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映画パンフレット感想#2 『瞳をとじて』

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感想

テキストとスチール、共に十分な量があり、そのバランスが良く、程よいボリュームだった。テキストはどの記事も濃密。満足した。

作品の性質や監督の作家性を考えると、やはり過去作の知識はあった方がより楽しめると思うのだけど、何せ31年ぶりの長編新作。『ミツバチのささやき』など過去作の内容が頭から抜けている人や、そもそも観たことがないという人も大勢いるだろうと思う。このパンフレットは、そうした人々の助けになるだろうと思った。「ビクトル・エリセ 簡易ガイドブック」とでもいうべきか。

個人的にはやはり、現代日本映画の代表的存在である監督らによる鼎談記事があまりにも熱すぎた。名前が並んでいるだけでウキウキする。お三方それぞれ個性的な切り口で作品やエリセについて思い思いに語っており、興味深く読んだ。とりわけ濱口竜介監督が「テキストと俳優の声」について触れる箇所は伝統芸を見る思いだった。エリセが「映画監督」でなく「シネアスタ」と自称する所以も、この記事を読めばよくわかる。

買って損ナシ!

※ちなみにパンフ開巻近くに掲載されているビクトル・エリセ監督のコメント「Director's Note」は公式サイトにも掲載されています。

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