なぜ倒産 平成倒産史編 感想

Kindleで読んだけど割とサクサク読めた。さくさく倒産してた。平成までの会社に限定されてるのでバブルとかリーマンショックとか東日本大震災とかの影響が出てくるけど新型コロナの話は出てこないのでその影響でどれだけ倒産したんだろうと思うと震える。自分は会社の経営どころか基本的に業績や営業などとは無縁の仕事をしているので読んでいて会社ってそういうこともあるんだと印象に残ったのは次の3つだ。

社長がワンマンだった場合(特に突然)死ぬとやばい

全然死ぬと思ってなかった社長がバリバリやってるうちに死んだ挙句、次代の社長の手腕が足りないとかそういうレベルでなく幹部がそもそもついてきてくれなくなってしまったらしい。突然社長やらされた上にだれもついてきてくれないのは悲しい。悲しすぎてそりゃ会社潰すわと思った。

意外に経理とか事業とかブラックボックスで会社は動かせる

これは結構多かった。(まあ倒産した会社が分母なので当たり前かもしれないが)それでも個人的には会社ってきっちり数字で管理されてると思ってたので、明らかに怪しい事業に社長ともう一人以外知らない城代で会社の金がつぎ込まれてるとか、兄弟の仲が悪すぎて片方が詐欺にあって会社の金をジャブジャブ突っ込んでるの気付かなかったとかそんなんありなんですね!という気持ちになった。

「時代についていけなかった」という分析多すぎる

各会社の最後にどうしてつぶれたか簡単に説明するところがあるんだけど、そこに結構な頻度で「時代についていけなかった」的なことが言われており、仕事場で中堅ランクになっている自分としては非常に身につまされる。しかも変わろうともしないならまだしも、変わろうとあがいてるのにうまくいかなかった事例をしっかり記述されると勝手に切なくなってるおじさんを想像してしまい心が締め付けられる。


本の終盤で、倒産しても法律の力を借りて再生できるのはあらかじめ倒産した時のことを考え準備しておく会社だ……みたいなことが書かれておりよく言われることだけどその通りだなあと思う。かつてアントニオ猪木は「出る前に負ける事考えるバカいるかよ!」と怒っていたが、そんなスタンスでもどうにかなるのは猪木ぐらいだと思うし、私たちは負ける時のことまで考えてから出た方がいいなと思います。

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