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明け方の若者たち カツセマサヒコ


今回は小説「明け方の若者たち/カツセマサヒコ」を読みました

なんの前情報のないまま小説を読みました

各章の始まりは僕が過去を振り返るシーンからはじまります

第一章の最初に『もう五年も前のことになる。それでも高い解像度を保ったまま、当時のことを思い出させてしまう。あの日から始まった彼女との時間は、そこの見えない沼であり、僕の人生の全盛期だった』

この回想シーンから分かるように、この恋愛物語は、僕と彼女との「失恋」で終わるのだろうと想像できます

読んだ感想はとても切なく、そして、悪い意味ではなく、もやついた気持ちになりました

主人公が物語の進行で隠していたこと、包み隠さず伝えていた彼女、二人の相容れない物語が交差し、離れていく展開に胸を締め付けられました

■小説のあらすじ


内定が決まったメンツが集まる“勝ち組飲み”に参加した大学四年の主人公「僕」と、飲み会で出会った大学院生の「彼女」との物語

勝ち組飲み会で、一人きりで飲んでいた僕に、先に帰ったはずのその日初めて会った彼女からメッセージが入る

『私と飲んだ方が、楽しいかもよ笑?』

僕は勝ち組飲み会を抜け出して、彼女と近くの公園で待ち合わせをし、一緒にお酒を飲みながら楽しい時間を過ごし、終電間際にLINEを交換して、その日は分かれる

彼女との初デートは下北沢で観劇をし、夕方からサイゼリヤでワインを飲む

僕がその後のことを迷っていると、しびれを切らしたのか彼女から『あのね、もうちょっと押してくれたら、いいかも?』の一言から、二人は一線を越える

時間は過ぎ、とんとん拍子に二人は幸せな時間を過ごしていたはずが、回想シーンで二人が疎遠になり始めている

『彼女とすっかり音信不通になっていたあの夏は、湯に潜ったように全てがぼんやりとしていた』

半同棲のような生活をしていた僕と彼女、あれだけ幸せだったはずの二人がなぜ音信不通になっていったのか?

ここから物語は大きく展開していく

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