「pip 何」 2話目。 

前回のあらすじ

taoは「ピプ」でpipは「ピプ」だった。「とびだせ!どうぶつの森(3DS)」のオンライン要素、南の島でランダムマッチングし、フレンド交換した。

こんな簡単に説明できることをtaoお前はなんて無駄なじかn

どうぶつの森

フレンド交換するとフレンドの町(森)にあそびにいけるようになる。

後々、分かることだけどpipさんは主婦だ。

私はエア就活系ニートだったのでほとんどの時間、森の中で過ごしていてpipさんも主婦らしい時間帯に顔を出したりした。

けど、知り合った時期は夏休み頃だったので、既にフレンドになっていた小中学生達、もしくは自称スーパーニート達と私はよく遊んでいました。

pipさんはゲームに慣れていないのでチャットも遅く、基本無言で私が頑張って教えたリアクションコマンドで彼らと交流してました。


子供はいいですよね。pip&taoの頃から聴いてくれてる方は、私たちの曲に子供がよく出てくるのに何となく気づいてると思います。


好奇心の塊で、無知で、輝いていて。つまり、皆さん大好きなイノセンスです。

同時に死にもっとも近く、弱い存在です。
食べてはいけないものをを食べて泡を吹いて死に、
車が来ることを考えずに猛スピードで曲がり角を曲がり轢死、
ベランダの柵に寄り掛かるように倒れた網戸を登ってそのまま落下死

私は何故かそういった現場に出会う人生でした。


けどゲームの中なら安全です。

私はよく溶け込めました。彼らとどうでもいい話をしたりするのが楽しかった。pipさんはちょっと浮いてました、やっぱり操作がおぼつかないし、そんなに長く居ることも無かったので。


3DSのイラスト交換日記

どうぶつの森と同じくらいにアップデートで追加されたデフォルト機能(だった気がする)

名前の通りの機能でフレンド登録した人とイラスト交換が出来る。
更に写真を送ったり、数秒の録音機能も備わっていた。

これはカオスの始まりでした!
ある子は家族写真をフレンド全員に送ったり、
自分の家の住所を描いて近くに住んでる奴集まれ!とか。
全員教育してやりました。

そのせいで保護者役みたいな立ち位置になって
お母さんが血吐いて、動かないけどどうしようとか相談されてメチャクチャ慌てて119に電話しろって伝えて、電話の人が住所を教えろって言うけど危ないんだよね?とか返信きてコントみたいな事もありました。
(よく分かんなかったけど無事だったらしいです)

すっごい話それた。

で基本的にフレンド日記はみんなで共有できたのでpipさんは傍観するだけで自分から発信することはありませんでした、多分。
ある日、誕生日だった子がいたのでジャズアレンジした「ハッピーバースデー」を録音して(ひどい音でした)送ってあげました。
録音はホントに短い時間しかできなかったので何度も録り直しました。
子供たちは大変喜んでくれました、素直で可愛い!

曲を送った数日後、pipさんが動きます。
「作曲できるの?」って綺麗な筆跡でした、難しんです3DSのペンで書くのって。
私はうわっ喋ったー!って思ったんですけど「音大で作曲ならってたー」と返しました。
でしばらくすると次はメールアドレスが書かれた日記が個人宛で送られてきました、pipさん怖いです。
3DSじゃなかったら即ブロック案件なんですけど、まあ半年くらい一緒に遊んでてゲームが下手なこと以外はみんなと仲良くやってたからあまり警戒しなかったです。

それにtaoはインドア派ですが好奇心の塊でもあるので、こういう面白いのには手を出さない筈がありません!
好奇心旺盛なので色んな宗教団体さんに連れ去られたものです。(私、無神論者なので)


舞台は森から電子メールへ

※終盤話しますがpipメールは全部消しました。なので内容はうる覚えです、話を進めるのに影響はないでしょう。


たしか、初めてのpipさんへのメールは「やっほー、ピプ2」って送った気がします。
pipさんからの返信はあっさりしていて「歌作れる? 作れるなら詩を送るから曲作ってよ」でした。
ここははっきり覚えてるんすけど「作ってよ」の「よ」に私は妙に引っ掛かりました。とび森で半月くらいは遊んだ仲とは言え、pipさんの存在感はあまりなかったので、突然距離詰めてきた感じに違和感がありました。(やっほー、って送った人間のいう事でもないか)


あと曲を作るっていうのは当時の私には中々、無理な注文でした。
音大卒業しましたが、私は音としての作曲は出来るけど、音楽としての作曲は出来なかったのです。


私って人間は中身が空っぽなのです、今でもそうです。俳優、役者さんとかに結構そういう人多いそうなんですか。
自分って物を持ってなくて意見もなく、伝えたいことも特にないタイプの人です。
自身の感情の起伏とかは確かにあるんです、痛かったり辛かったりすると涙も出るし、嬉しければ耳が赤くなったりします。けど世界を俯瞰して見ているから、常に冷静に自分を他人として見ている自分がいてそれが本体といった感じです。

だから私は大抵、自分にキャラクターを持たせて生きています。幸い多感な中高生の頃、本の虫で素晴らしい作品にたくさん出会えたので私の中にたくさんのキャラクターがいます。
性格が継ぎ接ぎがちですが、あまり人に接したりはしないのでミステリアスな人ですまされる生き方を続けてきました。

そんな事なので曲のテーマが安定しないというか、とりあえず詩が書けなかった。テーマ、テーマ、テーマ。
曲を作るほどの何かがどうしても見つからない、というか作っても他人が作ったみたいで説得力が無くて納得がいかなかった、自信(自身)が無かったんです、アハハ。

それと二人で曲を作るって、ちょっとトラウマになってました。音大いってたんで、そういう機会がいくらかあったんですけど、意外と難しいんですよ。お互いのイメージとかがホントに相性良くないと剥離して完成まで漕ぎ付けなかったり、完成してもお互い「?」になったり、片方だけが満足して二人でやった意味がなかったり。

話逸れまくりだけど、つまり私は乗り気でなかった。

だから、やってもいいけど経験上あまり上手くいかないと思うし、時間もどれ位かかるか分からないし、完成できるかも分かんないみたいな後ろ向きな返信をしました。

pipからの返信は「何でもいいよ。君の思い出とかトラウマ教えてよ、日記でもいいし。それを詩にするから。仕事じゃないんだし、難しいこと考えないで」みたいな感じでした、というか多分これほとんど、そのままの内容です。

結構失礼な感じじゃないですか?「君」とかなんか自分に酔ってるような奴しか使わなそうな呼び方だし、ていうかすごい自然に上から目線なんですよね。なんで曲にしたいかも謎だし。

ま、けど私はそういうの好きです。メチャクチャ面白そうじゃないですか、ネットやる人ってこういう人間に出会いたいって思ってSNSするんでしょ?
私はちょっとやる気でてきました。


今日はこれで終わり!!また、私の話ばっかだったね。
こんな大変だと思わなかったわ、書いてると色々思い出しちゃうから、これでも削ってる方なんだけどさ。

ここまで読んでる奴いるの?キヅミタっちくらいじゃない?


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