![見出し画像](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/47286074/rectangle_large_type_2_132a623135634d0ca8e15761b8883e5a.jpg?width=800)
自分がステージに立ったときの記憶をR-1グランプリ観て思いだしてみた
昨日、初めてR-1グランプリという、ピン芸人さんの大会を観た。
M-1グランプリは結構TVで観てきたが、それ以外のお笑い賞レースはなかなか、我が家のTVで流れることはなかった。
今回、今注目しているニューヨークの嶋佐さんが、”SHIMASA”という名前でエントリーし、準々決勝まで進んで敗退した。
NSC在学中以来、ひとりで挑む賞レースに参加することがなかった嶋佐さんは、ニューヨークチャンネルの動画内で、
「芸人最も緊張した瞬間」
に、今回のR-1グランプリ一回戦を挙げた。
ニューヨークは、コンビとして、M-1グランプリで2年連続決勝進出、キングオブコントで準優勝している。
芸歴も10年、数々の仕事も経験しているが、
今回のR-1グランプリを経験して、嶋佐さんは、とにかく ”ひとりで” ステージに向かっていく緊張感がものすごかったと話していた。
その話を聞いていたので、そういう心構えを持ってR-1グランプリを観てみた。
考えてみたら、ひとりって、すごいなぁ、、、、、、
全部、自分で作る時間、空間。
全ては、自分次第。
自分でイチから考え、準備し、自らがプレイヤーとなる。
すごいなぁ。
優勝したゆりやんレトリィバァさんは、知名度(もちろん実力も)がある中でのプレッシャーに打ち勝ったんだなぁ。優勝決定の瞬間、いつもの嘘泣きギャグじゃなく、本当に泣いていた。そのときに、彼女の背負うものを思った。ただ、ステージでのパフォーマンスは、彼女自体がたのしそうに、思うままに演じているように見えた。何より、”たのしい”が伝わってきたなぁ。
ZAZYさん。私は何も考えずに笑えて最高だ!と思ったら、決勝、まさかのフリップに、、、、、、悔しそうだった。でも、先ほどTwitterを見たら、それを逆手にとって、クリップのデザインされたTシャツを作っていて、このひとはすごい、と思った。来年、また観たい!
かが屋の賀屋くん。有吉の壁にも出ている方で、相方の加賀くんが体調不良の間、ひとりでがんばってきたのを知っているし、数日前、無事加賀くんが復活したことも知った。ひとりで、この大会に挑んで、最終決戦にまでこれる実力をもっているなんて、、、、、、実力と、強さと、やさしさを兼ね備えた、なんて素敵なひとなんだ。
ピン芸人といえば、私の中ではネタがだいすきな陣内智則さんや、お人柄も含めて素敵なもう中学生さんくらいしか浮かばないが、
ひとりって、すごい。
改めて考えたら、本当にメンタルが強靭でないと、なかなか仕事として続けられないことだ。
、、、、、、、、でも。
よく考えてみた。
私って、有名人では全くないけれど、
”ステージの上”には、結構あがってきた人生だぞ?
だって、
ピアノ習ってたし、吹奏楽部だったし、
”○○会館”的な場所には、結構縁のある人生だったはず(学生時代は)。
こんなに、あがり症なのに。
忘れもしない、私がひとりで挑んだ、吹奏楽のソロコンクール。
トランペットを担当していた私。
当日、本番前に音出しをしていたら、謎の、”唇が振動しない”現象が発動。
マウスピースを口につけても、安定しない。滑る。鳴らない。音が。
いや待ってくれ、でも、本番にはこんなことは、、、、、、
よくわからないまま、本番、ステージに立った。
ピアノ伴奏してくれる後輩はいたが、トランペットを吹くのは、審査されるのは、私だ。
最初。
”ぷっ、、、、、”
”ぷっ、、、、、、、、”
”すっ、、、、、、、、、、”
、、、、、、、、、、あ、終わった。
はじめの3小節くらい、音という音が鳴らない。
観客は、みんな、聴いている。
4小節目くらいから、ようやく、
“ラーソ♯ーラーーー”
という、音階のつけられる、音が鳴った。
音質は最低。
もう、鳴ればよい。
今は、とりあえず、完走しなくては。
ドから、ミの音にあがれない。
もういい。
なんでもいいから、音階の中にある音を鳴らさなくては。
聞き苦しいと思われても仕方ない。
音を出そう。
唇よ、言うことを聞いてくれ。
震えてくれ。
耐えてくれ。
頼む。
、、、、、、、、、、という、情けない、雨の日の、ソロコンクールの思い出。
苦い。すっごく苦い。
伴奏してくれた後輩に「謝らないでください!」と言わせた、情けない先輩。
そして、その屈辱を胸に、高2の冬、ソロコンクールに絶対にエントリーしようと思っていた。
それが、叶わなかった。
ちょうど、高2のシーズンオフに入るタイミングで、
いつもの、部活の時間、音出しをしようとしたら、
、、、、、、、出ない。
うんとも、すんとも言わない。
ただ、マウスピースから、息の音が、
”すーーーーー”
って。
中学時代、特に3年の頃、唇に負荷をかけすぎて、その極度の疲れが一気に、これからがんばろうとしている高2のシーズンオフの、私を襲った。
無理にでも、高音を出そうとしないといけない状況にあったのだ。
苦手だったんだ。ハイトーンが。
それなのに、顧問の指示とか、いろいろな関係で、ハイトーンを担当するポジションにいざるを得ず、変なアンブシュア(マウスピースにあてる唇の形)で吹き続けていたので、限界がきた。
高校から始めた初心者の後輩と一緒に、基礎練習に明け暮れる日々。
知識はいちばんある。
技術が、初心者コースになった。
5年やってきて。
ソロコンクールはもちろん、当時仲間で出ようとしていた、金管楽器(トランペット、トロンボーン、チューバ)のメンバーでのアンサンブルコンクールも、自分は出られず。
私の代わりに、経験者の後輩がそこに入ってくれた。
曲を吹ける状態じゃないんだから、仕方がなかった。
悔しかった。
、、、、、し、その後輩は、どんな思いだったろう。
当日、「見に来てねー!」と、その仲間に言われていて、
ちゃんと、行ったよ。
客席で、見届けたよ。
ただ、
あそこにいられなかった、
一緒に、ステージに上がれなかった、自分が悲しすぎて、悔しすぎて、
誰にも会わずに帰ったよ。
、、、、、、この話、そういえば、誰にもしてないな。
「悔しかった」
「見になんて行きたくない」
なんて、言える立場の相手がいなかったよ。
私の立場のしんどさは、周りがわかってくれていたはずだった。
本当に、負のオーラ、必死で近づけないオーラを放っていたと思う。
金管のグループで出た後輩に、傷つけるようなこと、言わなかったかな。
前に、昔の手紙が出てきて、
部活の友人に、
「○○ちゃん(後輩)にそんなこと言っちゃだめだよ」
って、書かれてた。
なんか、言ったんだな、自分、、、、、、
最低、、、、、、、、
誰も得してない。
高3、最後の、吹奏楽コンクールのステージで、演奏したときに、
実は、また、唇がすべって、音がほとんど、鳴らなかったんだ。
どんな6年間だったんだよ、私の吹奏楽。
当時の部員には、誰にも言えないこと、書いてみた。
ステージ、というお題で思いだしたのは、こういうことだった。
いい思い出ないなぁ、ステージ。
今でも、ときどき、TVで吹奏楽が話題になったりすると、
”うっっ、、、、、、、、、”
と、申し訳ない、情けない、なんともいえない苦しさが湧いてきて、避けてしまう。
”努力は裏切らない”
というけれど、私は、この言葉が100%正しくはないと思う。
それでもなぜか、私は、いつもがんばっちゃう。
そして、がんばりすぎちゃう。
そんで、倒れる。
だめじゃん。
34年も生きてきて、まだ、「努力の方向が違う」と言われる。
いったい、私の努力の方向は、どこがただしいのか、わかるひとがいたら、教えてほしい。
正しい努力をしているひとは、芸人さんでも、アーティストさんでも、堂々とステージに立つ。いや、立とうとする。
ときに美しく、圧巻のパフォーマンスで観客を魅了し、
ときに泥臭く挑み、人間としてのたくましさを魅せる。
すごいなぁ。
ステージに立つ。
そこで、ひとの心を動かすことのできるひとを、心から尊敬します。
私はきっと、自分の心をズタボロにしていただけだ、、、、、、
蓋をしていたことを、初めて自分の心から出したなぁ。
恥ずかしいなぁ。
いつか、誰かを笑顔にする、たのしい種が、私の心から出てきますように。
※SHIMASAのアナザーストーリーをニューヨークチャンネルが作っていたので、おいておきます。(注:脚色たっぷりです)
未熟ですががんばっております。治療費にあてさせていただきたいです。よろしくお願いします。