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はげまされたものとは

前回の続き

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小田急線沿線沿いを歩くといっても、当時はガラケーでスマホが無く地図も無い。
もう1人の友人が途中まで一緒に行ってくれる事になった。
大勢の人が帰宅難民となり、
みんなが歩く方向に歩き出す。

コンビニで地図を買おうと入ってみると、全国地図すら完売!全国地図なんて、都内の地図もちっちゃいのに。
そして、コンビニの品物がほとんど無い。これは、本当にただ事ではない。

途中には、紙に『道案内します』と書いて立っている人が何人もいた。
そして、家の門に『トイレ貸します』と張り紙がある家も。
本当にありがたい。
まだまだ日本も捨てたもんじゃないな。

避難所も解放されて、何人もの人が中で座っていた。

友人と別れを告げ、1人で歩いていると後ろを歩く人達が
『何あれ?ワラジ?www』
と私の足元を見て笑っているのだろう。
そう、私は当時《竹虎の草履》を履いていたのだ。
不思議と恥ずかしいとは思わず、
むしろ私はこの草履に励まされていた。
『昔の人はワラジで山道も歩いたんだ。これくらいの道歩けなくてどうする!』
何度も挫けそうになりながら、この草履にそう励まされていたのだ。

多分、この草履だったから歩けたんだと思う。

新宿から小田原線沿線沿いを歩いて6時間。
狛江駅に差し掛かった時に駅員さんが
『電車が動きます。ご乗車の方はお乗りください‼️』と叫んでいた。
私は駅員さんに『本当に動くのですか?』と尋ねると
笑顔で『動きます。どうぞ』と
改札に促してくれた。

私は涙が止まらなかった。
電車が動く❗️
当たり前の事が当たり前にならなくなった時、
人は弱さを感じる。
私は1人6時間も歩き続けて、ようやく電車が動くことが
こんなにも嬉しく、こんなにも感動するとは思わなかった。
しかも、狛江発で電車はガラガラだった。
乗っている人はみんな安堵の表情で窓の外を眺めている。
私のように涙する人もいた。

歩いている途中で、何度も試運転と表示された小田原線の電車が動いていた。安全確認をして、夜中の0時にようやく確認が取れたのだろう。本当にありがたかった。

私はこの体験を忘れない。
まだ苦しんでいる人はたくさんいる。
当たり前の日常が本当に幸せなんだと気づかせてくれた日。
これからも、様々な形で支援をしていこうと思う。

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