見出し画像

今の病院の好きなところ

昨日、オットの荷物を取りに病院に行ったときに
担当の看護師さんから、「奥さん!ちょっといいかしら!」と詰め寄られた。
どうやら、オットの退院時期について
その日スタッフで会議が行われるらしく、その前に私の意見を聞いておきたいとのことだった。

わたしとしては、去年はとにかく初の長期入院で私も心配だったし、
オットのメンタルも限界に近かったため、私が介護休業を取ることを条件に、早めに退院させてもらった。

しかし、今回は新しく勤めだすところで、
いくら施設長が、「もしもの時は休んでね」と言ってくれたって
そうそうに休みまくるわけにもいかない。

なので、私としては、
「日中ある程度一人で過ごせる位になって帰ってきてほしい」と伝えた。

看護師さんは
「オットさんは、奥さんが朝、仕事前にリハビリしてくれたら日中動けると思う、って言ってるけど、本当かなぁ?奥さん、できますか?」と言われたので、

「それは早起きして絶対やります!夜も!」と言ったら、

「奥さん…がんばるねぇ、ありがとう」

と言って肩を叩いてくれた。


オットの担当は、看護師、理学療法士、作業療法士、介護士の4人がついている。
その中でも、「年内の退院でいけるんじゃないか」派閥と、
「年明けまで(なんなら期限まで)、じっくりのほうが安心」派閥とに、分かれている。

オットの病名だと、最大2月15日くらいまで入院自体はできるらしい。

不思議な話なのだが、
「オットは去年より、治りが遅い」と感じている人と、
「想定より早いペースで良くなっている」と感じている人と、分かれているみたい。担当分野(歩行中心、作業中心)など、見ている分野が違うというのもあるし、そもそも昨年担当じゃない人もいるので
誰の意見があてになるのか、わたしも良く分からない。

ちなみにオットは、「俺、去年よりも早いペースで良くなってる気がしてる。だから年内に帰る気満々!」とのことだ。


今日は院長先生からの月1回の電話報告があった。
今のリハビリの進み具合や、なにか心配なことはないかとヒアリングしてくれる。
この院長先生は本当に素敵な方で、何が素敵かというと、
とにかく、言葉を選んでくれるのだ。

オットは昨年の入院時、「とにかく1日でもはやく退院したい」というモチベーションだけでやってきたので、
院長先生はその残像のせいか、「もしかしたら退院時期が延びる可能性も無きにしも非ず」
みたいな話を、毎回、ものっすごくオブラートに包んで、話してくださる。

リハビリはがんばっているけれど、ステロイドを大量に摂取しているせいで、筋肉が萎縮して、なかなか可動域が広がらず、苦戦している、と。
しかし、できることは確実に増えているので、このまま頑張っていきましょうね、と言ってくれた。

少し前の記事にも書いたが、家探しをのんびりしてることを、
ちらっと看護師さんに言ったのだが(ものすごくふわっとしかしてないんだけど)
どうやらそれが院長先生の耳にも入ったらしく

「家が決まったら、その家で本当に暮らせるか、試しにお泊りとか
そういうのを年明けとかにやってみるのも良いかなって思いますし…
やっぱり、ベッドどこに置くー?とか、そんなのも話さないとですよねぇ?家探しにも、時間かかるでしょうし~…」

みたいなかんじで、家探しと絡めて、話してくださったりして、
家探し=時間かかる=オットの退院もそれに合わせたりすると伸びるかも
みたいなニュアンスで伝えたかったのかしら…?って思ったら
あぁ、オットが傷つかないように、めちゃくちゃ気を遣ってくれてるんだな…
と思った。

なんなら、昨日の会議で、「もし年内退院が厳しかったら、どうやってそれをオットに伝えるか」みたいな議題でみんなで作戦会議したんじゃないかなぁと思うほど。じゃないと、院長先生にまで家探しのこと伝わらないよね?笑

とにかく、「年内になんとか!」という一筋の希望を捨てずに日々の軍隊のようなリハビリを頑張っているオットを前に
こうやってなんとかやる気をそがずに、でも現実的なことも織り交ぜてお話いただける配慮をしてもらえているということに、
いたく感動し、深く感謝した。

結果、近々、奥さんも交えて、ぜひ会って一度相談しましょう、ということになった。「電話じゃ伝えきれないこともあるので」と。

きっと、なんとなく、「年内退院はきびしいよー。」と言われるんじゃないかと思うけれど、
だからこそ、対面で、わたしと一緒にいるときにそれを言ってくれるということに、とても誠実さを感じた。

それでもオットは、「でもおれ、年内諦めてないから」と、電話で今日も呟いてた。


現実は、なかなか、厳しいかもしれない。
オットがもしも、それで傷ついたり、落ち込んだりしても
宣告の日、一緒にいることで、ちょっとは気持ちが楽になるかもしれない。

急性期の総合病院は、薬と治療で、病気を治す場所。

リハビリは、一朝一夕に完成するものではなく、
本人が「頑張り続ける」ことが大事なので、
その分、本人の気持ちや、家族の想いも大切にしてくれる。

どうやったら、気持ちを折らず、前向きに取り組めるか。

こういう配慮をしてくれる、この病院が、
とても好きだと、今日改めて感じた。


サポートありがとうございます。 大好きなオットのために、使わせていただきます🙏