【MyWay】ガクチカ信仰への疑問
人事担当として面接をすることが多々あるが、ガクチカなる言葉があることを知らなかった。
「学生のときに力を入れたことは何ですか?」
という面接官からの質問が多いことは知ってたが、これを「ガクチカ」、
そして最近はコロナ禍でこのガクチカ活動ができなくて困ってる学生さんのことを「ガクチカ難民」、
と呼ぶらしい。
たしかに最近の学生さんは面接ウケしそうなことをたくさんやってるなぁと感じてた。
率先して何かの役員やったり、イベント主催したり、ボランティア活動、資格試験、留学などなど。
典型的なのは企業主催のインターンとかアルバイトとか。
学生時代って、勉強や研究だけでなく、バイトしてお金も必要だろうし、仲間との遊びもあるだろうし、
最近の学生さんは時間的に忙しくて大変だなぁとは感じてた。
またそれと共に、人事担当として求めてるモノとは「なんか違う」感も感じていたので、
ガクチカ記事を読んだついでに少しその違和感を自分の中で探ってみた。
「難民」というネーミングがつくということは、ガクチカできなくて困ってる、という意味が含まれており、それが出来ないから就職できない、と思ってるのかなぁ、とも読み取れる。
しかし、上記のようなガクチカ活動が、就職してからの経験としてとても大事なのか?または成長する要素たるか?
というと非常に疑問なのだ。
経験が多いことはとても良いことだし、決して無駄にはならないのだが、それって「経験すれば済むこと」とも言える。
自分の好きでやってきたこと、としてアピールするならまだしも、面接や就職のために無理やり活動してきた感がある学生さんも多くて、やるせなくなる。
特に多い気がするのが、
「○○の活動を通じて、人に喜んでもらう楽しみに知りました。だから御社の。。。」みたいなアピール。
うーーーーん、それってその活動でなくても知れるし、どの会社でも人に喜んでもらうためにサービス提供してるんだけどなぁ。。(という返事はしないが)
うまくは言えないが、なんだかアピールの言葉がカルい。
もっと詳しく聞こうとしてもさほど話も出てこない。
むしろ聞きたいのは、その経験から「自分のこれまでの価値観に影響与えるような気持ちが芽生えたか?モチベーションの土台たる何かができたか?」
というあたりではないだろうか。
さらに突っ込んでいくと、
結局人事が知りたいのは、その人がどういった特質をもってる人なのか?であるので、一般的な人とは少し違うその人の特徴を知りたいのである。
(話題は違うが、適材適所ができたときの企業は強くなるので、人事担当はそれを目指している。少なくとも弊社は。)
ガクチカによって、こういった自分の特徴をアピールすることができるものなんだろうか?
活動してたとしても、何も得られないこともあるだろうし、まぁ普通な気持ちを得られた程度のことも多いだろうし、単に好きでやってるだけであって上記の特徴アピールとは関係ないことも多いと思う。
そういう意味では、企業の面接官側も、ガクチカを聞くべきなのか??
聞きたいことがズレてる気もする。
面接で聞かれるからガクチカをする、という悪循環になってしまうと本末転倒な気もする。
(ただし、それをきっかけで経験して、良き土台を得られることもあるから一概に悪とは言えない)
もっとも、自己分析がちゃんとできてる学生さんの方が少ない現実もある。
できてない人に「自分の特徴は何か?」と聞いても求めてる答えは返ってこない。
それを掘り下げるきっかけの意図でガクチカを聞いているだけなのだ。
ということを学生さんには理解しておいてもらいたいし、面接官側ももう一度振り返るべきだとも思う。
一番言いたいことを最後に書くと、、、
学生時代はガクチカに追われるくらいなら、もっと楽しいと思えること、時間がたくさんないとできないこと、無駄とも思えるいろいろな経験、
を思う存分しておきましょう!