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シリーズ② 乱交をやめたら、女はとってもエッチで魅惑的な存在になった!

 今回は、我々ヒトがとった性戦略のお話です。
 我々ヒトは、女性側の都合によって、発情しさえすれば誰とでもやる【乱婚制】をやめ、♂と♀のつがいによる【一夫一婦制】を選択することになりました。
 その結果、『女性がとても魅力的な存在となった』というお話をしていきたいと思います。
 それは、男性にとって魅力的な存在になったということですが、女性の側に自らの魅力をアピールする必要性が生れたことにより、女性自身もまたそこに自分の存在価値を求めるようにもなったのです。
 それが女性の複雑な心理状況を生むことにもなりました。
 そこにはどんな背景があったのでしょうか。
 それをじっくりと検証して行きたいと思います。

シリーズ①のお話では、ヒト科に属する他の類人猿たちの性戦略について語りました。
 そして、いよいよ、我々ヒトの性戦略についてのお話になります。

 他のサルや類人猿たちとはまったく異なる性戦略をとることになった我々人類ですが、当然のことながら、現代に生きる我々にもその影響が色濃く浮かび上がってきています。
 ヒトがとった性戦略のお話のなかで、唯一生き残った現生人類である我々にも影響している事柄については、太字で表示することにしました。
 話があちこちに飛んでしまうため、まとめるのが難しかったので、太字部分を読んで、『あぁ、なるほど。そういうことだったのか!』と感じていただければ幸いです^^

 ここで、話を進めていく前にわかっておいてもらいたいことがいくつかあります。
 人権という思想が広まってる現代では、女性や子供の人権は守られるべきものであるのが当たり前ですが、その考えが広まったのはごく最近、第二次大戦後のことです。
 永いヒトの歴史の中では、数十年、数百年前という年月経過は、つい最近のことでしかありません。
 それ以前の何十万年という永い年月のほとんどで、♀という存在はずっと、単に子を為し、育てるための存在だったと認識しておかねばなりませんし、たとえローティーンであろうとも妊娠可能な状態にさえなっていれば大人の♀として扱われていたはずです。
 つまり、初潮後の♀は、たとえ何歳であろうが、扱いとしては今でいうような子供ではなかったということです。
 そういったことを前提に話を進めていきますが、これは、女性や子供の人権を軽視しているということではありませんので、そこのところに誤解のなきように。
 これから語るのは、あくまでも動物の一種であるヒトの♂、♀の話だと思っていてくださいね^^ 

 それでは、ヒトの性戦略のお話の前に、まずは人類の歴史についての簡単なおさらいから始めましょう。

 人類の歴史を簡単に。

 600万年ほど前にチンパンジーと分かれた後、600万年前~500万年前にかけて、ヒト亜科にあたる猿人(ピテクス)と呼ばれる人類の祖が生れました。
 アウストラルピテクスが有名ですね^^
 彼らは、チンパンジーよりも、体格は少しだけ大きくなって、ちょっとだけ大きい程度の脳を持っていました。
 でも、彼らがチンパンジーと決定的に違ったのは、楽々と直立二足歩行をこなしていたところです。
 でも、この後の進化は遅々としたもので、次の段階に進む兆しが見えるまで約400万年もの永い時を過ごすことになります。

 約200万年前には、猿人と原人(ヒト属)の中間的な種であるホモ・ハビリスが登場し、彼らは石器を使い始めました。
 旧石器時代の始まりです。
 そして本格的なヒト属に分類できる原人として、ホモ・エレクトスが180万年前ほどに登場します。
 原人は、体格も脳の大きさもかなり大きくなってきていて、もうすでに毛皮をなめして衣服として使用していたようです。
 50万年前ほどになると、火を使用していた痕跡がみつかるようになります。

 50万年~30万年前になると、ネアンデルタール人に代表される旧人類が現れ、簡単な言葉を使い、葬式を行うなど文化的な兆候も表れてきます。
 でも、まだまだ彼らは簡単なコミュニケーションがとれる程度で、複雑な会話や抽象的概念などは持てなかったと言われています。

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 そしていよいよ新人類(現生人類)であり、ヒト属で唯一生き残ることになる我々、ホモ・サピエンスの登場は、20万年ほど前のことです。(30万年前とする説も)
 でも、ここがすごく重要な処なんですが、ホモ・サピエンスは、ここから驚異的な進化を遂げることになります。

 それでも、最初のうちはその進化も遅々としたものでした。
 誕生から15万年ほどが経過した5万年ほど前頃になって、やっと、脳は複数の目的を持てるようになり、それによって道具や武器がより進化し始めます。
 文化が複雑化して、言葉によるコミュニケーションはより効率的になって、円滑化していきました。
 ちょうどこの頃にホモ・サピエンスは、冒険の途に就き、世界中に拡散し始めたと考えられています。

 ここまで来てやっと他の野生動物との決定的な違いがみられるようになったと言っても良いでしょう。
 それでも、石を打ち欠いたものを加工もせずに目的に合わせて使うという旧石器の時代はまだまだ続き、石を磨き加工して作られる新石器の時代が始まるのは、1万年前まで待たねばなりませんでした。
 新石器時代の到来とともに初期の農耕や動物の家畜化が始まり、それが文明の始まりに繋がることになります。
 文明の興りについては、まだまだ確定されていない新発見があり、調べてみても混乱するだけなので、約1万年前くらいとだけお伝えしておきましょう^^;

 旧石器時代、新石器時代という考古学的時代区分は、主に旧世界(ヨーロッパ、北アフリカ、西アジア)で行われたものであり、日本では青銅器や鉄器の移入が遅れたために、使われていた武器(道具)で時代区分するのがそぐわないことになってしまいました。
 旧石器→新石器→青銅器→鉄器と変遷した、使う道具や武器の違いで時代を分類したのは、いかにも西洋っぽい発想だと思えます^^;
 日本は大陸の端の島国でしたから、新しい技術である青銅器や鉄器の移入が遅れたのは仕方がないところです。
 そのため、日本では、その頃に使われていた土器の文様や様式の違いで、縄文時代、弥生時代という時代区分をするのが、普通です。
 でも、旧世界で磨製石器がみつかるのは、およそ1万年前くらいですが、日本とオーストラリアでは、3万年~4万年前には精巧な磨製石器が作られていたんですよ^^
 旧世界と比べたら2万年以上の差があるということは、人類史上においては、その頃の日本は、断トツで世界の最先端にいたことがわかります。
 鉄器が日本に入ってきてからは、日本刀に代表されるような鋼の技術に関して、目を見張るものがあります。
 今でも加工技術の高さでは、日本は世界一だと思っていますが、この加工技術の高さはご先祖様譲りだったということなんでしょうね^^

 二足歩行へ

 猿人たちが登場し、他のサルとは違うヒトへの進化を促したのは、棲んでいた地域に起きた環境の大変化でした。

 アフリカ東部にある大地溝帯の周辺で人類化石が多く見つかっています。
 この大地溝帯は、大陸プレートが東西に分かれていく動きの中で出来ている大地の割れ目であって、その近くでは造山活動も起こり、大きな山脈が出来上がっています。
 この大地の活動は、約800万年前ほどに起こり始め、現在もまだその動きは続いているとのことです。
 ここで大きな山脈が東西を分けたことで、山脈の東側では乾燥した空気に支配されるようになり、サバンナ化、砂漠化が進行し始めました。
 大西洋から湿った空気を運んでくる貿易西風が山脈によって遮られ、西側では雨を降らし、熱帯性の森林地帯が残りましたが、雨を降らせた後の乾燥した空気が山脈を越えて東側を支配するようになったのです。

 この地域には多くの類人猿たちが暮らしていましたが、気候の変動により徐々に進行するサバンナ化によって、森林が減少していき、その環境変化に対応できなかった多くの他の類人猿たちは絶滅して行ったのではないかと考えられています。
 その中で、人類の祖は、完全樹上生活を諦め、点在する樹木と樹木の間を行き来し、樹上生活の名残を残しつつも、徐々にサバンナに適応していったのです。

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 なぜ二足歩行を始めたのか。
 これにはいろいろな説がありますが、まばらになった木々の間を二足歩行で行き来したからとの説もあります。
 果実などの食料を両手で抱えながらの移動が二足歩行を促したとする説です。
 また、地上ではサバンナ化で背の高い草が茂っていたために、危険を事前に察知する必要が生じ、立ち上がって周囲を警戒しつつの移動が必要だったからという説もあります。
 サバンナ地帯は草食動物たちの世界であって、それを狩る肉食猛獣たちが数多く跋扈していました。
 草原で暮らすには、人類はあまりにもひ弱でした。
 逃げ足が速いわけでもなく、戦うための爪も鋭い牙もたくましい肉体を持ち合わせていませんでしたから、事前に危険を察知することが何よりも大事だったはずで、それが二足歩行を促したということです。

 ともかくこの二足歩行を始めたことで、以下の人類進化の大きな要素が揃うことになり、人類は知恵という武器を手にして行くことになります。
 〇両手が自由に使えるようになった。
 〇首が座り、後頭部の筋肉量が減ることで、脳の容積拡大の余地が出来た。
 〇口蓋や舌が自由に動かせるようになり、器用に発音出来るようになって言語の発達に繋がった。

 洞窟生活へ

 樹々が失われて行ったことにより、豊富に得られていた果実や葉、昆虫などの食料が得られなくなり、徐々に動物食主体に変わって行きました。
 さらに、樹上という安全な棲み家も失われて行くことになり、やがて洞窟生活に移行していくことになったと考えられます。

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 造山活動によって生まれた火山の麓にはいくつもの洞窟があったはずです。
 でも、そういった地域の周囲は、荒れた大地となっていて、近隣では充分な食料確保が難しく、遠くまで出かけて行って狩りをする必要がありました。
 遠くまで出掛けて狩りをする以上、獲物は出来るだけ大きく、食欲をしっかりと満たせるものであることが望まれるようになるのは、必然でしょう。
 大型の動物を狩ることが出来るように、狩りをするための道具(武器)も次第に工夫されていくことになり、効率的に狩るための戦略や役割分担などの発達も促されて行ったのでしょう。
 でも、進化の概略で示した通り、この辺りの進化のスピードは驚くほどゆっくりであり、徐々に徐々に進んで行くしかありませんでした。

 洞窟生活が一般的になったのはいつ頃の頃なのかははっきりしませんが、この洞窟生活が、ヒトの♂♀の思考の違いや人類のとる性戦略に大きな影響を及ぼすことになったのです。

 男脳、女脳

 エサが豊富で安全な棲み家でもある樹上生活であれば、♂♀のそれぞれの役割も♀の子育て以外の面ではさほど大きな差異はありません。
 でも、洞窟生活が続くことによって、♂♀の役割の違いがはっきりとし始めます。

 遠くまで狩りに出かけるため、体力のある♂が集団で狩りに出かけていくようになります。
 一方で、♀の方は、体力的に遠征しての狩りには向かず、また子育てのためにも洞窟に留まる生活が中心になって行きます。
 ♀は、主に子育てと、洞窟近くでの採集や毛皮をなめしたりといった家内労働的な役割を中心に果たしていくことになります。

 人権や女性の権利などが確立される20世紀になるまで、男は外で働き、女は家で家事と子育てに勤しむといったことが当たり前となっていたのは、こういった明確な役割分担が何百万年もの間、ずっと続いていったからなのでしょう。

 狩場と棲み家の位置関係などをしっかりと把握しておく必要性から、♂は地理的空間把握能力が高まって行きます。
 また、集団での狩りは、戦略的でなければうまくいかないため、論理的な思考能力も高まっていくことになります。
 狩りに必要なコミュニケーション能力も高まっていきますが、これは目的がはっきりとしていて、結論を導くための論理的思考と一体化したものとなります。

 したがって、男性同士の会話は、何かしらの目的に向けての結論を出すために必要なものになっていて、余計なことを間に挟むのを嫌います。
 結論を出すのが目的の会話なので、日常的なくだらない話をしていても、なんらかのオチがなければと考えてしまうものなんです(笑)
 だから、何気ない会話というものが苦手な男性が多いんですよね。

 それに対して、女性のコミュニケーション能力は、洞窟周辺での生活でお互いの関係をうまく繋いでいき、生活に支障が出ないようにしていくところに発揮されるようになります。
 したがって、女性同士の会話では、結論を導くことに主眼があるわけではなく、コミュニケーション自体が目的となっているので、話題の先がコロコロ変化していき、何らかの結論を導くためのものにはなっていません

 だから、男性は女性同士の会話についていけなくなったりしてしまうんです^^;

 男性は、女性の悩み事に関する話を聞いてしまうと、本能的に悩み事相談だと判断してしまい、その目的に対する結論を出そうとせずにはいられなくなります。 
 何らかの有効なアドバイスを見つけ出そうと必死になってしまうため、話を進めていくうちに、『まったく余計なお世話だわ!』と女性に心の中で嘲られちゃったりしちゃうんです(笑)
 女性の悩みというのは、すでに結論は自分で出していることも多く、ただただ話を聞いて共感して欲しいだけだったりするのに。
 

 こういった♂の思考形態、♀の思考形態の違いを『男脳、女脳の違い』という観点で解説した名著が、『話を聞かない男、地図が読めない女―男脳・女脳が「謎」を解く』(アラン・ピーターズ著)です。
 女性心理、男性心理の違いなどに興味のある方は、面白いと思うので、是非一度読んでみてください。

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 ♀が選んだ一夫(♂)一婦(♀)制

 ♂たちが集団で狩りをし、獲った獲物を洞窟に持ち帰ってくるということは、洞窟に残っていた人々にも獲物を分配するという原始共産制のような生活だったのでしょう。
 でも、危険を冒して狩りをし、獲物を持ち帰ったという功績は♂側にあるので、♀の立場としては、自分と子供のために十分な獲物の分配を確保するための戦略が必要とされました。

 こうして、人類の場合は、♀側の都合が強く働いたことにより、人類特有の性戦略が確立されて行くことになったのだと思います。

 『私は貴方としかSEXはしません。だから、私に確実に獲物を分け与えてください』
 『貴方としかSEXをしないということは、私の産む子は貴方の子に間違いがありませんから、貴方の子供とその母である私を護り、しっかりと面倒を見てくださいね』

 ♀の側から、こういう【SEXを取引材料】とした契約条件が提示されます。
 これは♂側にとってもそれほどまずい話ではありませんでした。
 自分の子だと確信出来る子を自身の手で護ることにより、確実に自分の遺伝子を遺せる可能性が高まりますし、♀を巡っての♂同士の争いの必要性も薄れるからです。
 祖先と同じように乱婚制を続けるには、♂側では激しい順位争いが必要になります。
 一致協力して効率よく狩りを行うためには、交尾機会を巡っての力による順位闘争は無駄でしかないでしょうから、♀側からのこの一夫一婦制の提案には、♂の側のメリットもそれなりにあったのでしょう。

 だから、風習とか制度とか法律とかで決めたことではなく、♀側の事情から生まれた性戦略として、ヒトは一夫一婦制を基本とするようになったのです。

※【乱婚制】のデメリットについては、『シリーズ①女の喘ぎ声は我慢出来ない』のチンパンジーの項を参照していただければ、分かり易いと思います。

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 発情を隠すことにした♀

 【乱婚制】では、♀ははっきりと自分の発情を示して、より多くの♂との交尾を得られるようにしていました。
 具体的には、膣の周囲の性皮と呼ばれる部分が充血して腫れあがります。
 発情期にお尻の部分が真っ赤に腫れ上がるのは、乱婚制を維持しているサルたちの特徴です。
 見た目も行動もしっかりとした発情を示すように出来ているのです。
 そして、交尾機会をより多く確保するために、交尾中には大きな声をあげ、自分が発情していることを遠くにいる♂にまで示して、呼び寄せることもします。
 ヒトの女性が、喘ぎ声をこらえられないのは、この乱婚制の時の名残だとも言われます。

 発情した♀をみつけた♂はもうたまらない程に自分も欲情し、交尾に及ぶことになります。
 ♂の方では、発情した♀とより多く交尾することで、自分の精子が♀の卵子と結合する可能性が高まるため、遺伝子を効率よく後世に残していくには、発情♀とより多く交尾出来るようにすることが必要とされます。
 普段から♂同士が順位争いを重ねていくことで、その序列に従って交尾が可能となるのですが、その順位争いはし烈なものになり、時には群れの中の子供の♂を殺すことで、自分の順位を高めようとすることにまで発展します。
 この順位争いの抗争が鎮まることは♂にとっても利益に繋がることとなりました。

 ♀の側から一夫一婦制の性戦略をとることにしたので、まず♀の側で自身の発情を隠すことにしました
 『貴方としかSEXはしません!』と宣言したからには、他の♂に発情を教える必要もなくなるし、むしろ、余計な争いを避けるためにも他の♂に発情がわからないようにする必要があったからです。

 そして、発情を隠すことで、それが自身のSEXの価値を高める必要性にも繋がります。
 特定の♀が自分にだけ発情を示す
 ♂にとってはそれがとても大きな悦びに繋がることを♀は知っているからこそ、発情を隠すことが重要でもあったのです。

 現在のヒトの女性も通常は自身の発情を必死に隠しますよね^^
 それは、発情を知られることで、自身のSEXの相対的な価値が低下するからなのですが、自身のSEXの価値を高める努力についてはまた後程語ります。

 また、発情を隠すと同時にいつでも交尾が可能となるようにしました。
 ヒト以外の動物は、基本的に発情した時にしか交尾行動は起こしません。
 チンパンジーもヒトと同じように毎月定期的に排卵しますが、♀が発情し交尾が可能になるのは、排卵の前後12日間程度だと言われています。
 ヒト以外でいつでも交尾可能なのは、SEXをコミュニケーションのツールとして活用しているボノボくらいなのです。
 ♂の方は悲しいことに、♀の発情がありさえすれば、いつでも発情、交尾、射精が可能なように元々出来ているようです^^;

 獲物を運んできたとか子育てに協力しているとか、いわばご褒美の一環として、自身のSEXを提供することにしたので、♂の要請に応えられるようにいつでも交尾が可能にしたのではないでしょうか。

 自身のSEXの価値を高める

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  言い方は悪くなりますが、獲物の分配を確実に受けられるようにするため、また自身と子供を護るため、♀は自身のSEXをある意味で売り物にしたことになります。
 そのため、その価値をより高めていくという必要性も生まれました。

 まず、誰とでもSEXするようでは、その価値はダダ下がりです。
 自分がこの人と決めたからには、その♂としかSEXをしないという気概を示さなければなりません。
 だから、貞淑性を示すことが必要になりました。
 貞淑性とは、『もう私は貴方のもの、決して他の♂とはSEXなどしたいとも思わない!』と自分自身で思い込みを作らなければ、しっかりと示すことが出来ません。

 現代の女性にも、『好きな人としかSEXはしない!』という気持ちが自然に発生するのは、こういう性戦略を持って生まれてきているからなのです。

 その反面、より良い資質(遺伝子)を持った男性を伴侶として手に入れ、その後も関係を維持するためには、自分をより魅力的に見せる努力の必要があります。

 現代の女性が、肌や髪の手入れを入念に行ったり、スタイルの維持や化粧などに多くの努力や投資を行っていますが、それらの理由の答えはここにあります。

 また、親の庇護のもとで育った♀の子供が適齢期を迎える頃には、より多くの♂に自分の価値を認めてもらい、出来れば自分が選ぶ側に回りたいと思うのは自然なことです。

 現代においても、積極的な女の子は、自分の女性的な価値を見せつけるように短いスカートや短パン姿で歩き回りたがりますし、大人から見れば、『とてもはしたない』ような姿をしたがるのは、このためでしょう。
 当人にとっては、本能的に『かわいい恰好』を求めているに過ぎないのですが^^

 ここでいう【適齢期】とは、現代で言うところの結婚適齢期のことではありません。
 第二次大戦後、女性の初潮年齢は1~2年ほど早くなったという統計結果がありますが、それ以前は、20万年前からほとんど変化がなかったと思われます。
 また、初潮から1年ほど経つと、定期的排卵が安定して、順調な受胎が可能になります。
 なので、有史以前には、♀は13~15歳になれば繁殖が可能になり、平均寿命の短さを考えると、その年齢帯ですぐに繁殖行動に入ることになっていたはずです。
 つまり、ここでいう【適齢】というのは、交尾可能になる13~15歳くらいの年齢を指しています。 

 女性社会は監視社会

 ♀の側からの申し出で『貴方以外の♂とはSEXしません!』という形にはなりましたが、自分の妻となった♀が果たして本当にその約束を守るのかどうか、♂の側ではその大問題を抱えることになりました。
 ♀の側から自己規制的な『貞淑性を大切にする』という態度は示してくれていますが、そう簡単に信じきれるものでもありません^^;

 ♂が集団で狩りにでかけるといっても、ケガで狩りに参加出来ない♂、老齢で引退状態になっている♂、まだ狩りにはついていけない若い♂などなど、まだまだ生殖能力を持ったままの♂も洞窟に残っていたでしょう。
 また、他の群れの♂や単独生活をしている♂が、留守中にやってくるかもしれません。
 ♀が他の♂と交尾してしまう可能性は否定できるものではありませんでした。

 そこで、♂達のとった戦略として、自分が不在の時には、信頼できる♀(自分の母親や姉妹)に自分の妻である♀の行動を見張らせるようにしたのです。
 他の♂に近づこうとしないかはもちろん、他の♂を誘うような淫らな行為や姿を晒したりしていないか、とても厳しくチェックさせることにしたのでしょう。
 ただチェックするだけではなく、そういう行動に対して、直接的に叱責を与えたでしょうし、常日頃からそういう行動に出ないようにと諭し続けていたでしょう。
 洞窟に残った♀中心の社会は、こうしてお互いを監視し合うようになっていったことになります。
 それから、若い♀への教育として、常日頃から『♀は淫らな恰好を晒してはいけない』ことをしっかりと叩き込んでいったのも間違いないことで、女の子は『はしたない』ことをしてはいけないと教え込まれて行きます。

 現代でも嫁に対する、姑、小姑の態度の中には、こういった風潮が少なからず残っているのでしょう。
 何かと対立してしまいがちなこの関係の根底には、こういった過去の風習が色濃く残っているのでしょう^^;
 また、女性同士の会話では、『あの人は誰のことが好きなんだ』とか、『もしかして、あの二人は出来ているのかも』といった【他人に対する詮索事】の話題が多くなりがちなのも、こういったことから生まれてきたものなんでしょうね^^;

 最近、芸能人男性の浮気問題に過剰に反応する傾向が目立つ感じです。
 強いバッシングにさらされ、レギュラー番組やCMの契約は軒並み打ち切られることになり、損害賠償請求にまで発展することも。
 人格的には外道扱いされ、芸能活動自体が出来ない処にまで追い込まれてしまったり、謝罪をすればしたで、細かいことでまた叩かれる。
 僕の個人的な感想としては、たかが浮気です。(怒らないでね^^;)
 単に当事者同士で解決すべき問題でしかありません。
 それは当事者同士間では大変な問題ですが、我々無関係な一般人にとっては、本来的に『どうでもいいこと』でしかなくて、その人の職まで奪ってしまうような大問題ではないはずです。
 週刊誌やTVのワイドショーの主たる対象者である女性(特に既婚女性)に迎合したマスコミが、問題を必要以上に煽っていることも問題です。
 これらのことは、近来になって急激に高まって来た傾向ですが、すべては女性の権利が強化されてきて、『相対的に女が強くなった』ことの現れなのでしょうね。

 『不倫をする女性』に対して、女性たちが感じる【敵意】は本能に刷り込まれたものからくるものなのでしょうし、その不倫女性自身も『不倫』という関係に強い抵抗感を感じているはずです。
 次の項目は『男の浮気』について語っていくことになりますが、『不倫関係』において、女性側の心の負担がとても大きいことに男性が気付けずにいるのもこれでわかってきます。

 

 男は浮気をするもの

 ヒトの一夫一婦制の性戦略は、主に♀側の必要性から生まれたと考えられます。
 ♂側のメリットとしては、群れ内でのし烈な順位争いの必要性が薄れたことと、確実に自分の子だと信じてその子を護れるということくらいでしょうか。

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 生殖コストという考え方があります。
 自分の遺伝子を後世に遺していくこと(繁殖)が、『生物が生きていること』の主な目的なのですが、その遺伝子を載せたひとつの配偶子にかけるコストがどれくらいかを考えた時に♂と♀では大きな違いがあることがわかります。

 ヒトの♀の場合は、自身がまだ胎児だった時に生涯に作り出せる卵子の数が決まってしまいます。
 つまり、卵子はもともとが有限な資源です。
 そして、大体28日周期でひとつずつ成熟した卵子を排卵し、受胎の可能性があるうちは大事に胎内にそれを保持し続けます。
 受胎した後も、9か月に及ぶ妊娠期間、出産、1年近くに及ぶ授乳、その後2年近くも手元に置いて育てていくという難行・苦行が続きます。
 だから、一つの配偶子に対してのコストがものすごくかかっているということなんですね。
 そして、その大切なたったひとつの卵子が、より優秀な精子に出会って受胎することを期待し続けるのです。

 それに対して、♂の方は、一度の交尾で2~3億の配偶子(精子)をばらまきます。
 その精子は常に新鮮な状態を保つ必要があるので、常に新規に生産し続けます。
 生産能力があるうちは無限に配偶子を作り続けていることになります。
 放精後は、自分には特に大きな負担もかかってこないということもあり、ひとつの配偶子に対して、♂にとっての生殖コストはものすごく低いということがわかります。

 つまり、基本的に♂は種をまく側であって、たくさんの畑に種をまくことが出来ますし、出来るだけたくさんの畑に種をまくことが、自身の遺伝子を遺す可能性を高めることに繋がっているんです。

 不倫や浮気は、社会からの要請で生まれた倫理観から生じた言葉ですが、そういった倫理観を無視して言えば、生物の♂の生殖行動は、こうした繁殖コストの考えのもとに成り立っているので、もともと♂は浮気をするものなのです。

 だからといって、男性の不倫や浮気を肯定するものではありません。
 賢明な読者なら、文脈からお分かりかと思いますが、念のためにお伝えしておきます^^
 これはあくまでも進化の過程を考えたうえで得られた、♂が持つ基本的な傾向のことです。
 男性は、『だから、男は浮気をするものなんだ』と肯定する材料にすべきではなく、お相手の女性を傷つけないように自らの性質を知って、戒めとして心に留めておくべきです。
 女性には、男を理解するうえで大切な事なので、この基本的な♂の習性を理解しておくようにしてください。

 もちろん、現代の社会では倫理的に男性の浮気も許されるべきものではないですが、男性が妻である女性を愛していても、ちょっとしたことがきっかけで浮気してしまうことがあるのは、こういう面があるからなのでしょう。
 しかしながら、自分自身の側の浮気はそれほど大きなことだと感じていないのですが、奥さん側の浮気は男性としては到底許せないと感じてしまうものです。
 それは、女性側の要請によって生まれた一夫一婦制の性戦略は、『私は貴方としかSEXをしません』という大前提を信じるからこそ成り立っているものだからなんです。
 こういった感覚は、その時代によって多少は変わってきます。
 今の時代、男の浮気といえど許さないという社会風潮になってきているのは、女性の権利や立場がより強まってきているからなのでしょうね。

 魅力的なおっぱい

 ゴリラ、チンパンジーやニホンザルの♀の姿をご覧になった経験は誰でもあるかと思います。
 ♂よりも小柄な体型や子を抱く姿などから何となく母性や優しさのようなものを感じるかもしれませんが、性的な魅力はほとんど感じませんよね?
 まぁ、当たり前と言えば当たり前ですけど(笑)

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 我々と同じように少なく産んで大切に育てるという戦略をとっているので、サルも我々と同じようにふたつの乳房を持っています。
 でも、彼女らのおっぱいは、ヒトの♂から見たら、魅力の欠片も感じられない貧相なものです。
 授乳中のサルでも彼女らのおっぱいの張りはわずかで、しぼんだ乳房に梅干しのような乳首という、漫画に出てくるおばあさんのようなおっぱいです。
 ウエストのくびれなども皆無ですし、お世辞にも我々には魅力的な♀の姿には見えません。
 僕らから見てもそうですが、実はサルの♂たちにとっても、♀の姿かたちに対しては、それほどの性的な魅力を感じていないんです。
 その理由は、彼らの性戦略が、我々とは違う【乱婚制】をとっているからなんです。

 【乱婚制】とは、つまるところ、『発情した♀ならどんな♂でも交尾をする』ということになるので、【乱婚制】において、♂が♀に魅力を感じる点は、ひとえに【発情しているかどうか】の一点だけなのです。
 顔が綺麗だとか、姿が魅力的だとか、安産型でいい子供が産めそうだなど、そこには何の魅力も存在していなくて、どうでもいいことなんです。
 もちろん、性格の良し悪しのようなことなら、多少は影響があるかもしれませんが、♂が強烈に感じる♀の魅力は、とにかく発情しているかどうかということだけなんです。

 ♀が発情すると、膣の周囲に在る性皮という部分(人間でいう大陰唇みたいな感じでしょうか。。)が赤く腫れあがり、自分の発情を周囲の♂にアピールすることになります。
 それを目にした♂はたちまちに発情して、交尾行動を始めます。
 ♀の発情サインに対しては、ものすごい性的魅力を感じるのでしょうね^^

 彼らはたまに二足歩行をしますが、ほとんどは四つ足で歩いています。
 四つん這いの恰好ですから、赤く腫れ上がった♀の性皮は♂の視線の目の前にど~んと提示されるわけですから、♂にとってはもうたまらん!って状態にすぐになるわけです。

 【乱婚制】をやめて、♀の都合から【一夫一婦制】を取り入れた人類の場合は、女性自身が自分の性的な価値を高める必要が生れたというお話をしました。
 そのために発情を隠したせいもあり、発情以外の面で、普段から自分の性的な魅力をアピールする必要も生れたのです。
 二足歩行のために立ち上がったので、性器周辺を見せつけることが出来なくなり、その代わりに♂の目線の先に位置するおっぱいにその役目を負わせることになったのです。
 大きくて豊かな乳房は、子育ての能力(母乳で育てるしかない環境です)を誇示することになるし、♂にとってはとてもわかりやすい♀の性的シンボルとなったのです。

 『私、胸が小さいのがコンプレックスなの』
 『そんなこと、全然気にしなくて大丈夫だよ^^ 少なくとも僕はあまり大きなのは好きじゃないしね^^』
 こんな会話のパターンはよくあることだと思いますが、女性が自分のおっぱいの大きさに対してコンプレックスを感じてしまうのは、当然のことなのです。
 そして、こういう場合、男は本気で『おっぱいの大きさは気にしない』と言っているつもりなのですが、本人すらも気付けない心の奥深くの本音を探れば、『やっぱり大きいのがいいなぁ』と思っているはずなんです。
 人間ですから、しっかりとした思考力があるので、『美的センスの問題』だとか、『その女性に見合った大きさが良い』などと、適当なへ理屈を付けてしまいます。
 ですから、この男性も【心の底から本気で女性の胸の大きさは気にしていない】と頭では自分に思い込ませていますが、本能的にはどんな♂でも女性の大きなおっぱいに魅力を感じるように出来ているはずなのです^^;
 そういう風に我々は作られてきているのですから。
 素敵なバストをアピールしている女性とすれ違う時に、思わず目線が行ってしまうのは、人間の♂としては仕方のない事なんです(苦笑)

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 女性の性的な魅力をアピールする必要性は【一夫一婦制】になったせいで生まれました。
 一番目立つのは、目線のすぐ先にあるおっぱいですが、女性らしい曲線を描くウエストライン、しっかりと張りのある腰、大きくて張りを感じるお尻などにも、僕らはとても大きな性的な魅力を感じます。
 それは、生殖のための相手には、上手に子供を産めそうだという、いわゆる安産体型が望まれたからなのでしょう。
 もちろん、美しい顔や艶やかで豊かな髪なども女性性の象徴として魅力を感じる処ですが、着飾った姿や装飾品による魅力というレベルになってくると、風俗的、民族的な違いによって、いろいろ左右されるかとは思います。
 とにもかくにも、ヒトの♀は自分がいかに性的な魅力に富んでいるかを常に追い求めるようになったし、♂もまた性的魅力に溢れた♀に惹かれるようになっていったのです。

 もうひとつ、我々男性が、(いや、少なくとも僕が、)思わず振り返ってしまうような女性のタイプがあります。
 それは、言い方は悪くなってしまいますが、どことなく『やれそうな(雰囲気を持った)女』なんですよ。
 これは見た目だけの問題でもないですし、言葉には表しにくいんですが、全体的に何となくそう感じるという程度なんです。
 これは好みの問題ではないし、振り返ってみたところで、やれるわけもなく(笑)、特に何かが起こるわけでもないのですが、知らず知らずにやってしまう無意識の行動なのです。

 これは、元々♂の方から望んだ【一夫一婦制】ではないですし、♂の生殖コストの問題や【乱婚制】の名残から、少しでも性的な機会を探りたいという意識がどこか心の深い処にあるのだろうと思います。
 だからこそ、【自分がやれそうな雰囲気を少しでも感じる女性】には、無意識に反応してしまうのではないだろうかと僕は考えています。
 断っておきますが、これは無意識に起こしてしまう行動の分析であって、常にやることばかりを考えているというわけではありませんよ!(笑)

 女性の持つ承認欲求は、女性性の証なのです。

 最近、SNSなどでは、綺麗な胸の膨らみやとても魅惑的な胸の谷間、スラリとしたおみ脚などを自らの自撮り写真で投稿してくれている素敵な女性が目立ちます。
 僕の棲んでいるいわゆる【裏垢】界隈では、下着姿などは当たり前、バストトップも露わにしてくれているとても魅力溢れる女性たちも少なくはありません。
 なかには、自らの自慰シーンやハメ撮りまで動画で魅せてくれている女神のような女性までもが存在します^^

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 なぜ、女性たちは自らの身体を露出したがるのでしょう?
 それは、『承認欲求』なるものを満たすためと言われていますが、これもまた♀側の都合によって採用された一夫一婦制の性戦略が影響している自然な行動なのです。

 いかに自分が性的な魅力に溢れているか、男性を満足させるに足る女なんだと、女性はそれをアピールせずにはいられないですし、男性からの反響をしっかりと感じ取りたいのです。
 【乱婚制】のままだったら、男性がこれほどまでに女性の性的魅力に魅せられるようなことはなかったでしょうし、女性もまた、いかに自分が性的魅力に溢れているかをアピールするようなことはなかったでしょう。
 なにせ、【乱婚制】では発情しているかどうかだけしか、女性の魅力として認識されないはずですから。
 このことは、とても重要なことで、女性に感じる魅力、男女間に恋する気持ちなどが存在していなければ、文学や音楽、美術といった芸術の素晴らしさも生まれなかったでしょうし、文化そのものが、とても貧弱なものになっていたことでしょう。

 SEXの際にも、女性側の性的な満足には、『相手の男性が、自分のSEXで満足してくれたか』どうかがとても重要な部分を占めています。
 『自分はとても気持ちがいいけど、彼も私で気持ち良くなってくれているんだろうか?』
 SEXの途中で雑念を浮かべてしまって行為に没頭出来なくなるという悩みを持つ女性の多くは、こういった想いが原因となっているようです。

 これもまた、ヒトのとった性戦略によって組み込まれた本能的な想いです。
 このことは、【女性の性の悦び】というものを考える時に重要なカギとなります。
 男性が、SEXで女性を満足させるためには、【自分もまた満足していること】が女性にはっきりと伝わるようにしなければならないのです。

 また、男性の側でも、SEXの時にお相手の女性が、自らの手でたくさん乱れてくれることで、その女性に対して強い愛しさや悦びを感じるような仕組みがあるのですが、それはまた次の記事で紹介することになります。

 隠さねばならぬこと

 話の流れから外れてしまっていたので、後回しになってしまっていましたが、洞窟生活と一夫一婦制の採用によって、他のサルたちとは【隠さねばならぬこと】に関しての違いが現れました。

 他のサルたちは、交尾している場面を隠すことはしません。
 乱婚制の名残が強いので、むしろ他の個体にも発情を促すことも必要なのかもしれません。
 動物園の猿山で観察しているとわかることですが、彼らはエサを手にすると、他の仲間にみつからないように隠れて食事をします。
 自分で獲得した大事なエサを(基本的には)他に譲り渡すことはありませんし、力づくで横取りされる心配があるからなのでしょう。
 彼らは、食事する場面は隠したがるが、交尾をする場面は隠そうともしないのです^^

 でも、洞窟生活で、『♂が集団で狩りを行い、獲物を持ち帰り仲間に分配する』ことになった人類は、食事を隠すどころか、逆に大勢で共に食事をし、それによって喜びすら感じるようになりました。
 仲間や家族と共にする食事が、狩りの成果をともに喜び、お互いの感謝の気持ちを確かめ合うことに繋がったのでしょう。
 現在の処、まだ外出自粛生活が続いていますが、気心の知れた仲間たちとの飲食の場が、これまでどれほどの楽しみを与えてくれていたかが、お陰でよくわかりましたね^^

 そして、自分たちのSEXを他に知られるのを避けるようになりました。
 一夫一婦制では、カップル以外の人とのSEXをしないことが前提です。
 そして、♀は自らの発情を隠し、自分の性的魅力をアピールすることも必要になりました。
 ですから、自分たちが欲情し、交尾行動をしていることを他に知られては、とても困ることにもなってしまうんです。
 また、もしかしたら、SEXをしている最中に、自分の妻に横恋慕している♂に、背後から襲われるかもしれません。
 SEXしている時は、とても無防備な状態になってしまうので、その場面を人の目から隠すことが必要になったのでしょう。

 特に♀は、自分の性的魅力をアピールしたい気持ちと、他の♀の監視の目の中ではその気持ちを抑えつけておかねばならないという相反する心理が働きます。
 性的魅力を見せつけたいのに、それを隠さなければならない。
 男性には女性の心がとても複雑に思えるのは、そういった相反する想いを抱え続けているからなのではないでしょうか。

 野生動物のほとんどは、交尾を隠しませんが、食事は隠れて行いたがります。
 ヒトでは、その逆になってしまっているのが、とても面白い処だと感じています。

 SEXに関することを隠す必要が生じてしまったがために、SEXに関することはウラに追いやられてしまいました。
 社会的にうまくやっていくことが絶対に必要とされるがために、我々がオモテに出せるのは、『自分を社会に適合させ、健全な社会生活を送るため』のことばかりになってしまっています。
 でも、そんなことのために僕らは生まれてきたわけでもなければ、生きているわけでもありません。
 僕ら生物が生きている目的は、繁殖すること、自分の遺伝子を後世に継いでいくことなのです。
 SEXのことをウラに追いやってしまっては、自分たちが生きているということ自体を否定することになりかねません。
 皆さんにももっと自分たちの性のこと、SEXの悦びのことについて、しっかりと考え、学んで行って欲しいと願っています。

 次章で語ること

 20万年前、洞窟生活の真っ只中で誕生した我々、ホモ・サピエンスの生殖システムは、その頃の環境に合わせて作られました。

 SEXは、その生殖システムの中で、精子を卵子に受精させるための大事な行為です。
 SEXは受胎が目的の行為ですから、受胎する可能性をより高くするために、そのシステムが作られているはずです。
 だから、受胎の可能性を目一杯高めることが出来た時に、SEXの悦びも最高のものとして感じられるように作られているはずなのです。
 【受胎の可能性が高まること】、それらがどういうことなのかを考えていくことで、最高のSEXを得るためには何が必要かがわかってくるはずです。

 SEXに快感が組み込まれていることは、ヒトの生殖システムの中で、元々それが大きな役割を果たしているということを示しています。

 男性にとっては射精のためにオーガズムを必要としているのはわかりますが、射精という物理的現象のない女性にもオーガズムが存在していることにも必ず訳があるはずです。

 現代の女性の多くが、男性器の挿入時にオーガズムを得られなくなってしまっていることにも、そこに何かの理由があるはずです。

 だって、生殖システムの中に女性のオーガズムが組み込まれているのであれば、SEXで中イキ出来るのは当たり前のことのはずなのに、それが出来なくなってしまっているのですから、そこには何らかの異常な事態が生じているはずです。

 この辺りのことを深く掘り下げていけば、現代女性が『何故、中イキが出来なくなっているのか』、『どうすれば中イキが出来るようになるのか』、それらの答えがわかってくるでしょう。

 次の『シリーズ③ SEXにおける【女性本来の悦び】とは?』で、『中イキすること』が女性にとって、とても大事なことだということを証明していく予定です。
 みなさんに一番お伝えしたかった事がそこに在りますので、是非、次の記事をお待ちくださればと思っています。

 文中で、『だから、今の女性(男性)は、こういう風なんだ』という決め付けのような推論をしています。
 これは、必ずしも『すべての人がそうだ』と決めつけているわけでもありませんし、『だから、ダメなんだ』というダメ出しをしているつもりもありません。
 『ヒトという生物種の進化の歴史をみていくと、他の動物たちとは違う、これこれこういう傾向がみられるんですよ』というお話です。
 だから、文中に太字で示したようなことを何となく感じられているようなら、僕の推論の面白さをわかっていただけたことになります^^
 何度も言っていますが、現代の様々な状況は、ヒトの長い歴史の中では、ほんの一瞬の状態でしかありません。
 我々の持つ現代の価値観は、その一瞬の状況のために作られたものであって、ヒトという種にとっては、とても異常な状況とも言える偏ったものになっているんです。
 『そもそもヒトは・・・』
 それを考えて、愉しく読まれることを願います^^  

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