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インクレディブルかポパイか

春に習い始めた着付け。ワンクール修了。
また来月末から次のクラスに進級可能だが、私はお断りした。

理由はとってもシンプル。

私の体は着物が驚くほどフィットしない。


競泳育ちの私はとにかく上半身がでかい。
この体格のせいで、人生何度イヤな思いをしただろう。人からいじられるし、季節を問わず服を買う時に諦めることなんぞ数知れず。

アフリカにいたときのVCさんとは、肩幅広いあるあるで盛り上がった。
その中で一番共感し合ったのが「席替えで後ろの席の人に喜ばれる」。
私たちの肩幅のおかげで死角ができるのだ。

肩幅、背中の広さは細身な男子になら絶対に勝てる。
そして横幅だけじゃない。胸板が分厚い。
今はすっかり落ちたが、腕と胸周りがムキムキしてた頃に男として生まれてたらモテていたかもしれない。

そして腕がやたら長い。多分、前世はテナガザル。
腕が長くてよかったことは、高いところに置いてあるものに手が届くことくらい。
冬服はコートだろうとセーターだろうと常に袖丈が足りなくて、つんつるてんで寒い。肩幅も手伝って腕時計は袖を捲らなくたって常に見えている。

さらに、最近スリーサイズを採寸する機会があって、新たな事実が判明した。
上半身に対して尻はスリム。

大体のサイズで言うなら胸元は3L、尻はMくらいとのこと。
(ウエストについてはその中間くらいというだけで伏せておく)

もうね、完全にこれ。

Mr.インクレディブル

悲しいほどに親 近 感 。

とはいえ骨からこの作りなので、今さらどう足掻いても変えられない。
コンプレックスとは一生のお付き合いだ。


さて、ここで着物が似合うという体型について触れてみる。

「撫で肩で寸胴」


真逆すぎて泣けてくる。

初回の授業、先生たちが2人がかりで手直しをしてくれた。次回から長身用の着物を着るように言われる。

2回目。長身用でも袖の長さが足りない。無双の肩幅と腕の長さである。

3回目。「ぴぴこさん!今日からこれね!」と、倉庫から特大サイズを出してきてくれた。なんと手厚いのでしょう(涙)

ところが特大サイズ。
袖問題は解決したものの、ウエストから下半身にかけてぶっかぶか。そっちの手直しが大変になった。
布が余りまくって、素人の私じゃ全然きれいに着られない。

それでも大は小を兼ねるということで、ぴぴこ専用着物(特大)が教室に用意されることになった。

同じく帯も先生を悩ませた。
普通サイズは足りない、長いサイズだと長すぎる。
こっちに関しては締め上げたらどうにかなる、家でも練習できるからという理由で普通を使い続けた。

手直しをしてくれる先生たちに「ぴぴこさん、体が大きいから」と言われるのは、毎回かなりのダメージだった。気にしてんねん。


着付けを辞める決定打になったのは、伯母からもらった着物が全部合わない、手直ししても合うサイズにはならないということが分かったからだ。

これは教室のイベントで、プロに採寸までして見てもらったので間違いない。
間違いはないが、ちょっとショックだった。

伯母とは身長差が10cm近くある。
曽祖母、祖母、祖母の親族から譲り受けたという着物も全部小さかった。
言われてみれば祖母の家系はみんな小柄なんだよなあ。

着物はたくさんあるのに着られるものがない。
着付けを続ける理由がまったく見出せなくなったので、このクールで終了することにした。

トップ画像にした着物、めちゃくちゃタイプだったんだけどなー。。


もちろん着物というのは素敵だ。

模様にも胸ときめくし、柄の意味を知るのも面白い。小物や帯もいちいち可愛いし、組み合わせるのもワクワクする。

とはいえ自分に合う着物をオーダーメイドで作ってまで楽しむほどではないし、何よりお財布に優しくない。
着物とは金のかかる趣味なのだ。

リユースも勧められて行ったけど結果は同じ。
Ms.インクレディブルが着られるサイズに出会うことはできなかった。

自分の上半身のデカさにちょっと泣けてきたよね。笑


あと何年かしたら、次は母方の伯母からも着物が譲られることが決定している。
こちらは長身なので希望はあるかもしれない。そうしたらまた習ってみようかな。

それまで次は何に手を出そう。何にワクワクするかな。

私の人生の探検はまだまだ続く。

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