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スーパーより安く魚介類を買える! 札幌市民にもファンが多い石狩湾新港の朝市

 4月中旬となり、いしかり湾漁協「朝市」(北海道石狩市新港)が多くの買い物客でにぎわうシーズンを迎えました。目の前の石狩湾で捕れたカレイやホヤ、サクラマスなどがスーパーより安い価格で販売されており、人気なものはすぐに売り切れてしまいます。小規模ながらも人気のある石狩湾新港の朝市の魅力に迫りました。


店頭に並ぶカレイ

今はカレイがメイン さまざまな種類が店頭に並ぶ

 取材した4月中旬、朝市でメインで売られていたのがカレイです。ソウハチガレイ、マガレイ、スナガレイ…。売られているカレイの種類はさまざまです。鮮魚や干物といった、その種類に合った形で販売されています。


ニシンとカレイの干物

 「うちでは今朝取れたカレイを売っている」と鮮魚直売店「龍宝丸」の河合さんは話します。実際に同店の裏に行ってみると、今朝、石狩湾で捕れたばかりの生きのいい魚を選別していました。

 一方、別の直売所の中には鮮魚以外にも力を入れてる店舗も――。「大きなホッケの干物は北海道羅臼(らうす)産、すごく立派でしょ。この大きなサバの干物は千葉県勝浦産」(ヤマワ商店 荒関 甚さん)。石狩湾産のカレイに加え、全国の産地から取り寄せた鮮魚や加工品が店頭に並びます。「鮮魚以外にも力を入れることで、他店と差別化を図っている」と荒関さんは言います。

 
 朝市の店舗には、朝早くから多くの買い物客が集まっていました。

 熱心に魚を吟味していたのは、札幌市内から来た母と息子。「いつも来ている。先週も来た」という常連です。朝市の魅力について「カレイが目当て。干物は内臓が取り除いてあるので調理が楽だ」と主婦目線の意見を語ります。


サクラマス

 石狩湾漁業協同組合の吉村貴文さんによると、朝市に買い物客が多く訪れるのはゴールデンウィークと7月末です。買い物客には道外から来た人もいますが、メインは札幌市民。「札幌市内から離れている厚田港や浜益漁港で開かれている朝市に比べて、ここの朝市はアクセスが良い。朝に気軽に魚を買って帰る札幌市民が多い」と吉村さんは言います。

最近の石狩湾の漁事情は? ニシンが戻ってきてうれしいが…イワシの大群が押し寄せ混乱

 林水産直売所の楠聡昭さんは、最近の石狩湾のニシン漁について「1月半ばから3月終わりごろまで漁は行われる。毎日、漁に出ると6~8トンも捕れる」と笑います。以前まで不漁が続いていた石狩湾のニシンでしたが、資源量はだいぶ増えてきたようです。

 しかし、うれしい事ばかりでは無いと言います。「(4月10日に)石狩湾新港に大量のイワシが押し寄せた。そのため、本来捕る予定でないイワシが刺し網に多くかかってしまい、漁師は困惑していた」。イワシが押し寄せた理由として、近年の海水温の上昇が影響かもしれないと楠さんは指摘します。




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