残念な姉妹

私と姉は、残念ながら何から何まで分かり合えることがなく、不仲だ。

世の中にはとても仲の良い姉妹、兄弟さんがいらっしゃる。羨ましい限りです。

本の趣味、音楽の趣味、育児方針(姉は独身・子なし)、好きな旅行先、どれもこれも全く合わない。
性格も姉はせっかち、早とちり。
私はのんびり、機会を待つ。
一緒にショッピングなど、考えられない。

しかも、姉は口が軽い。

私が中3の時、仲良しのSちゃんがタバコを勧めてきて、(Sちゃんは、不良というか、大人っぽかった)、興味本位で1週間ほどベランダでタバコをふかしていた(肺にいれるのは難しかった)のを姉に見つかり、「親にはだまってて」と頼んだのに、翌日母に「あんた、タバコ吸ってるんやて？｣(⇽関西人)と言われた。
美味しくもなかったし、バレたのでやめた。

10年程前、人間ドックで乳房に胞嚢があり再検査と言われたことを、姉に聞かれたので、「母には黙っててよ」と釘を刺したのに関わらず、翌日母から「あんた、乳がんやて？｣と心配の電話があった。ありえん！

自分で抱えきれないのである。

以来、大事なことは姉には言わない。

口うるさいので、私の子供たちには着信拒否されている。本人は知らないが…

寂しがり屋で面倒見のいい姉は、まめに友達や親戚にもバースデーカードを送ったり、いとこのことも気にかけたりもしているが、一方通行気味なのが見ていてたまに可哀想になる。

私は親戚には用事がないと連絡はしない。
小さい頃からいとこ達ともそんなに仲良くなかったはずだ。


親の刷り込みで、結婚を諦めていない姉。
両親が亡くなり、一人暮らしなので余計に寂しくて、急にうちに来たりする。
普通連絡してから来ますよね？

そんなわけで仲は良くないが、この先面倒を見るのは私か…とふと思う。
でも深く考えないようにしている。
人生どうなるか分からない。

なぜ同じ親から生まれてこんなに違うのか。
不幸なことに、厳しかった父の矛先は姉に集中して、私には放任だったのが幸いだった。毒親に近かった父の影響が大きかったのかもしれない。姉には自分がなかった、私よりも。


父の晩年は、姉は既にやられっぱなしでなく、頑固な人間に変わっていた。
昔は親の勧めるままに、結婚するべく茶道、華道、着付け、料理、もろもろの習い事をして結婚相談所も何箇所も行き、いい年まで親の言い付けを守っていたけど（いい子ちゃんだ）、両親が年と共に弱るにつれて強くなった。

でも結婚の呪縛からは逃れられず、今も夢見ている。夢見るのは結構。
でも叶わなかった時の生き方も考えてほしい、と願う妹である。