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パソコン作業の未来


■小学生のパソコン教育

最近では、小学生から1人1台のパソコンで勉強しています。
ジャカルタ日本人学校でも、ChromeBook(クロームブック)というノートパソコンを使っています。

ChromeBookとは、Googleが開発したChromeOS(クローム・オーエス)というOSで稼働するノートパソコンです。
一般企業では、WindowsのOSが主流ですが、教育現場ではChromeOSが主流となっています。
その理由は、パソコン管理の容易さ、セキュリティの強さ、安さなどが挙げられます。

また、最近では企業でもChromeOSを活用する動きが出てきました。

結論から申しますと、ChromeOSでも十分に業務に耐えうる機能を持っていますし、使いこなせばWindowsよりも生産性が高くなります。

■ChromeOSとは

前途のとおり、ChromeOSとはGoogleが開発したパソコン用OSのことです。
同じくGoogleが開発しているスマホやタブレットOSのAndroidと親和性があり、Androidアプリの多くをChromeOSでも利用できます。

その為、使い方も簡単であり、小学生でも利用できるパソコンとなっております。

■Windows vs ChromeOS

Windowsと比較するとChromeOSは以下の強みがあります。

【1.価格の安さ】

初期費用では、Windowsパソコンが15JTルピア程度であるのに対し、ChromeBookは5JTルピア程度で購入できます。

安い理由は以下のとおり

  • ChromeOSは、スペックの低いPCでも快適に利用できる為、パソコン部品の費用を抑えられる

  • OSの価格がWindowsでは200ドル程度であるのに対し、ChromeOSは無料である

  • ChromeOSでは、表計算などのオフィスソフトが無料で標準装備。

  • それに対し、Windowsのオフィスソフトは、4~9JTルピア。

  • アンチウィルスソフトもChromeOSでは追加購入が不要。

【2.管理の容易さ】

会社のパソコン数十台、数百台を管理するのは大変です。

Windowsでは、Active Directoryというサーバーから社内の全パソコンを管理する仕組みがあります。
しかし、サーバー代だけでも高価(100JTルピアまたは100万円前後)である為、パソコン台数がある程度の規模(100台以上など)でなければ、Active Directoryを利用することはありません。

その為、多くの企業でパソコンが適切に管理されず、パソコン紛失に気付かなかったり、簡単にウィルス感染したりなどのリスクが常に伴います。

一方、ChromeOSは、1ユーザー当たり年間50ドル程度で、全パソコンを一元管理出来る仕組みがあります。
この管理の容易さは、学校などの教育機関で利用される大きな理由の一つです。

【3.セキュリティの高さ】

ChromeOSは多層防御の原則に基づいて、複数の層で情報を保護しています。
その為、万が一ウィルス攻撃されても被害が広がらない仕組みになっています。
また、OSアップデートは自動更新される為、アップデート不足でパソコンが脆弱になることはありません。

Windowsでは、アンチウィルスソフトをインストールし、パソコン利用者にセキュリティ教育を施してセキュリティ向上します。
一方、ChromeOSでは、はじめから構造的にセキュリティリスクが低くなっています。

■ChromeOSのデメリット

ChromeOSは、一般的な事務作業には問題ありませんが、以下の特徴が御座います。

ウェブアプリなどのクラウドサービス利用が増えるため、安定的なインターネット環境が必要。
⇒契約インターネットのスピード増や、複数インターネット回線契約などで対応できます。
Windows専用のソフトは利用できない。
 よって、エクセルのVBAマクロ等は使えません。(GASというプログラミング言語で開発可能)
プリンターやスキャナー等がChromeOS対応していない場合がある。
対応しているプリンターもありますので、購入前に確認が必要です。

■使用感は?

一般的な作業は、ChromeOSで十分です。

例えば、メールする、チャットする、カレンダーで予定を管理する、表計算で集計する、プレゼン用スライドを作るなど。
また、ウェブブラウザ上で利用できる業務システムならば、ChromeOSで利用できます。

また、Googleの以下の無料サービスを使いこなすことで、Windowsよりも生産性高く作業を行うことができます。

  • Google AppSheet:簡単にアプリを作れるサービス

  • Google Looker Studio:データを自動で可視化するサービス

  • Google Form:フォーム作成サービス(報告書、チェックリストなどで利用)

  • Google Sites:ポータルサイト作成サービス(リンク集やマニュアル集として利用)

古くなったWindowsPCをChromeOSに変えることでPCを再利用できます。
前途のようにChromeOSは低スペックPCでも利用でき、動作も軽い為、古いPCでも十分に作動します。

因みに、ChromeOSは無料でダウンロードできます。
https://chromeenterprise.google/intl/ja_jp/os/chromeosflex/
まずは、古くなったPCなどで、ChromeOSを試してみてください。

■導入手順

まずは、ChromeOSでどこまで出来るかを知る為に、古いパソコンをChromeOSに変更し利用方法を調査・分析されることをお勧めします。
その後、ChromeOS利用の目途が立てば、一部業務をChromeOSのパソコンに置き換え、徐々に広げていきます。
実際に日本の企業でもWindowsからChromeOSに変更している企業が増えてきているようです。

ChromeOSの事例などの詳細は、こちらのオフィシャルサイトをご参照ください。
https://chromeenterprise.google/intl/ja_jp/os/

■最後に

最近では、インドネシアでも会計、人事、業務システム等のシステムがクラウドサービス化し、従来の10分の1以下で利用できるサービスも増えてきました。

その為、今まで人海戦術で行ってきた作業もクラウドサービスの方が安くなるという事象が起こっています。
よって、業務システムはクラウドサービスを利用することで、よりChromeOSのメリットを享受することができます。

個人的には、CADなど、Windows専用のソフトは一部WindowsのPCとして残し、その他の一般的な事務員はChromeOSにするという構成が今後主流になるのではと予想しています。

今の学生はChromeOSで勉強して社会に出ます。
彼らが社会のマジョリティになれば、WindowsよりもChromeOSが主流になるという未来が来るのも不思議ではありません。

また、前述のようにGoogleの無料サービスを使いこなすとWindowsよりも生産性高く作業もできます。
エクセルしか使えない生産性の低いWindowsオジサンになる前に、是非ChromeOSの可能性を見てみてください。

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