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不妊治療助成金の覚書

これから結婚するカップルたちよ、本籍は大都会に置くのだ。本籍は国内に実在する住所であれば、全国どこでも好きなところを選べる。一番のおすすめは、市外在住でもコンビニで書類が受け取れる自治体。縁もゆかりもない場所はちょっと……というならお近くの、夜間休日も行政サービスセンター等で住民票戸籍抄本その他諸々が受け取れる自治体を選ぶのだ。本籍の住所は人が住める場所でなくてもいいので、システムの整った市区町村のどこか好きな番地を選べば良い。具体的には東京都港区芝公園4丁目2−8とか大阪府大阪市此花区桜島2丁目1−33とかなんていいんじゃないだろうか。間違っても田舎の先祖代々の土地なんて選んじゃいけない。

なんでいきなり説教を始めたのか。助成金の申請で、つくづく思い知らされたのだ。

住民票も本籍も都会でよかった!!!

そんなわけで、今回は不妊治療助成金の申請についてまとめてみる。2021年7月時点での情報なので、申請の際はこの記事だけでなく必ずお住まいの都道府県や厚労省のサイトを確認していただきたい。

助成金の条件、期限を確認

2021年1月より助成金制度の拡充があり、助成金を受けられる条件が緩和された。年収制限がなくなったほか、法律婚のみならず事実婚のカップルも助成金の対象になった。金額も全体に引き上げられ、また回数制限が通算6回までから1子ごとに6回(妻が40-43歳の場合3回)までになり、出産または死産でリセットされることになった。わたしたち夫婦も、年収制限がなくなったおかげで助成金が受けられることになった。ちなみに自治体によってはさらに追加の助成があり、例えば秋田県は妻が40歳未満の場合1子ごとに9回まで申請可能、埼玉県は1回目の治療開始時に妻の年齢が35歳未満の場合最大で10万円の上乗せがある。

申請期限は自治体によってルールが違う。
わたしが住んでいる自治体(仮にA市とする)の場合

期限は治療の終了日から60日以内。原則として治療の終了日が属する年度を超えた場合は助成金を受けられない。ただし、2月1日~3月31日までに治療を終えた場合に限り、治療終了後60日以内であれば年度を超えて申請可能。また制度変更に伴う特例として、2021年1月1日から3月31日までに治療終了した場合は、2021年度(令和3年度)いっぱいは申請可。

東京都の場合

1回の治療が終了した日の属する年度末(3月31日消印有効)、ただし1月から3月までに特定不妊治療が終了したもので、3月31日までに申請書等が提出できない場合は、6月30日(消印有効)までの期間に限って申請

例えば4月1日に治療が終了した場合、A市なら同年5月31日、東京都なら翌年3月31日が期限になる。その差10ヶ月。必ずお住まいの自治体のホームページや役所でご確認を。

必要な書類を揃える

さて、改めて調べてみると必要書類がかなり多い。誰かの役に立つかもしれないと思ってまとめてみたが、実は自治体によって求められる書類が多少違うようなので、以下はあくまで「ぴのこが住んでいるA市の場合」としてお読みいただきたい。

①自治体指定の特定不妊治療費助成申請書
自分で記入するもの。A市では役所のホームページからダウンロードできるので、家のプリンターで印刷して記入した。

②自治体指定の特定不妊治療費助成受診等証明書
医療機関で記載してもらうもの。自治体によっては男女別の用紙があったりする。これまた役所のホームページからダウンロードして病院に提出し、記載してもらった。ちなみにこういう書類は原則どの病院でも有料で、わたしのときも証明書代として5500円かかった。提出から受け取りまで時間がかかることがあるので早めの提出をお勧めする。

③領収書のコピー
助成金の対象となる、自費で受けた治療分の領収書が必要になる。不妊治療の経過中の受診であっても、保険適応の診療(わたしの場合は救急搬送されたときとか)は対象外になる。そして院外薬局の薬代も対象外。A市では細かい決まりはなかったが、自治体によっては用紙のサイズが指定されていたりする。

ここまでは全員必ず必要な書類になる。以下は条件次第で必要になるもの。

④振込先口座の通帳またはキャッシュカードのコピー
A市では全員提出することになっていた。自治体によっては①の申請書に口座番号等を記入するだけで良い場合もある。

⑤住民票の写し(夫婦の続柄あり、マイナンバーなし)
A市では初回申請・年度が変わって初めての申請・事実婚の場合に提出することになっていた。A市では夫婦以外の家族について指示はなかったが、世帯全員分の住民票を要求される自治体もある。A市はコンビニ交付に対応しているので、コンビニのマルチコピー機で入手できた。

⑥戸籍謄本または戸籍抄本
A市では初回申請・住民票で婚姻関係が確認できない場合・出産による助成回数リセット・事実婚の場合に提出することになっていた。基本的には戸籍抄本・謄本どちらでもよいが、回数リセットの場合は謄本が必要になる。
わたしたち夫婦の本籍は隣のB市にある。B市はコンビニ交付に対応していたが、戸籍抄本・謄本はB市内に住民票がないと利用できなかった。ただし市内の主要な駅に行政サービスセンターがあるので、休日に近くの窓口で受け取ることができた。

今回我が家が提出したのはこの6種類だが、場合によってはさらに以下の書類が必要になる。

⑦事実婚関係に関する申立書
事実婚の場合は毎回必要。自治体のホームページでダウンロードできる。

⑧妊娠12週以降で死産に至った事実を証明する書類
死産届けのコピーや母子手帳の「出産の状態」ページのコピーなど。死産による回数リセットの際は必要になる。

この他にも、過去の申請について他自治体に問い合わせるための同意書だったり、前年度の納税証明書などが求められる場合もあるようだ。

いざ提出

A市では、役所の子育て支援部署に直接または郵送で提出する。郵送だと不備があった時などにめんどくさいかと思い、今回は直接窓口に持って行った。ちょっと調べてみたら郵送のみで受け付けている自治体や、役所ではなく保健所に提出する自治体もあるらしい。

窓口の職員さんに書類を全部チェックしてもらい、不備なしとのことで受理された。わたしたちの場合は結婚後にA市に引っ越してきたので、前に住んでいた市に助成金の受け取り履歴を問い合わせた上で、受給可否が決まるそうだ。受給可なら3ヶ月くらいで振り込まれるとのこと。意外とかかる。

都会暮らしでよかった!

さて、冒頭の話に戻る。今回申請してみて一番の感想は「めんどくさい!」だった。住民票、戸籍抄本、病院の証明書……もらってくる書類が多くてとにかくめんどくさい。交通や行政サービスがわりと充実している地域だったからまだマシだったけれど、これがわたしの生まれ故郷のようなスーパーど田舎だったら余計めんどくさかったと思う。役所に行くために平日に休みをとり、遠方の病院に行くために休みを取り……郵送で対応している自治体も多いが、それはそれでめんどくさい。戸籍抄本なんて一生に何度も使わないと思っていたが、だからこそたまに必要になった時にさっと手に入れられるようにしておくべきだと個人的には思う。

これから結婚するカップルたちよ、本籍は大都会に置くのだ。

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