自己愛には自己否定をやめるだけ
自己否定をやめるためには、まず単に自分の感情や思いを肯定することが大切です。でもそれをなかなかやりたがりませんね。それは日本の教育が起因していると思います。自分よりも他人を敬うこと、他人を大切にすることを教えられてきました。それは当たり前に尊いことですが、育つ環境によっては自分を蔑ろにして他人を優先することを覚えてしまい、自分の存在価値を見出すことができないまま成人してしまうことも少なくありません。
日本では謙遜、謙虚であることが人としての美しい生き方、あり方という道徳観や倫理観を植え付けられたことです。秀でることをよしとしない風潮もまだまだ根強く、日本の教育や社会の風潮がこれを妨げているのも事実です。間違いを犯せば責任を取れと叱責が飛び交い、そんな中で自分を肯定しようものなら、怒号が飛びSNSでは逸脱した誹謗中傷が止みません。私たち一人ひとりが自己肯定感を持ち、自分を大切にすることができるよう、教育や社会の在り方を見直すことが求められと考えています。
1.教育の影響:
日本の教育システムでは、謙遜や謙虚さが美徳とされるため、自分の意見を主張することや自己肯定感を持つことが難しいと感じる人がいまだに多いです。特に学校教育では、均一性や協調性が重視されるため、個性を発揮することが抑制されがちです。この流れが職場にもあります。個人が可能性を発揮するための助けではなく、組織において効率的、生産性を求め、どれだけの利益があるかを重視するあまり、理想的な社会の変革は表面的です。
2.社会の風潮:
日本社会では、他人との比較が多く、成功や失敗に対する評価が厳しい傾向があります。これは、人々が失敗を恐れ、自己肯定感を持つことを難しくする要因となっています。間違いや失敗に対して厳しい批判が飛び交う環境では、自己否定的な態度を持つことが避けられません。
3.SNSの影響:
現代では、SNS上での誹謗中傷や攻撃が増えており、これが自己肯定感を持つことをさらに難しくしています。匿名性が高いSNSでは、他人を攻撃することが容易であり、その結果、自分を肯定することに対してもネガティブな反応が返ってくることが多いです。オリンピックを目指した選手がメダルを取れなかったことの激しい非難、審判の判断に激昂する、スポーツ選手の敗戦に対する脅しやあなたの家族に死んでほしいなどのとんでもない悪口。顔が見えないからなんでも言いたい放題ですね。何がそんなにあなたを否定的な観点に震わすのでしょう?と思います。
4.道徳観や倫理観:
謙虚さや謙遜は確かに重要な価値観ですが、それが過度になると自己肯定感を損なう結果となります。バランスの取れた自己評価がも必要であり、そのためには自分の感情や思いを大切にすることが健康的な自己肯定感を育むために不可欠です。何も人前で自分をここぞと評価、自慢しろと言っているのではないのです。表向きは謙遜していますが自分の心の内側では自分を自分で評価するということです。また迎合しないでいいということです。疲れるような人間関係があるのであれば、そこからサッと身を引く判断力も必要になってきます。
自己否定がやめられない理由
その一つに、自己否定を続けることで得られる潜在的なメリット以下に、いくつかの例を挙げて説明します。
自己否定的な態度を持つことで、他人からの同情や関心を引きやすくなる場合があります。例えば、「自分はダメだ」と言うことで、周囲の人から「そんなことないよ」と慰めてもらうことができます。これにより、一時的な安心感や認知を得られることがあります。
責任回避
自己否定を続けることで、失敗や困難に直面した際に「どうせ自分はダメだから」と自分を責めることで、外部の要因や他人を責めることを避けることができます。これにより、責任を取ることや問題解決に対するプレッシャーを軽減することができます。低い期待値の維持
自己否定を続けることで、他人からの期待値を低く保つことができます。これにより、過度な期待やプレッシャーを避けることができ、自分に対する要求が少なくなるため、心理的な負担が軽減されます。安心感
自己否定的な態度を持つことは、一種の防衛機制として機能することがあります。自己肯定感を高めることに対する不安や恐れがある場合、自己否定的な態度を持つことで、その不安や恐れから逃れることができるため、ある種の安心感を得ることができます。変化への恐れ
自己否定をやめることは、自分の内面や行動に変化をもたらすことを意味します。変化には不安や恐れが伴うことが多く、自己否定を続けることで、現状を維持し、変化を避けることができます。
解決策としての自己理解と自己受容
自己否定をやめるためには、まず自己理解と自己受容が重要です。自分の感情や思いを知ることから始め、受け入れ、自分自身を肯定することで、自己否定の悪循環を断ち切ることができます。具体的な方法としては、以下のようなアプローチがあります。
自己対話:
自分との対話を深め、自分の感情や思いを客観的に観察する。
自分の欠点を欠如していると断定するのではなく、欠点こそが強みだと認識を変えてみること。どう強みになるだろうか?と自己対話を重ねていくことです。一般的に過去の成功体験が強みであると指す場合もありますが、苦手としていること、嫌っていることに「才能」が眠っていることが多くあります。得意なことに目を向けるのは簡単ですし、ポジティブな自己評価を積極的に行うこともできますが、苦手なこと嫌っていることにも目を向けて「なぜ苦手だと思うのか?なぜ嫌うのか?」そんな問いかけが重要です。
自己対話とは自分自身でしかでき得ません。私があなたに代わって自己対話をすることはできません。しかしサポートを受けることはできます。
専門家のサポート:
カウンセリングやコーチングなど、信頼できる専門家のサポートを受けることで、自己否定の原因を探り、解決策を見つける。この時臨床心理士だからと言って全面的に信用に値するとは限らないことも覚えておくと良いです。私の経験上、自分と似たような経験をしている専門家でなければ、こちらの話す経験や内容を理解してもらえないことが多いのです。学問知識と経験値は別だということです。このことにより無駄に時間とお金を使って、さらには心的負担を作ってしまうことがあるからです。
新しい視点の意識付け:
自己否定的な思考を転換するために、新しい視点や考え方を取り入れる。
自己否定をしていた人が自己肯定ができるようになったのはなぜだろうか?と考えるだけで、脳の特性上、それに関する情報を見つけてきてくれることを利用することもお勧めです。
(目を瞑ってから頭の中で「黄色いものは何?」と問うてみて、目を開けてください。黄色いものを目で追いますよね?黄色い情報を探してきてくれます。
情報とは目についたもの、感覚的に得られたもの全てを指します。文章や動画だけではありません。これを自分の都合のいいように、脳がエネルギ消費率により、自分で取捨選択していると言います。ですので私たちは本当は全ての情報を得ているのですが、自分によって情報を見えないようにしていることも忘れてはならないのですね)。
自己否定をするのには理由があるからです。その理由をタグ付けしているのも自分です。そのタグ付けを外すきっかけを自分に与えてあげることは自分を大切に扱うという行為です。
自分を虐げ、自分を後回しに扱ってきた日本人が、時代背景や社会環境によって否定的観点を自分に与えてしまっていたとしても、その決断は自分自身でしてきたことです。このことで人生に喜びを得られないのだとしたら、これまでの決断を変えてみるという手立てが残っていることを思い出して欲しいと思います。
自己否定をやめることは簡単ではありませんが、自分を嫌ってしまう自分自身も「それでもいいよ」と大切にすることで、より豊かで充実した人生を送ることができるようになります。
誰だって好き好んで自分を否定的に見ているわけではないのです。長年の思考パターンが、否定的というだけです。それは本当の自分ではないのです。否定的思考は変われない・・・と諦めるのではなく、今すぐにでも変えることができるのだ、という新しい観点をまず持つことは、有意義な人生を送る秘訣だと考えています。
今日も読んでいただきありがとうございました。
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