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サイコパスの真実/原田隆之

サイコパスとはいったいどういった人物なのか、なぜサイコパスになってしまうのか、誰がどうやってサイコパスだと判断するのかということが書かれている本だった。

サイコパスについては犯罪者か教祖のどちらかだろうという決めつけだけで真実を何も知らなかったので、間違った認識を正せてよかった。
イメージで物事を捉えてはいけないし、これはイメージだということに気づくためにも知識は必要だ。

まずサイコパスというのは犯罪者の中でもごく僅かで、むしろ経営層や成功者にも一定の割合でサイコパスがいて職場にもサイコパスが潜んでいるというのには驚いた反名思い当たる節があるなって冷静になってみると思う、なのになぜ犯罪者や教祖にしかいないと思い込んでいたんだろう、怖い。

またサイコパスだとその人を診断できる人はごく限られた人にしかできないことで、それは海外ではサイコパスと診断されると刑が重くなることが関係しているというのが興味深かった。
将来おこすであろう事件を未然に防ぐためという理由だったが、日本はどちらかというと未然に防ぐという考え方はなく依存症などの継続治療が必要な犯罪者ですら野放しにする状態になっているので、どちらがいい悪いではなく刑罰は世界によって様々だと改めて感じた。
依存症は予防的に罰するというよりはしっかりと治療を義務化してほしいとは思ってる、それは刑罰に当たらないと思うけど、本人にとってはどうかはわからない。

またサイコパスは一般的な犯罪者と同様の治療プログラムによって悪化し、治療は認知行動療法を集団で長期に受けることが唯一の方法だけど改善率は低く、だけど年齢は若いほど効果が出るというのは難しいなと思った。

あと最後の最後に本当に盛りだくさんだった・・サイコパスは脳の欠損によるもので家庭環境が問題ではないという前提があって、その上で少しでもサイコパスを減らすために親になるための免許が必要だという議論がなされるべきなのではないか
というのが印象的だった。

もちろんこれは優生思想を含み国が管理するなんて気持ち悪いことだからそれを推し進めたいとかではなく、そのことについて議論することが重要だという点についてはなんだかいきなりSFっぽさ出たなと思いながらも、全面的な否定はできないし、だけど今はそのことについて考えるにはまだ知識が足りないなというのが私の現状だと思った。

サイコパスは絶命していない、それは人類がより長く生きるためであるという点も踏まえまだまだ咀嚼には時間がかかりそう。


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