・Trade me
・Indeed
neuvoo
newkiwis
fitnz(フィットネス業界)
barcats(ホスピタリティ業界)
SJS(学生向け)
その他いろいろ

*ソーシャルメディア
・Facebook market place > Jos
・Facebook group(地域や業種で多数のグループあり)
・LinkedIn

まとめ:求人サイトから応募する際のポイント

・企業分析をして、担当者の目を引くようなカバーレターを書く。
・空の求人っぽいものは避ける。
・手間のかかる応募フォームほど積極的に応募する。

探し方3:直接企業訪問・企業へ電話(求人なし)

これはわたしはやらなかった方法ですが、結構有効な手段のようです。

直接会っていいと思ったり、電話で話していい感じと思ったら、採用してくれたりするみたいです。

業界は違いますが、わたしのパートナーのディプロマ時代の友達5人のうち、3人が企業訪問で仕事を得たようです(建設マネジメント)。ただし、必要なのは「英語力」「コミュニケーション能力」であることは言うまでもありません。

仕事への応募の話ではないですが、わたしのディプロマ時代の友人はリクルートエージェンシーに直接訪問したらウェルカムな雰囲気で、担当者がCVを見てくれてアドバイスをもらったと言っていました。とりあえず学生だったこともあり仕事にはつながらなかったようですが、普段CVを見る側の人からレビューをもらえるのはとてもいい機会だと思います。

ディプロマ時代から本格就活期間にかけて、やってみようと思い続けて結果的にやりませんでしたが、直接訪問・電話はコミュニケーションに自信のある方にはおすすめの方法です。

探し方4:企業のホームページから応募・メール送信(求人なし)

自分が興味のある企業のホームページを定期的にチェックして、Carrerのページを見ていると求人情報が載っていることがあるので、求人サイトに載っていなくて企業のページだけにある求人は倍率が低いと言えます。

また、求人がなくても、「優秀な人材をいつでも求めてるよ、気軽に連絡してね」みたいなメッセージを載せている企業もあります。また、Expression of Interest(あなたの会社に興味ありますという意思表示)を応募フォームから受け付けている企業もあります。こういう企業に対して、学生時代も含めてカバーレターやCVをいくつか送りましたが、Expression of Interest経由で応募した1件のみ電話面接を受けた以外は特にいい反応はありませんでした。ただし、タイミングによっては、いい反応を得られるかもしれません。

1件電話面接を受けた企業は、1月に人が辞める予定(連絡もらった当時は8月末)だから急いでないんだけどいい人がいたら採用したいと思っている、という風に言っていました。電話面接の結果、彼らの要望とマッチしなかったので次のステップには進みませんでしたが、オープンな求人以外でも反応が得られることがわかる、いい機会でした。

就活に有効な会社情報の見方

企業調査は就活をする上で本当に大切です。就活訓練コースに通う前に仕事の応募をしていた時は、さらっとしか企業のホームページを見ておらず、そうすると企業から連絡あった時に「どの求人だっけ?どんな会社だっけ?」となってしまうことも多かったのですが、企業調査をしっかりするようになってからは複数並行で選考に進んでもあまり混乱しなくなりました。エクセル表にまとめていたので、連絡をもらった時にすぐ情報にアクセスできるようになり、メール・電話のレスポンスが自分で思い返してもとても早かったと思います。

・サービス内容
これは絶対に確認しないとダメです。求人の応募ページにも詳細を書いてくれている企業はありますが、実際に企業のページを訪問してどんなサービスがあるかは確認しましょう。カバーレターでも面接でも役に立ちますし、会社に愛着が湧きます(採用されなかったら…は考えない)

・会社の雰囲気
従業員を大切にしている雰囲気がわかる会社は働き心地がいいだろうなと思って積極的に応募しました。それに関連してか、面接まで進んだ全ての会社で、雰囲気の悪い人・話しにくい人は1人もいなかったのが印象的です。

ニュージーランドは移民の多い国なので、ニュージーランド人だけが働いている会社というのは規模が大きくなればなるほど珍しいと思います。外国人である自分自身が働きやすい職場が良かったので、ホームページのAbout usのページなどで、どんな人が働いているか確認したりしました。LinkedInの会社情報から働いている人がわかる(全員ではない)ので、その辺も参考にしました。ニュージーランドにいるのだから、Kiwi(ニュージーランド人)だけの環境で働きたいと思う方もいるかもしれないですが、ある程度の英語力がないと結構しんどくなると思います。とはいえ、会社の雰囲気は好みなので、自分の好みに合うかどうかを見るのは結構重要です。とりあえず仕事を見つけたい、という気持ちが強くなってしまうとこの辺りを気にしない方も多くて、仕事が見つかった後で職場への不満が溜まってしまったりします。

・会社の目標・ミッション・バリュー・倫理観・ヒストリー
会社がどういう方向性でビジネスをしているのかを知ることは、サービス・会社の雰囲気同様大切です。あなたの会社のどういうところに魅力を感じている、というのを説明するにはここを理解することが一番説得力があると思います。会社のヒストリーについては、流れを知っておくと面接時のあちらからの会社説明などの際に、質問を挟みやすくなります。

・IT担当者やHR担当者
企業によっては、チームメイト一覧とポジションなどを載せていたりします。IT部門の人の名前やHR部門の人の名前を確認するようにしていました。電話がかかってきたとき、メールをもらうときなどに名前がわかると少しだけ慌てずに済みます。

就活開始当初は会社の電話番号などもスマホに登録していたりした(突然電話がかかってきてもどの会社かわかるように)のですが、メールで事前に連絡をくれることも多かったので途中からやめました。

まとめ

タイミングやコミュニケーションが得意かどうかにもよりますが、求人サイトからの応募だけではなく、他の方法も複合的に積極的に取り入れるといいと思います。

短期で就活を終えたい人は、企業直接訪問・電話か、求人サイトでの応募が効果的ですし、長期的に次の仕事を探したいと思っている場合にはコネやExpression of Interestも有効でしょう。




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