本当はあんこが食べたい。
会社で、タバコが禁止になった。
夕方になると喫煙者たちがイライラしてるのが目に見えてわかる。
そんな弊害が出ているが、いいところもある。それは、タバコ吸いたさに定時で帰るという事。
俺は非喫煙者で他人事だが。
が、俺はタバコを吸わない代わりに、甘いものがやめられない。
会社のカバンにはチョコを忍ばせて、チョコだけにちょこちょこ食べてるけど、やっぱり美味しい
調べると、タバコと同じく、依存性があるだのないだの出てくるけど、それは置いといて。
特に好きなのが、お酒入りのチョコレート。親指くらいの大きさに夢詰まりすぎ! って食べるたびに思う。
他はよく知らん。いろんな種類を食べるけど、まあ、なに食っても美味しいや。
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チョコレートの箱って可愛かったりスタイリッシュなの多いよね。あれも食欲をそそってる。種類もいっぱいあってカラフルで。
いちご味とかバナナ味とかその時の気分に合わせていくらでも種類あるもん。どんな気分でも食べたくなっちまうよ。
たださ、この前(おれ、本当にチョコが食いたいのか?)と思う瞬間があった。
それは、饅頭を食べたその時だ。
「今まで、なんでチョコレートばかり食べていたんだ!」と、チョコレート売り場に居座って、買いに来たやつ全員に説教したくなった。
俺は! 本当は! あんこが食いたい!!!!
——
おはぎ大好き。ずっとよ。『このタイミングでおはぎが好きになった』って瞬間がないから、逆算して考えると物心ついた時には好きだったんだろう。
もちろんおしるこも好き。鏡開きのときくらいしか食べないけど、一年中その瞬間を楽しみにしてるくらい好き。まあ、一年中楽しみにしてるってのは言い過ぎだけど。
アイスだって、あずきバーめっちゃ食うし。
なんで俺って、事あるごとにチョコレート食ってたんだろう?
よく考えてみると、お手軽な餡子菓子ってない。あんこって食べるのむずいし。
チョコは溶けるまでのラグで手が汚れないけど、あんこは触れば一発でベトつく。
饅頭にしたって、周りについてる、わけのわからん真っ白粉で汚れまくる。
チョコに比べてあんこって不便さがすごい。
クーリッシュみたいにチューブにあんこ詰めて吸うタイプにすればいいんじゃないか?
値段次第では買うが?
とにかく、本当はあんこを食いたくても、手軽に食べられる手段が少なすぎるって事だ。
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ただな、手頃なあんこがなくたって、俺はこれからあんこばっかり食べるぜ?
今までは気がついてなかったんだ。甘いものといえばチョコレートという常識に惑わされてた。
これからはあんこ。甘いものが食べたくなったら饅頭を買うだろうし、バレンタインにチョコを選ぶやつは個人的に淘汰する。
本気だぜ?
いや、本当にわからん。なんでチョコレートを食べてたのか。うーん……
もしかして、あれか?
その昔、俺はまだ中学生で、そのころデスノートって漫画が流行ったんだけど、そこに『L』っていう天才が登場すんのね。でこいつが糖分補給のために板チョコを食うんだけど……
あれ、くそかっこよくて、憧れてた。
これかもしれない。デスノートの『L』に憧れてチョコ食ってたのが答えかもしれない。
ってこれ、不良漫画の主人公に憧れてタバコ吸うやつと同じじゃん……
うーん、そんな俺ってかわいいな。
鳥居ぴぴき 1994年5月17日生まれ 思いつきで、文章書いてます。