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劣化するオッサン社会の処方箋/山口 周

著者の同世代へ向けた叱咤激励の本かな感じた。
もっと頑張れどうしてダメだったのか見つめ直せここで食いしばれそして這い上がれ、そんなエール?っぽさ。
高い高い下駄を履いた終身雇用が美徳で定年後の老後のために生きることが当たり前だったあの頃にしがみついたそういう終わった時代にしがみついているおっさんに対して丁寧に現状とやるべきことを示してた。

冒頭では本書がどのような人物をおっさんと呼んでいるかも書かれていた。

1:古い価値観に凝り固まり、新しい価値観を拒否する
2:過去の成功体験に執着し、既得権益を手放さない
3:階層序列の意識が強く、目上の者に媚び、目下の者を軽く見る
4:よそ者や異質なものに不寛容で、排他的
このような傍若無人な振る舞いをして自らを省みることのない人々であり、その内容は必ずしも「中高年の男性 =オジサン」全体に適用されるものではない、ということをここに断っておきます。

この引用からも分かる通り、これはこの社会で生き抜くためにオッサン化せざるをえなくなった若い世代や女性にだってあてはまる。

性別関係なく思考停止して良い大学いって大企業に勤めて結婚して子供を持って・・って人が対象だけど男性の特権がつまった社会のルールにフォーカスしてるからあえておっさんという代名詞を使ったのかなと思う。

そんな感じで、これはジェンダーの平等がまったくない時代から社会に出ている私にとっては自分のことだなと思って読んだ本だった。

「没落してゆく民族がまず最初に失うものは節度である。シュティフター『水晶』」

エリートはなぜ美意識を鍛えるのかの後日談として日本企業ってアートとサイエンス結局どっちもないよねっていう結論には笑っちゃった。

でも転職に対する価値観に対しては同世代に書いているだけあって古くてそんな同世代だけでしか共有できない価値観で語りかけて・・ってちょっと残念な気持ちになる部分もあったけど、でもいきなり最新情報ぶっかましたって劣化してるおっさんたちには届かないだろうし・・・難しいのかな、ちょっとそのギャップが虚しさ感じちゃった。

なぜ劣化していくのかとかその仕組みがわかりやすく説明された上でどうやったら劣化せずに生きていけるか大切なのはなんなのかというところにしっかり繋がっていたのは学びって感じでした。

はー、会社の上司に読ませたい。。。


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