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ぴぴぷる
2021年6月5日 11:13
田んぼに映る空へ 風船がとんでいったあの紐に まだすこし 体温が残っているからすこしだけ わたしもいなくなるアメンボも 蛙も 空を泳いでいるのにそれに気づかないまま冷たい風のなかの 幼い夏だけが雲をおいかけていくさよならと 言わないせいでなにもおわりに なっていないわたしの風船 ずっとむこうへ 消えてった。