Qand A高野文子さんについて(2019/09/21)

Q.身体に1冊埋め込むことができるとしたら?
A.「るきさん/高野文子」を選びます。

Q.それは、なぜ?
A.るきさんは静かに狂っているからです。静かに強い。多くを語らないが何より強くそれを語っているからです。わたしもそうありたいし、そうなりたい。

Q.というと?
A.何も付け足さない難しさを淡々とやっています。人の言葉をかりると、わたし達は足りないのではなく多くを持ちすぎているのだそうです。そして長年のクセで、もっと◯◯なきゃ!ゾンビになる。足ることを知る喜助のヒュウという喉を拝借せねばなりません。(高瀬舟)

Q.ほう...
A.るきさんの作者である高野文子さんの作品は寿命が伸び続けるわたし達の希望であると考えます。これは息継ぎなくひといきで、述べるとよりこの気持ちに近しくなると思います。年追うごとに異なる作品がそっと二の腕あたりをピタと合わせにきてくれるでしょう。異なる温度の二の腕はやがて最大公約の温度で1になるのだと思います。

Q.高野文子さんの他の作品について聞かせてください
A.「絶対安全剃刀」は何年か前かなり背伸びをして世の中にポーズをとる気持ちで購入しました。しかし近頃ようやく、二の腕に触れてもらえている感覚です。17作品ありますが、「あぜみちロードにセクシーねえちゃん」は右の二の腕、「午前10:00の家鴨」は左の二の腕にほどよく触れてくれています。最大公約で3が1の温度になる感覚は、今後も楽しみです。

Q.以上で質問は終了ですが、何かあれば。
A.それを特別だと思わなければそれは自然とやってくるのだとどこかで読んだことがあります。扉が75パーセントしか閉まらないトースターは、まぁいいかこれも味かと許容していたらなおったことも気づかないくらい、いつのまにかなおっていました。わたしの便秘も今や便秘だったことを忘れるくらいになっています。悩んだことはもとより治ったことも忘れるなんてなんて愛おしく素敵な無責任でしょう。大丈夫。わたし達は大丈夫です。


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