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世界のエリートはなぜ「美意識」を鍛えるのか?/山口 周

今まで読んだビジネス書とは180度逆から物事を捉えてて世界観変わった。
ビジネス書で久々にこんなに面白い本に出会ったなー。
元々は、天才を殺す凡人のレビューにこの本のパクリって書いてあるのを見かけて、それなら既に購入済みのこっちの本を読むことにしたんだけど大当たり。
レビューよ、ありがとう!

日本企業がたどってきた歴史、第二次世界大戦の失敗から日本が大事にしている理念、そして急成長をとげ成功の先でどうして停滞してしまったのか、なぜこんなにも淀んだ空気なのか。
具体的な日本企業の例をいくつか出しながら話が進んでいくけど、こういう例に上がる大企業ってだいたいどの本でも似たり寄ったりなんだけど、あ、この本ではこの企業のことをこういう側面で称賛してるんだなっていうのも色々読むと比較できて面白さをプラスしてくれるな。

あとやっぱりAppleのジョブスは「美意識」の代表例として語られまくりますね、その美意識を生かすための組織の体系とかも書かれていて、そのパワーバランスは製造業における技術屋と事務屋と呼ばれるパワーバランスに大いに生きるんじゃないかなぁ、日本のものづくり業界に今必要な力と構造はこれかも。

結論としてなぜエリートに「美意識」が必要なのかは、犯罪を犯さないためっていうのは大納得だった。
なんでキンコン西野氏とかオリラジ中田氏への嫌悪感があるのかなーってずっと疑問だったんだけど単純に美しくない、そういうことだったんだ。
自社に人工知能論理委員会の設置を要求したディープマインドと法の抜け道をついて成り上がった日本の某スタートアップの差って雲泥の差で、法律ではなく自分達で何が正しいのかを明確にしていけるだけの道徳心、直感力、そういう力の違いは圧倒的だな。

脳科学から見ても、前頭葉の欠損により感受性を失い決断ができなくなった例をあげて、脳科学からも美を感じる力の重要性が伝えられているのも興味深かった。
症例が随分少なかったから確かなことは言えないけど。

では、美意識ってどう鍛えるのみたいな話でメディケーションが最初例に出てきて、未来でも過去でもなく今自分が何を感じているかに集中する技術って美意識を鍛えることに繋がるんだなって少し驚きだったし、やっぱり続けようと思った。
それに続いて、哲学、美術鑑賞、詩・・・読み進めていくうちにゾッとした。
全部自分が20代前半ですごい勢いで飲み込んできたものだったから。
なんとなく直感力はいいんだよななんて思ってたけど、それはアートに触れた経験が今の自分に生きてるんだ、本当に無駄なことってなにひとつないんだなと感心。

もちろん直感だけじゃなく、情報を正しく集めて、だけとやっぱり最後決めるのは自分だから、その決断を下すための力をまた再度鍛えていけたらいいな。


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