世界のマーケターは、いま何を考えているのか? 廣田周作
今回の著書はビジネス書「世界のマーケターは、いま何を考えているのか? 廣田周作さん」です
この著書の視点は『もうそういう考え方をしていると消費者はそっぽ向いてしまいますよ』ということを事例を交えながらわかりやすく伝えています
そして企業にとって大切なのが「消費者に未来への約束をすること」だそうです
ただ安いだげではモノが溢れる現代では消費者の支持をえることは難しい
安さに対して約束をする
安さの裏には人を傷つけないことを約束した企業努力があり、それを将来に渡って継続するというパーパスを持つことです
Z世代が注目されていますが、Z世代が持つ価値観は『これ』 という統一されたモノがなく、価値観が多様化しています
多様化する価値観を持つ人たちをどのように巻き込むかがマーケティング戦略であり、面白いところだと思いました
本気で未来への約束ができるか?
「Fenty」と言うブランドはアーティストのリアーナ・フェンティが立ち上げたブランドです
なぜ支持されているのかと言えば、リアーナが黒人の女性として『なぜ自分の肌の色の人たちに合うファンデーションが売られていないのか?』とい視点を持って、さまざまな肌の色の人たちに合う化粧品を開発しようとしたところに理由がある
Fentyが謳っているのは『Beauty for All』
つまり『すべての人たちにビューティーを』ということ
ブランドとして重要なのは、リアーナのように「本気で未来への約束ができるか」ということ
つまり、現代のブランドは、技術力や商品ラインナップだけでなく、お客さんと向き合う姿勢や、振る舞い、『世の中を本気で変えていこう』とする勇気が問われている
考え方、行動、プロダクト、これらすべてに一貫性があることが、ブランドにとって非常に重要なのです
👉いその訳
政治家がなぜ人気がないのかを考えたら、リアーナとは正反対のことをしているからです
『そうだ!そうだ!』と人を集めたら、その軸をぶらさないように進めなければならない
企業が消費者に求められていること
ニーズを満たすこと以上に重要になってきているのが「企業が消費者に、どこまで未来の安心を約束できるか」ということ
ブランドのストーリーや思想はもちろん、それをどのようなプロセスでかたちにしてるのか、どのように売ろうとしているのか、具体的な行動も問われている
👉いその訳
約束を果たすことは大切ですが、消費者にとって大切なのは、その過程も共有することです
いつの間にか終わっていたでは、蚊帳の外にされた気になってしまい、離れていく
いつでも自分の価値観に合う未来に向かって進んでいるプロセスを共有しなければならない
消費者に推されるまともな企業を目指す
かつては「みんなが知っている状態」を目指すことが、ブランドにとっての最重要課題でした。なぜなら「有名な会社ならきっと安心だ」と考えられていたから
しかし、価値観やライフスタイルが多様化したいま、問われているのは認知度ではなく,社会や環境に対してどのような取り組みを行なっているのかという「ファクト」と、それに基づいた「ブランド・プロミス」です
要するに会社の規模よりも「まともなブランド」なのかどうかが、よりシリアスに問われるようになった
「知っている」と「推したい」は全く違う
👉いその訳
偽装問題や形だけの謝罪など、消費者はその姿勢を目を光らせてみています
同様に約束したことをきちんと守っているか、まっすぐら進んでいるのか、を見ています
消費者の目を欺むくことは悪なのです
耳障りのいい言葉より、行動で見せる
日本企業は、ブランドストーリーの「過去」と「未来」を語るのは上手ですが、「未来」を約束するのが苦手な傾向にあると思います
また日本の大企業の理念は、どこも「人々の幸せな未来を実現する」とか、「活力のある明日を」など、誰でも言えるやうな当たり障りのないものが少なくない
未来をどのように変えていきたいのか、その具体的な道筋、つまりパーパスやビジョンが曖昧な会社が多いように思います
👉いその訳
本社の玄関前に飾られた立派な理念より、社員の態度を見れば、どのような企業なのかは見えてきます
理念やビジョン、パーパスを主軸に行動する姿を見せなければなりません
販売戦略に安さが出たら止めるのがマーケター
今後『便利で安い』という言葉が出たらマーケターは『ちょっと待って!』と注意する必要があります
安価なモノが溢れている現代に『さらに便利で安い』をブランドの戦略にするのは危険です
そこで『便利とは何か?何を目的に置き、何を消費者に約束するのか?』というストーリーを語り直す視点が必要になってくる
👉いその訳
安ければ売れるというのは馬鹿でも考えられる最低ランクの販売戦略です
馬鹿でも考えられるわけですから、誰もが簡単に真似できでしまう
本来は安さの前に必要なこと
生活において何が変わるのか?何が良くなるのか?を考えた商品やサービスが求められるということです
企業としての独自性を前に出す
ブランドとしてユーザーにアピールしたいのであれば、個性を出した方がいい
魅力的なストーリーテリングには、社員の個別的、リアルな実体験や、その会社だからこそ思いつける視点が必要です
ストーリーへの共感のポイントは、その単独性(オリジナリティ)にしかありません
企業と消費者をつなぐカルチャーを持つ
今後の企業のブランド活動を考える上で、カルチャーはとても大事な戦略になる
プラットフォームが文化をつくっているのではなく、文化がプラットフォーム(というビジネス)に乗ったといつことが大きい
マルタイラーメンのカルチャー戦略
私(著者)はマルタイラーメンが結構好きだが、イチ消費者として、マルタイラーメンのコミュニティとかに入りたいとは全く思わない
マルタイラーメンは、調理が簡単と言うことで、登山をしている人たちにすこぶる評判がいい。確かに山の中で食べたら美味しそう
であれば、マルタイラーメンは、登山をする人たちのコミュニティやメディアに投資してみたりする「カルチャー戦略」を考えればいい
マルタイラーメンとお客さんが2者で向き合うのではなく、そこに「登山」というカルチャーやアクティビディがあって、初めて「売り込まれても嫌じゃない』となるわけです
企業もカルチャーを媒介にすることで、初めて共感されるわけです。
✖️企業→顧客
◯ 企業→カルチャー←顧客(ファン)
自分たちが好きなカルチャー活動を企業がサポートしてくれるのであれば、ユーザーも嬉しいと思うのです
エフェラル・マーケティングとは?
NTWRKは、限定された時間に、限定された「間違いない」コラボグッズを発売することにより『ネットでここさえ押さえておけば間違いない』と注目をつくることに成功した
マーケティングの世界では、この手法をエフェラル・マーケティング(儚く消えていく)とか、ドロップカルチャーと呼びます
『いまここでしか買えない』という限定感を出すことによって、ユーザーを惹きつける手法のこと
👉いその訳
限定詐欺みたいになってしまわないように常に正直に伝えながら、限定的に行わなければなりません
「限定100個」あとに追加販売なんてしたら、それはもう販売詐欺です
違う視点を持つ人とアイデアを考える
『障害を持っている人の視点は、クリエイティブなアイデアを生み出すヒントになる可能性がある』
目の見えない水泳選手はクロール100メートルのターンのタイミングを把握するために、手を動かす回数や、音、皮膚感覚をうまく使っている
その視点は自分には到底思いつけないものだったので、自分が持っていた常識が壊れるというか、既存の水泳の捉え方や競技を観戦するポイントが変わることにワクワクした
クリエイティブは、違う視点を混ぜることにヒントがある
👉いその訳
違う視点をのなかで障害者は生活スタイルがまるで違うので、その人たちに合わせれば誰もが使いやすい、と安易に考えたら失敗します
障害者はあくまでも少数です
ただし障害者でも使いやすい、利用しやすいというユニバーサルデザインのようにすることで誰もが安心して暮らせる世界は必要です
ここで理解しなければならないのは、オールOKを目指すことが企業理念なのか?限定したペルソナなのか?を改めて考えて上で、違う視点からの意見を取り入れた新しいアイデアを求めるということです
評価されている企業に共通していること
改めて、評価されている企業やブランドを調べると、共通しているのはいずれも信念と勇気と優しさを持って、ダイバーシティや、ウェルネス、サスティナビリティに取り組み、ブランドのストーリーを語っている
デジタルスキルは必要最低限のスキルでしかない
今、マーケターはとにかく「生き残りたければ、デジタルマーケティングのスキルをつけろ』と言われるが、それではまだ半分である
パーパスを持たないマーケターがデジタルのスキルだけを身につけたとしても、そこにやりがいは感じられないと思うのです
データの分析や解析を通して悟ったのは「このデータも結局は、誰かが心を動かした結果、行動した結果の痕跡なのだ」ということ
すなわち、良きデータアナリストは、統計の知識と共に、データを動かしている「人の心の動き」にも敏感にならなくてはならない
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