SESで働こうか迷っている人に経験者が実態を伝える
この記事はシステムエンジニアになりたくてSESという雇用形態で働こうとしている人、「SEになりたいと思って就職したら客先常駐だったんだが…」な人、「そもそもSESって何?な人向けに経験者(現在進行形で)が実態を伝える記事です。参考になれば嬉しいです。
※注意※
もちろん、会社によりますし案件にもよります。あくまで私が経験した中で感じたことです。
私
SE5年目。高卒で事務フリーターからSES企業に入社しました(これが初正社員)。お局にいびられて事務が嫌だったのとネットサーフィンが好きだったからSE選びました。最初の会社から2回転職してます。転職理由とかは後ほど。
SESって何?
わかりやすいサイトが沢山あるので割愛しますが、ざっとこんな感じです。簡単に言うとIT業界内での派遣社員みたいな働き方です。
SESで検索すると「やめとけ」とか「ブラック」とかマイナスワードが沢山出てきますが、一応メリットもあります。
メリット
①現場が変わる
合わない現場でも基本、契約の終わりが来ます。人間関係が辛いとか作業内容が好きじゃないとか辛くても、開発案件なら期間が決まっているので別れがあります。
ただ、保守案件だと長くいることが前提になります。現場をコロコロ変えたくない人は保守が良いかも。
(開発案件→期間が決まってる分スケジュール遅延すると忙しくなりがち。
保守案件→トラブると忙しくなるが、何も無いと定例業務しかないので退屈しがち)
②間口が広い
学歴関係なく未経験採用も多いです。求人もめちゃくちゃあります。私も高卒未経験で事務のアルバイトから適当に選んで入社しました。小さい会社でしたし動機は特に聞かれず、若いから入れました。
向いてる人は全く異業種からの転職でもどんどん伸びますし、ちゃんとした会社なら給料も良くなります。
大手は分かりませんが中小は年功序列より実力主義だと思うので、考えることやプログラミングが好きなら天職になると思います。
ただ、簡単に入れる分ヤバい会社率も高いです。未経験者ならしっかり自社内で研修させる会社がおすすめです。
未経験を経験者と偽って現場に入れようとする会社もあります。SEの経歴詐称って割と日常茶飯事なので現場も「あ、こいつ未経験だな…」とすぐ理解しますが辛いものです。
私自身、未経験を経験者と偽ることは無かったものの、経験年数を盛られて面談させられたことはありました。
面接の話と実態が違ってヤバそうなら内定辞退するのも手です。
③同業種の転職に寛容
ヤバい会社やヤバい現場も多いので、環境改善の為にSESで転職する人が沢山います。人の入れ替わりが激しい業界です。
転職の面接で辞めた理由を聞かれることが多いかと思いますが、理由を上手く話して本人に問題が無いと思わせれば転職は楽だと思います。
環境改善でなくとも、スキルアップや給料アップの為に転職する人も多いです。
狭い世界なので別の現場で再会したけど、相手の会社は変わってたなんて話もあります。
④リモート可能
減ってきてはいますがフルリモ案件もたまにあります(未経験は厳しい)。大体がハイブリッドです。ただ、フル出社は他の業種よりは少ないと思います。
デメリット
①現場ガチャ
いちばん言われるやつです。ぶっちゃけ、合う・合わない・成長する・しないは運だと思います。クソ現場でも本人のやる気次第とか言う人もいますが、ガチャ要素はとても強いです。
ただ、希望を通すもしくは嫌な現場を早く抜けるには自社の人間(営業や上司)と上手くやる必要があります。ただ希望だけ通すとワガママだと思われるので。。
メリット②にも書きましたが、経歴を盛ったり求人情報に嘘を書いているような怪しい会社だとハズレ現場率も高くなります。
良い会社だと、稼働が高すぎたりパワハラのある現場は引き上げたりそもそも断る、など社員を守るムーブをしてくれるところもあります。
②面談がだるい
SES独特の文化です。現場に入る場合、ほとんど事前の面談があります。(先輩が既に入っていたりクライアントと付き合いが長いと省かれる場合有り)
入社面接に受かったのに何でこんなことしなきゃいけないんだ、と思ったりもしますが、逆に言うと入る前にヤバい現場を見極めるチャンスでもあります。
入社前に現場面談させる会社が多いと思いますが、現場がヤバそうだったら蹴らせてくれる会社に入った方が良いと思います。拒否権が全くないと詰みます。
でも、まぁ入ってみないとわからないですよね……(案件を選べるタイプの会社だとなお良し)
ちなみに、私の経験上あまりにもスキルアンマッチだと書類で落ちる為、超望み薄の場合は面談にならないです。就職の面接と同じです。面談出来ている場合は、わずかでも可能性ありと思って良いと思います。
③契約が面倒くさい
最初の図にもありましたが、SES企業もピラミッドのような下請け構造になっていることがほとんどです。
下請けが多いので勤怠提出が自社と上位会社分の複数あったり、セキュリティテストも複数受けさせられたりします。単純に手間が増えます。
また人件費もピンハネされまくっているので、下の階層にいるほど売上が下がります。ピラミッドの上の方に現場を多く持っている会社の方がもちろん給料は高いはず…です。
おまけ。これは契約によりますが大体の現場だと勤務の下限時間が決められています。
祝日の多い5月も祝日の無い6月も下限時間は同じです。
下限時間が高いと祝日が多い月に有給を取れなくなるので注意してください。
下限の話は独自の文化だし意外と大切なので調べておいた方が良いです。(私は入ってから知り嫌な思いをしたので)
下限を割った場合給料が下がるのか怒られるのか、何もなしなのかは現場や会社次第です。
一回現場にいた他社の先輩に聞いたところ「俺の会社は給料が減るから割らないようにしてる。けど下限割っても関係ない会社の人はガンガン割ってる(笑)」と言われました。
④アウェー
感じ方によりますが、派遣される側なのでアウェーです。自社の人間が0の時もあります。気楽と捉えるかは向き不向きです。
めちゃくちゃ成果あげる人も見ましたし、気楽に話せる人がいなくて病んで自社に戻されてた先輩も見た事あるので、性格によります。
若手は現場で1人にしないみたいな会社もたまにあります。
(帰属意識が薄れる)
退職率が高い原因にされることが多い(本当かは知りません)帰属意識の低下。
SESだと自社の人間と顔を合わせることが少ないですし、そもそも現場で自社の名前を名乗らないことが多いです。
またピラミッドの話になりますが、入館証とか書類とか「上位会社の〇〇さん」になるんですね。みんな上位会社の名前で現場に入ってるけど本当の会社はバラバラ、なんてことがよくあります。
帰属意識が低くなるから飲み会やろうとか部活やろうみたいな会社も多いですし、逆にそういうのは嫌な人の為に集まりがないことをアピールする会社もあります。
⑤勉強文化
これはSESとか関係なくシステムエンジニアの気風です。
資格取得や勉強会などに参加強制かどうかは会社によりますが、SEはずっと勉強的な考え方の人が多いです。(それを望んでなった人が多い)
時代的に大っぴらには言わなくても勉強する為にプライベートの時間を使うのが当たり前、的な考えの人もいます。
会社も違うし共通項がないし、技術の話で盛り上がってる現場も多いです。純粋に技術の話が好きな人が多い。
どの業界も同じだと思いますが出世するなら勉強は必要です。将来プロジェクトマネジャーになるか、技術重視で行くか聞かれる事もあります。
コミュ強はマネジャーに多いですが、コミュ力難あり(ちょっと変な人、クセのある人)で技術力が凄い人が現場や自社にちょこちょこいます。
おまけ……
私の転職理由は
1社目
会社の方針と合わなくなった
1番長く務めましたが中小企業にありがちな社長のワンマンだったので、合わなくなったと感じて辞めました。リモートを歓迎しない会社なのに、会社が移転し社長希望の場所(今までよりかなり離れた)になったのがキツかったです。
2社目
求人情報に記載されていた手当や賞与が貰えなかった
これはもう論外なのですぐ辞めました。
結果的に私は今三社目で割と良い会社ですが、SE自体近々辞める予定です。
(論理的思考が苦手、プログラミングもそこまで好きではない、残業してまで皆で開発頑張るぞ!的な文化祭みたいな気持ちがもう無い、唯一続いた理由が女性が少なくお局的な人と出会わなくて辛くなかった、だから。これまで人はさほど悪くなかったと思う)
ちなみにSEが楽しいと思えるなら、技術力がある人はSESは早めに切り上げて自社開発に転職した方が良いです。
最後に
結論としてSESはやめとけとかオススメとか言い切ることは出来ません。
私には合いませんでしたし、現場が嫌になってSE自体を辞める人も見てきましたが、逆にSESから大手に転職成功した同期や入社時はPCがほぼ使えなかったのにめちゃくちゃ稼げるようになった後輩もいました。
素質があるかどうかに尽きると思います。
でも他に選択肢があるならあんまりおすすめはしません…。
長くなりましたが、既にSESで頑張っている方、これから頑張る方はとりあえず会社や現場のルールをしっかり聞いておいた方が良いです。
中小だとなあなあだったり、SES転職組だと「わかるやろ」みたいな扱いされますが会社や現場によってバラバラなので、面倒くさいと思われても営業や現場の人間にしっかり確認しましょう。
SESは駒じゃない、エンジニアファーストだとか言う会社がありますが、口だけのところが沢山あります。損するのは自分です。
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