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自分がステージに立ったときの記憶をR-1グランプリ観て思いだしてみた

昨日、初めてR-1グランプリという、ピン芸人さんの大会を観た。

M-1グランプリは結構TVで観てきたが、それ以外のお笑い賞レースはなかなか、我が家のTVで流れることはなかった。


今回、今注目しているニューヨークの嶋佐さんが、”SHIMASA”という名前でエントリーし、準々決勝まで進んで敗退した。

NSC在学中以来、ひとりで挑む賞レースに参加することがなかった嶋佐さんは、ニューヨークチャンネルの動画内で、

「芸人最も緊張した瞬間」

に、今回のR-1グランプリ一回戦を挙げた。


ニューヨークは、コンビとして、M-1グランプリで2年連続決勝進出、キングオブコントで準優勝している。

芸歴も10年、数々の仕事も経験しているが、

今回のR-1グランプリを経験して、嶋佐さんは、とにかく ”ひとりで” ステージに向かっていく緊張感がものすごかったと話していた。


その話を聞いていたので、そういう心構えを持ってR-1グランプリを観てみた。

考えてみたら、ひとりって、すごいなぁ、、、、、、


全部、自分で作る時間、空間。


全ては、自分次第。


自分でイチから考え、準備し、自らがプレイヤーとなる。



すごいなぁ。




優勝したゆりやんレトリィバァさんは、知名度(もちろん実力も)がある中でのプレッシャーに打ち勝ったんだなぁ。優勝決定の瞬間、いつもの嘘泣きギャグじゃなく、本当に泣いていた。そのときに、彼女の背負うものを思った。ただ、ステージでのパフォーマンスは、彼女自体がたのしそうに、思うままに演じているように見えた。何より、”たのしい”が伝わってきたなぁ。

ZAZYさん。私は何も考えずに笑えて最高だ!と思ったら、決勝、まさかのフリップに、、、、、、悔しそうだった。でも、先ほどTwitterを見たら、それを逆手にとって、クリップのデザインされたTシャツを作っていて、このひとはすごい、と思った。来年、また観たい!

かが屋の賀屋くん。有吉の壁にも出ている方で、相方の加賀くんが体調不良の間、ひとりでがんばってきたのを知っているし、数日前、無事加賀くんが復活したことも知った。ひとりで、この大会に挑んで、最終決戦にまでこれる実力をもっているなんて、、、、、、実力と、強さと、やさしさを兼ね備えた、なんて素敵なひとなんだ。



ピン芸人といえば、私の中ではネタがだいすきな陣内智則さんや、お人柄も含めて素敵なもう中学生さんくらいしか浮かばないが、

ひとりって、すごい。

改めて考えたら、本当にメンタルが強靭でないと、なかなか仕事として続けられないことだ。




、、、、、、、、でも。



よく考えてみた。




私って、有名人では全くないけれど、

”ステージの上”には、結構あがってきた人生だぞ?



だって、

ピアノ習ってたし、吹奏楽部だったし、

”○○会館”的な場所には、結構縁のある人生だったはず(学生時代は)。


こんなに、あがり症なのに。




忘れもしない、私がひとりで挑んだ、吹奏楽のソロコンクール。


トランペットを担当していた私。

当日、本番前に音出しをしていたら、謎の、”唇が振動しない”現象が発動。

マウスピースを口につけても、安定しない。滑る。鳴らない。音が。


いや待ってくれ、でも、本番にはこんなことは、、、、、、


よくわからないまま、本番、ステージに立った。

ピアノ伴奏してくれる後輩はいたが、トランペットを吹くのは、審査されるのは、私だ。


最初。


”ぷっ、、、、、”


”ぷっ、、、、、、、、”



”すっ、、、、、、、、、、”




、、、、、、、、、、あ、終わった。



はじめの3小節くらい、音という音が鳴らない。


観客は、みんな、聴いている。



4小節目くらいから、ようやく、

“ラーソ♯ーラーーー”

という、音階のつけられる、音が鳴った。


音質は最低。


もう、鳴ればよい。


今は、とりあえず、完走しなくては。



ドから、ミの音にあがれない。


もういい。



なんでもいいから、音階の中にある音を鳴らさなくては。




聞き苦しいと思われても仕方ない。



音を出そう。




唇よ、言うことを聞いてくれ。

震えてくれ。

耐えてくれ。

頼む。





、、、、、、、、、、という、情けない、雨の日の、ソロコンクールの思い出。

苦い。すっごく苦い。


伴奏してくれた後輩に「謝らないでください!」と言わせた、情けない先輩。





そして、その屈辱を胸に、高2の冬、ソロコンクールに絶対にエントリーしようと思っていた。


それが、叶わなかった。



ちょうど、高2のシーズンオフに入るタイミングで、


いつもの、部活の時間、音出しをしようとしたら、






、、、、、、、出ない。



うんとも、すんとも言わない。



ただ、マウスピースから、息の音が、

”すーーーーー”

って。



中学時代、特に3年の頃、唇に負荷をかけすぎて、その極度の疲れが一気に、これからがんばろうとしている高2のシーズンオフの、私を襲った。

無理にでも、高音を出そうとしないといけない状況にあったのだ。

苦手だったんだ。ハイトーンが。

それなのに、顧問の指示とか、いろいろな関係で、ハイトーンを担当するポジションにいざるを得ず、変なアンブシュア(マウスピースにあてる唇の形)で吹き続けていたので、限界がきた。


高校から始めた初心者の後輩と一緒に、基礎練習に明け暮れる日々。


知識はいちばんある。

技術が、初心者コースになった。

5年やってきて。


ソロコンクールはもちろん、当時仲間で出ようとしていた、金管楽器(トランペット、トロンボーン、チューバ)のメンバーでのアンサンブルコンクールも、自分は出られず。

私の代わりに、経験者の後輩がそこに入ってくれた。


曲を吹ける状態じゃないんだから、仕方がなかった。



悔しかった。

、、、、、し、その後輩は、どんな思いだったろう。



当日、「見に来てねー!」と、その仲間に言われていて、


ちゃんと、行ったよ。

客席で、見届けたよ。



ただ、

あそこにいられなかった、

一緒に、ステージに上がれなかった、自分が悲しすぎて、悔しすぎて、

誰にも会わずに帰ったよ。




、、、、、、この話、そういえば、誰にもしてないな。



「悔しかった」

「見になんて行きたくない」


なんて、言える立場の相手がいなかったよ。



私の立場のしんどさは、周りがわかってくれていたはずだった。

本当に、負のオーラ、必死で近づけないオーラを放っていたと思う。


金管のグループで出た後輩に、傷つけるようなこと、言わなかったかな。


前に、昔の手紙が出てきて、

部活の友人に、

「○○ちゃん(後輩)にそんなこと言っちゃだめだよ」

って、書かれてた。


なんか、言ったんだな、自分、、、、、、




最低、、、、、、、、



誰も得してない。






高3、最後の、吹奏楽コンクールのステージで、演奏したときに、

実は、また、唇がすべって、音がほとんど、鳴らなかったんだ。



どんな6年間だったんだよ、私の吹奏楽。



当時の部員には、誰にも言えないこと、書いてみた。

ステージ、というお題で思いだしたのは、こういうことだった。


いい思い出ないなぁ、ステージ。



今でも、ときどき、TVで吹奏楽が話題になったりすると、


”うっっ、、、、、、、、、”


と、申し訳ない、情けない、なんともいえない苦しさが湧いてきて、避けてしまう。



”努力は裏切らない”

というけれど、私は、この言葉が100%正しくはないと思う。


それでもなぜか、私は、いつもがんばっちゃう。

そして、がんばりすぎちゃう。


そんで、倒れる。


だめじゃん。




34年も生きてきて、まだ、「努力の方向が違う」と言われる。


いったい、私の努力の方向は、どこがただしいのか、わかるひとがいたら、教えてほしい。



正しい努力をしているひとは、芸人さんでも、アーティストさんでも、堂々とステージに立つ。いや、立とうとする。

ときに美しく、圧巻のパフォーマンスで観客を魅了し、

ときに泥臭く挑み、人間としてのたくましさを魅せる。



すごいなぁ。


ステージに立つ。

そこで、ひとの心を動かすことのできるひとを、心から尊敬します。



私はきっと、自分の心をズタボロにしていただけだ、、、、、、




蓋をしていたことを、初めて自分の心から出したなぁ。

恥ずかしいなぁ。




いつか、誰かを笑顔にする、たのしい種が、私の心から出てきますように。


※SHIMASAのアナザーストーリーをニューヨークチャンネルが作っていたので、おいておきます。(注:脚色たっぷりです)


未熟ですががんばっております。治療費にあてさせていただきたいです。よろしくお願いします。