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「もう、電話しないでくれるかな。しつこいんだよ。これからは俺が一人で可奈を育てるから、今度、離婚届を持ってそっちに行くよ。」

何回かけたか分からない電話にやっと出た裕太は、冷たく言い放って電話を切った。

まさかこんなことを言われるとは想像すらしていなかった私は、しばらく放心状態だった。


可奈が生まれてからの4年間、主に育児をしていたのは私だった。母乳は誰かにあげたいほどたくさん出たのと、ハワイへの引っ越しで断乳するタイミングを逃した私は、裕太と別居する直前まで就寝前の添い乳をしていた。

なのにどうして、こんなことになるの?

怒りが込み上げてきたが、ぶつける先がない。命よりも大切な可奈を人質に取られているので、どう動くのが正解か分からない。怒りと恐怖が交互に襲いかかる。

いつも「アクティブで積極的」と友人から評されていた私が、小さく縮こまる。まるで別人になってしまったかのようだった。


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