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君待ちの唄

画像は病院近くの公園の、たぶん桃の花。

胚移植を終えて判定を待つ期間というのは、多少なりともそわそわして過ごす方が多いようだ。ちょっとした体調の変化に一喜一憂したり、病院での判定が待ちきれずに市販の妊娠検査薬を使ってみたり。

一方、わたしは。

便秘になったりお腹が痛くなったり、そういう時に一瞬「これはもしや……!」と思うことはある。あるのだが、もしや……!の直後に脳内で「いやいやまだ3週くらいだよ?自然妊娠ならなんともなくて気づかない時期だよ?関係ないよ考えすぎ!」とセルフツッコミが入り、スッ……と冷静になってしまう。

他の方のフライング検査の記事を読んで、一瞬「やってみようかな」と思っても、脳内の自分が「そもそもこの時期じゃhCGそんな上がらないし尿じゃ精度落ちるし、どうせ来週採血なのに一喜一憂するの無駄じゃない?」と待ったをかける。

わたしの中には常に、そわそわした気持ちにいちいちツッコミを入れる自分がいる。医師として、患者さんのみならず自分のことについても常に医学的・科学的視点を忘れてはいけないと思ってはいるが、フライング検査うんぬん、ほんのりお腹が痛いのはもしや、などの話に素直に共感しきれないのは少し寂しい。

さて、こんな具合で素直にそわそわしきれないわたしだが、それでもわたしなりにそわそわしていると自覚したことがあった。

気がつくと、ミュージカル刀剣乱舞「歌合 乱舞狂乱」の曲、特に「君待ちの唄」をずっと聴いていたのだ。

ざっくり解説すると。
この「歌合 乱舞狂乱」は2019年末から2020年始にかけて行われた公演で、「君待ちの唄」はそのクライマックス、刀の付喪神である刀剣男士たちが、新しい仲間を呼ぶ儀式で歌う曲である。以前お守りの話にも少し触れたが、この曲の序盤の歌詞はヒトの発生と刀が打たれる工程を重ねた内容なっている。新しい命、新しい刀が生まれる歌。現地で聞いた時から好きだったが、妊活が本格化してからより気に入って聴くようになった。なんだか縁起がいい気がして。

一つ 心の臓が脈打ち始め
     (玉鋼 水減し 小割り)
二つ 赤き血は巡り廻る
     (積沸かし 折り返し鍛錬)
三つ 眼(まなこ)はまだ光を知らず
     (造り込み)
四つ 手足は分かれ指を成し
     (素延ベ)
五つ 耳は音の意味もわからず
     (火造り 切先 鎬 茎)
六つ 口はまだ言葉を持たず
     (生砥ぎ 土置き 焼き入れ)
七つ その肺に空気を吸い込めば
     (鍛冶研ぎ)
君は産声を上げるだろう
(ミュージカル刀剣乱舞 歌合 乱舞狂乱 「君待ちの唄」より引用)

現地で聞いた時は青江ソロの「四つ 手足は分かれ 指を成し」で「胎児の発生」と気づいてテンションがあがった。

さて、この歌詞はこう続いている。

宿れ宿れや その命 その形
宿れ宿れや その歴史 その体
祈れ祈れや その契り その禊
祝え祝えや その宿命 その役目
(ミュージカル刀剣乱舞 歌合 乱舞狂乱 「君待ちの唄」より引用)

元々好きな曲だが、最近は特にこの辺りの歌詞が響く。宿れ宿れや。

音源は写真集の特典として限定販売だったので現在は手に入らないが、大千秋楽が映像化されているので宣伝。色々すごいからみんな見て。

配信はこちら。

似非医学や迷信は信じないが、わたしだって医学と切り離されたものに対して祈る、信仰する気持ちはしっかりあるのだ。

宿ってくれるだろうか。宿ってくれますように。

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