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おかえりモネ #大人たちの決着

あぁ…来週で終わってしまうなんて。
信じられない。1週間前なのにもうモネロスになっている。

今週のモネは、どれもグっと胸に来るものだった。

新次が泣きながら、亡き妻の十八番「かもめはかもめ」
を口ずさみ、死亡届にハンコを押す。

この海を亡くしてでも ほしい愛はあるけれど
「ありがとう」 「さようなら」


これを書きながら、今も涙がでてくる。

わたしが知っている大人は
もっと強くて、しっかりしている。
子の前で、こんなにボロボロじゃない。


息子の亮のほうが、よっぽど大人じゃないか。

「立ち直ってたまるか」といつまでも意地を張る、脆いお父ちゃんを見て
亮はきっと、早くから大人にならざるを得なかったんだろう。

それがとても、切なくて。


元に戻るだけがいいことだとは思わない

そうやって、新次は言うけれど。


「親父をもとに戻すことだけが、俺の生きる目的だった」

亮の言葉。
これを聞いて、新次よ、どう思ったんだい。


子どもって、親が考えているより、ずっとずっと、いじらしいんだぜ。

親が笑ってるところを見たいんだ。
そのためなら、なんだってする。


「そんなのは、お前の人生じゃないだろう」
そうだよ。そうだけどさ。
新次は新次で、もう陸で生きていくことを決めたのかもしれない、
それはそれでよかったのだけれど。

だれか、どうか、この亮の気持ちを受けとめてほしいと思った。
「親を立ち直させることが生きる目的」
そんなこと言わせてしまうくらいの、
それくらい大きいものを、背負わせてしまっていたということに
どうか、気づいてあげてほしい。

立ち直りの方向性は違ったかもしれないけれど、
親子が向き合って話せたことと、
同じように、どこへも行けない悲しさやもどかしさを共有できる
永浦家という空間があったことは
とてもよかったなと思った。



今朝、このコラムを読んだ。
チーフ演出の一木さんが書いたことば。

亀島のモデルとなる気仙沼大島の中学生たちは、およそ一週間物資の供給がない中、プールの水を濾過するなどあらゆる手を使って島民の命を守りました。とにかく大人にならねばならなかった、希望にならねばならなかった。そして本来ならば先頭に立っていたはずなのに、島に戻れなかったモネを主人公とし、あの時何もできなかったと密かに悔やみ続ける多くの人々の思いを託すこととしました。
いま災害級の渦中にあり、学生たちは今しか体験することのできない特別な時間をことごとく奪われました。こんなに若者が、若者としていられないのは、戦時中以来ではないでしょうか。

それだけの災厄が降りかかる中、それでも社会の役に立とうとしてくれているこの優しい世代の皆さんに、伝わればいいなと思っています。あなた達のことを見ているよと。決して勝手に「希望」と祭り上げることをせず、まずは私達世代が頑張るよと。「モネ」に出てくる大人たちの台詞は、実は若い皆さんに向けての、かなり直接的なメッセージでもあります。
彼らは常に正しい人間ではないし、弱い部分や欠点もある。でも子どもたちの未来のために、大人としての矜持を守ろうと「じたばたと」踏ん張っている。そんな生き方をまずは見てほしいです。モネで描く大人世代の行動や思いは、作家の安達さんを始めとした、私たちの願いがかなり入っています。
間違ったり回り道をしたっていい、あなたたちはどこで何になってもいい、どうかそれも忘れないで

このドラマの本質は、こういうことだったんだ
と改めて胸にストンと落ちるものがあった。

ジタバタする新次のような大人がいたっていい。
モネのように、回り道をしたって。


前回、嵐から無事生還した亮が
「俺、幸せになっていいのかな」とつぶやいた時
みーちゃんも、モネも、静かにうなずくしかなかった。


モネから、このことを聞かされたとき、新次は
「んなの、あたりめぇーだ!」とつぶやいたけれど。



今週、新次に向かって、

「おめえは幸せになっていいんだよ」

と声を出して言ってくれた。


そう。そうだ。
アラサーのおばさんが、テレビ越しにずっと思っていたことを
耕治さんが声を大にして言ってくれて、ヨカッタ。

亮にも響いているかしら。


ドラマだからこうやっていえるけれど
実際の当事者を目の前にしたら
軽々しく言葉なんて出てこないんだろうと思う。。
難しいテーマに、非難の声もあるだろう。
それでも、このドラマを見るたびに、今日もモネや亮たちの幸せを願わずにはいられない。

わたしはわたしで、できることを一生懸命やるだけだな。

さ、勉強するか。



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