シリーズ① 女の喘ぎ声は抑えることが出来ない。
我々の心と身体は、20~30万年前の環境に合わせた仕様で作られている。
現代に生きている我々は、ついついこの現代の状況を当たり前のように考えてしまっています。
もちろん、世界の他の地域では、まだまだ開発途上の段階に在ることは知っていますが、それでも自分の身の回りのことを中心に物事を考えてしまっています。
そのため、高度な医療体制、衛生環境、科学水準などなど、我々が享受できているこの環境を基にした考え方をしてしまいがちです。
でも、私達、ホモ・サピエンスが誕生したのは20万年前とも30万年前とも言われているんですね。
現代のこの異常とも言える状況の始まりはおそらく第二次大戦後のことでしょうし、起源を産業革命まで遡るとしても、たかだか200年ほど。
文明が興ったのでさえ1万年ほど前程度のことでしょうから、20万年、30万年という永い時の流れから見れば、それですらつい最近の出来事と言えるのです。
ホモ・サピエンスが誕生した20~30万年前といえば、旧石器時代の後半になるので、人類は洞窟生活の真っ只中だったはずです。
20~30万年というホモ・サピエンスの長い歴史の中では、ここ100年ほどの急激で驚異的な科学的進歩状況はかなり異常な状態になっていると言えるのです。
我々に原初から備わっている身体や心の機能について、この異常な時代の状況を標準にして考えてしまっては、大きな勘違いをしてしまうことになります。
生殖のシステムというのは、その種の根幹を為すものですから、少なくとも我々の生殖システムは、この20~30万年前に種が誕生した時点で確立されていたものだと考えられます。
当然、その頃の環境に合わせた生殖システムが採用されているはずですし、この急激な状況変化が起きている現代においても、それは大きく変化せずにそのままであると思われます。
種の根幹を為すシステムですから、そこに大きな変化が生れたとしたら、その時点で、まったく違う種として生まれ変わってしまうはずです。
ですから、我々がSEXのことを考える時には、現在の状況を基準にして考えてしまっては大きな間違いを犯すことになります。
SEXの根本を考えるためには、異常なほどに進んでしまった現代の状況からは離れて、洞窟生活を送っていた頃のことを基に考えを進めていく必要があるんです。
そして、そういう考えを基にしていろいろ考えていくことで、逆に現代に生きる我々の男と女のアレコレがわかってくるのです。
女の喘ぎ声は、他の男を呼び寄せる魂の声なのだ。
さて、最初のお話は、我々ヒトを含めた類人猿の仲間たちがそれぞれに採用した性戦略についてです。
類人猿とは、ヒト上科まで広げてテナガザルも含める場合もあるようでが、ここでは、ヒト科に分類される動物たち、つまり、ヒト、チンパンジー、ゴリラ、オランウータン(全部で4属11種います。)のことを指します。
この類人猿たちの共通祖先は、元々が【乱婚制】という性戦略を持っていたようです。
この【乱婚制】というのは、発情した♀は基本的にどの♂とも性行為を行います。
♀にとっては、数多くの♂からの精子の提供を受けることで、受胎の可能性を高めることが出来るので、これはなかなか有効な手段になっています。
♀は発情すると性器の周囲(厳密には性上皮と言われる部分)を赤く膨らませることで、自身の発情を周囲の♂に報せます。
その発情期間中に出来るだけ多くの♂と交わることが出来れば、受胎の可能性が高まるわけですし、その間に力の強い上位♂と何度も交わることになるので、よりよい遺伝子を授かる可能性も高いわけです。
だから、この【乱婚制】においては、♀は発情期間中は誰とでも、しかも何度も性行為を行いますし、出来るだけ多くの♂を呼び寄せるために、性交中にも興奮して激しく鳴き声をあげるのでしょう。
『私は今、発情してエッチなことをしてるのよ~!』
『今来れば、誰とでもエッチしちゃうから、みんな来てぇ~!』
その鳴き声にアテレコすれば、こういうことになるのだと思います(笑)
今でも、女性はSEXでそれなりに興奮してくると、喘ぎ声が自然に出て来てしまいますよね。
野生の環境下では、SEXをしている時はとても無防備な状態になりますから、本当はなるべく声を抑えて、無言でするのが良いのでしょうが、あの喘ぎ声はどうしても止められないようです。
外部にあの声が漏れぬようにと、行為中に女性の口を塞ぐようなことをしたことがあるカップルも多いかと思います^^;
人間の女性がSEXの時の喘ぎ声を制御できないのは、類人猿の共通祖先が【乱婚制】をとっていたことに由来するという説によるのも、これでよくわかりますよね^^
女性のあの喘ぎ声が、『私は今気持ちがいいことしてるのよ~!だから、みんなこっちに来て~!』と叫ぶ声だと思うと、なんだかとても興奮してしまいます。
男がそこにとても興奮してしまうのも、やはり【乱婚制】の名残なのかもしれませんね^^
オランウータンはシングルマザー
類人猿の共通祖先は、完全樹上生活を送る比較的大型のサルでした。
完全樹上生活を送るには少し身体が大きくなり過ぎたきらいもありますが、共通祖先は完全に樹上生活に適応していました。
この共通祖先から最初に枝分かれしたのが、オランウータンで、その時期は約1300万年前と言われています。
オランウータンもまた、完全な樹上生活者で、浅学の僕には何故なのかはよくわかりませんが、広大ななわばりを必要としているようで、普段は単独生活をしています。
『森の人』がオランウータンの語源になっているようですが、深い森の中で単独生活を送っているその姿から名付けられたのでしょう。
このオランウータンもまた基本的には【乱婚制】なので、♀は発情すると、発情のサインをしっかりと出し、オスを呼び寄せ、近づいた♂と性行為を行います。
でも、広大なジャングルに広がって単独生活をしているので、その絶対数も少なく、『やりまくる』という感じではなさそうですが^^;
そして妊娠するとまた単独生活に戻り、♀が大切に我が子を育てていくことになります。
♂の助けを借りずに、シングルマザーとして、子育てをしていくわけですね^^
しかも子育てにとても時間をかけるので、♀の発情は7~8年に一度だけだそうです。
少なく産んだ子供を時間をかけて大切に育てていくことになる上に広大な縄張りを必要としているので、少子化がどんどん進んで行き、森林開発のあおりや乱獲などもあって、今ではその生息数はとても少なくなってしまっているそうです。
オランウータンのとった生態と性戦略は、とても成功しているとは言えないのかも知れません。
ゴリラのペニスと睾丸は驚くほど小さい!
次に共通祖先から枝分かれして行ったのは、ゴリラでした。
その時期は、およそ900万年前(諸説あり)と言われています。
共通祖先は、サルとしては大型だったので、元々完全樹上生活を送るには体格が大き過ぎるきらいがありました。
そのためゴリラは樹上生活を諦め、ジャングルの周囲に在る疎林帯(密度の低い森)に棲んでいます。
樹上生活を諦めたおかげで、逆に身体を大きくすることで他の群れや外敵から身を守る術を身につけます。
体重200㎏を超えるような【シルバーバック】と呼ばれる屈強な身体の♂が、数頭の♀を従えた小ハーレムを形成して、その子らとともに家族単位の群れを作って行動します。
数頭の♀というのは、多くても5~6頭くらいまでらしくて、自分の目が届く範囲ということで、その数は絶妙な数だと言えますよね^^
ゴリラはその体格といかつい風貌から、【凶暴な動物】というイメージを持たれていますが、実は菜食で平和主義なのだそうです。
強大な力を持っているがために、♂同士が直接争うことになると、お互いに相当の被害を受けることがわかっているので、威嚇し合うだけで物事を解決することになっているらしく、殺し合いになることは稀だそうです。
胸を手で激しく打ち鳴らすドラミングという威嚇行動が有名ですが、それによる威嚇で群れ同士、♂同士の争いを避けているんですね。
ハーレムというと、♂が♀を従わせているようなイメージですが、実は、♀の方が、『この♂がいい!』とシルバーバックに自ら従うようになるとのこと。
つまり、群れを率いているシルバーバックは、モテ♂ということなんです。
もちろん、♀が庇護を求める面が強いので、体格が立派で力強さを持っていることも大事ですが、周囲に気配りが出来て心優しい面が求められているそうです。
群れのリーダーとして、食べ頃の果物などが手に入るような場所に群れを導いて行く必要もあるため、頭の良さも大事なんでしょうね。
このゴリラの性戦略であるハーレム制(一夫多妻制)の良い処は、♀にとっては、自分と子供の庇護が確約されるところです。
妊娠-出産-授乳など一連の時期に自分の身と子供の安全をしっかりと守ってもらえることはとても重要です。
♂にとっても、自分が管理する群れの♀が産む子供はすべて自分の子であることが確信出来るので、♀と子供をしっかりと庇護します。
これによって、自分の遺伝子を残すという重要な使命が満たされることになります。
間違いなく自分の子だと確信出来るから、しっかりと面倒も見れますし、食べ物を分け与えるなど、充分な愛情を注げるわけで、それは雌雄どちらにも都合の良い処になっています。
ゴリラの♀はチンパンジーやオランウータンとは違い、発情のサインを示すことは無く、♂は♀の発情に自ら気付くことはないそうです。
♀は発情すると、自ら♂に近づいて行って、盛んに誘う仕草を繰り返すので、それによって♂も発情するシステムになっています。
大きくて力持ち、気配りが出来て子煩悩、頭も良く平和主義で、エッチの方も草食男子。
これが、ゴリラのモテモテ♂像だということですね^^
ところで、ゴリラの♀ですが、自ら立派な♂を求めてハーレムの一員になるほどの積極派ですが、元々の共通祖先は乱婚制でしたから、若い単独♂からの誘惑にも弱いのです^^
シルバーバックの目を盗んでハーレムの♀にちょっかいを出す勇敢な単独♂もいるそうですが、♀の方もその誘惑にはまんざらでもないようで、隠れて交尾に及ぶこともままあるそうですよ^^
類人猿以外のサルたちはほとんどが母系集団で群れを作って、♀はその集団から出ることはないのですが、類人猿たちは、基本的に♀の方が、群れを出て他の集団に移籍する(嫁ぐ)習性を持っています。
だから、類人猿の♀は大人になってから他の群れに移籍することが当たり前だし、移籍後もすぐにその群れに馴染むことが出来るコミュニケーション能力に優れているのです。
群れには、シルバーバックは一頭だけで、そこで生まれた♂は、他の♀にちょっかいを出せるくらいまで成長すると、シルバーバックに追い出されてしまうのが普通です。
群れから追い出された若い♂は、ほとんどが単独行動や♂だけの群れを作り、その生涯を終えることになります。
つまり、ほとんどの♂は童貞で生涯を終えることになります^^;
でもその中でも魅力に溢れた単独♂は、群れの若い♀にちょっかいを出していって、一から自分のハーレムを作り上げることもあるそうです。
♀が自分の所属する群れから出て、新たな群れに合流するという類人猿の特徴がここに出ていますね。
老齢化やケガ、病気などによってシルバーバックに群れを率いる能力が衰えてくると、他の単独♂や群れに居た若い♂がそれにとって代わります。
つまり、ハーレムの乗っ取りが行われます。
その時にその新シルバーバックが一番最初に行うことは、群れに居る小さな子供たちを全部殺してしまうことです。
菜食主義で平和主義のゴリラという面から考えると、とても信じられないような残虐な行為をすることになりますが、これにもゴリラがとった性戦略が影響しています。
子供を産んでから4年間ほどの子育て期間中の♀は、発情することはありません。
でも、その子供を失うと♀はすぐに発情するようになるので、自分の子を産ませるためには、前任者の子供は邪魔になるだけですし、本能的に他者の子などに愛情を注ぐことはしないのです。
前任者の子殺しをしてしまえば、その後に生まれる子はすべて自分の子であると確信出来ますから、この一見残虐とも思える行動がどうしても必要な行為なのでしょう。
子殺しを行うと聞くととても残酷な感じを受けてしまいますが、野生界ではごく当たり前のことなのでしょうね。
実は、ゴリラの♂はその立派な体格には似合わず、他の類人猿と比べて、ペニスも睾丸もかなり小さいんです。
チンパンジーの♂の体重は40~60㎏とゴリラの四分の一程度ですが、そのチンパンジーよりもはるかに小さいペニスと睾丸しか持ち合わせていないのです。
これは、ハーレム制をとっているため、♀との性行為を勝ち取るための♂間の競争がほとんど起こらないためです。
体格や群れを率いる能力が一番大事で、生殖能力は二の次ですから、精子を作る能力やペニスの立派さで生殖能力を誇示する必要もないのです。
結果的に生殖能力が低いと♀たちが判断すれば、その群れを去っていくだけなのです。
つまり、ゴリラの♂は、自らは発情もしない草食系だし、♀に対して性的な能力を誇示するようなことは一切しないということです。
求められているのは、リーダーとしての資質、気配りのできる優しさ、♀と子を護れる力強さ、子煩悩さなどなど。
なんだか、最近の人間界で求められている男性像に近い感じですね^^;
ということは、現代の人間には、このハーレム制の方が合っているのかもしれません。
でも、ここでちょっとだけでも、ニヤニヤしちゃった貴方!
ゴリラのようなハーレム制の性戦略だと、ほとんどの♂が一生童貞のままで過ごすしかないという事実をお忘れなく!(笑)
チンパンジーのタマタマ(睾丸)は巨大だ!
最後にヒトと分かれたのがチンパンジーの仲間で、それはおよそ600万年前と推定されています。
両者のDNAに関しての相違は、わずか1-4%にしか過ぎないと言われているほど、ヒトに一番近い類人猿です。
体重40~60㎏ほどで、類人猿では比較的小型な姿を保っていて、そのお陰で、地表と樹上の両方をテリトリーにする半樹上生活を送ることが出来ています。
その点でも共通祖先の性質を色濃く残しているようですが、チンパンジーの性戦略もまた共通祖先と同様の【乱婚制】となっています。
チンパンジーの♀にはヒトと同じように毎月(32日周期)排卵が起こり、生理があります。
そして排卵の10日前くらいから、膣周辺の性皮という部分が大きく腫れあがり、周囲に自分の発情を報せ、その間に多くの♂を受け入れ性行為に及びます。
この性皮が腫れるという現象は、類人猿以外のサルではよく見られますが、類人猿ではチンパンジーの仲間だけに見られるものです。
そして、【乱婚制】ですから、発情期間中は基本的にどんな♂でも受け入れます。
性皮が腫れている期間はおよそ12日間とのことですが、排卵が起こるのはその期間の最後の方で、実際に受精の可能性があるのは3日間程度らしいです。
その前の1週間ほどは、コミュニケーションを兼ねてのサービス的性行為になっている感じでしょうか^^
発情期間中は基本的にどんな♂とでも交わると言いましたが、実際は、♂の間では、厳格な順位付けが行われており、上位にいる♂ほど何度も行為を行います。
それでも、♀は誰でもウエルカムなので、下位の者にもチャンスは訪れるようで、通常は辛抱強く順番を待つそうです^^
時には、♀の方から下位の♂を連れ出し、群れの行動範囲の端の方で『かけおち婚』のようにして、ゆっくり性行為をさせる♀も居るそうです。
なんとお優しい^^
この【乱婚制】の場合は、発情期間中にいろいろな♂と性行為に及ぶため、産まれてくる子供の父親ははっきりわかりません。
チンパンジーは、♂♀混合の数十頭の大きな群れで行動するのですが、全ての♂が父親である可能性を持っているので、群れ全体でその♀と子を護ります。
それなら、間接的に自分の子(遺伝子継承子)を護れることになるので、良いシステムなのかもしれません。
でも、群れ内の順位争いのために、♂の子供だけを狙った子殺しが起きることもあるそうです。
そして、チンパンジーはその殺した子供を共食いをするという恐ろしい面も持ち合わせています。
理由には諸説ありますが、競争率を下げて自分の遺伝子が残る可能性を高めるためとも言われています。
そのため、群れの♂♀比は1対2くらいになっていることが多いとか。
また、子供を産むと、♀はその後3年間は発情しないので、群れの中での♀の絶対数が減ってしまうと、発情する♀がほとんどいなくなってしまうこともあるそうです。
そうなると自分の遺伝子を残せる可能性が減ってしまうため、他の群れを襲って、♂と子(子がいると♀は発情しないため)だけを殺し、♀を略奪してくるような戦争を仕掛けることもあるそうです。
共食いをしたり、戦争を仕掛けたり、あの愛くるしい姿を見慣れている我々には信じがたいほどの凶暴性を持っているのが、チンパンジーなのです。
特に大人になるとその凶暴性が剥き出しになることもあり、時には人間までも襲うことがあるとのこと。
樹上生活に適応しているので、握力はなんと300㎏もあるほど力が強く、知能もとても高いので、飼われているチンパンジーが脱走して殺人まで犯すといった事件も起きているそうです。
【乱婚制】という性戦略をとっているので、発情した♀は誰とでも行為に及びますが、♂の間では、それ以前から順位づけのための争いが起こります。
力が強い♂は当然上位に位置しますので、発情♀との交尾のチャンスは多く、自分の精子で受胎させられる可能性は高まりますが、実際に妊娠するかどうかは、他の♂との精子レベルの争いとなります。
特に排卵は発情期の最後の方に起こるので、下位の♂にも受精させられるチャンスは十分にあるようです。
精子レベルの争いになるということは、自分の遺伝子を伝えていくためには、♂間の順位争いとともに『いかに優秀な精子を作れるか』という点が大事になってきます。
だから、チンパンジーは体格に似合わないほどの大きな睾丸を持っていて、しかも一回の放精量は6億個以上にも及ぶとか^^
体重では4倍以上も大きなゴリラの睾丸の重さは二つでわずかに30gですが、チンパンジーは140gもあるそうです。
ちなみにヒトの睾丸は、およそ40gだそうです^^
ゴリラのお〇んちん、タマタマは一番小さく、チンパンジーはお〇んちんはそれほど大きくないですが、その体格にしては超巨大なタマタマを持っています。
シリーズ②で詳しく語りますが、人間は一夫一婦制の性戦略をとることになったので、女性を悦ばせる能力も含めての♂の性的能力が、良い♂の条件に含まれるようになりました。
ですから、類人猿たちの中では、一番立派なイチモツを備えているのが人間なのです^^
素晴らしき愛の世界-ボノボ
これは余談になりますが、チンパンジーの仲間のボノボについてもお話しておきます。
以前は、チンパンジーの小型亜種だと考えられていて、ピグミーチンパンジーと呼ばれていました。
でも、チンパンジーとは途中で枝分かれした全く別の種であることがわかり、ボノボと名付けられたのです。
日本の動物園にはいないので、我々にはなじみが薄いのも仕方がないかもしれません。
チンパンジーと外見はよく似ていますが、性格的には全く異なる面を持っています。
とても大人しくて平和的で、他の群れとも争ったりしないし、♂の間での順位争いもなく、とても平和な暮らしをしています。
チンパンジーと同じ【乱婚制】ですが、遺伝子を残すための争いは、『どうせ最終的には精子レベルで競うのだから、順番なんてどうでもいいじゃん^^』っていう感じなのでしょう^^
ボノボのすごい処は、コミュニケーションツールとして、SEXを利用している処です。
そのため、争いごとはほとんど起こらない素晴らしい愛の世界を構築しているのです。
発情期以外でも♂♀で交尾しますし、♂同士、♀同士でも、コミュニケーションを深めるために疑似的な性的行為をしているとのこと。
また、老練な♀が若い♂にSEXの仕方を教えてあげたり、その逆もあります。
挨拶代わりにこういったことを頻繁に行っているようで、他の群れと遭遇した時にもこうした行為で、すぐに打ち解け仲良く出来るらしいのです。
♂同士、♀同士での争いもなく、群れ全体で行う愛に溢れた日々の暮らし。
誰でもいつでもコミュニケーション手段として行う、SEXし放題の世界。
人間もかくありたいと思うのは僕だけではないはずです^^
でも、そんな世界だったら、人類はここまで大きな進化はしなかったでしょうね^^
さて、ここまでで、ヒト以外の類人猿たちの性戦略についてお話してきました。
少しまとめておきましょう。
〇類人猿の共通祖先の性戦略は、【乱婚制】である。
〇オランウータンは、♀が一人で子供を育てる【シングルマザー】。
〇ゴリラは、強い1頭の♂と複数のメスからなる【一夫多妻制】。
〇チンパンジーは、共通祖先と同じ【乱婚制】。
それぞれの種の性戦略というのは、♂、♀、そして遺伝子を継いでいく子供たちにとってもそれなりのメリットがあるように出来ています。
体格や棲んでいる環境などに合わせたものになっているわけですが、同じ類人猿でもそれぞれが異なる性戦略をとっているのが、面白いところです。
生物は自分の遺伝子を後世に残せるように繁殖を目的として生きています。
自分の遺伝子をいかに優秀な遺伝子と組み合わせて、永く生き残らせていくか、それが大事なことになってきます。
♂にとっての性戦略としては、以下のことが重要になってきます。
〇自分の精子が♀の卵子に受精する確率をあげること
〇より優秀な♀と交尾の機会を得られるようにすること
〇より多くの♀と交尾の機会が得られるようにすること
〇交尾した♀が産んだ子が自分の子だと確信出来れば、その子と♀を庇護して、しっかりと育つように導くこと
〇確信出来ないまでも自分の子である可能性があれば、庇護の対象とすべきだ
同様に♀の性戦略としては、以下の通りです。
〇より優秀な遺伝子を持つ♂と交尾の機会が得られるようにすること
〇精子レベルでも優秀さが得られれば、受胎し、子を得る可能性が高まる
〇交尾の機会を得たら受胎の確率をより高めること
〇産んだ子と自分を♂にしっかりと庇護させること
上記の点を踏まえて、それぞれの類人猿たちの性戦略について考えてみると、いろいろわかってくることが多いかと思います。
シリーズの2話目では、ようやくですが、ヒトの性戦略について、詳しく考察していきます。
今回のお話は、その前フリのようなものでしたので、次回のお話にどうかご期待ください。
前フリではあっても、それなりに面白く読んでいただけたようなら、『スキ』などでご評価いただけると、大変励みになりますので、是非お気持ちをお寄せください。
よろしくお願いいたします。
ここで述べているお話は、何かを基にしたものでなく、これまでに蓄積されてきた私の浅学から来る『ひとつの説』だと思ってください。
もちろん、細かい部分などについての確認は、ネットからの情報ではありますが、一通りは行っています。
もしかしたら定着している学説とは異なる見解もあるかもしれませんが、あくまでも『個人で考察した範囲での推論』という形でご理解いただければと思います。
記事を最後まで読んでいただきありがとうございました^^ 今後もいろいろとお役に立てる記事が書ければと思っています。 お気持ちだけでも嬉しいので、スキやフォロー、共有していただけるだけでもと思っています。 よろしくお願いします^^