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2020/06/30 葛藤/割切

6月が終わる。本格的に学校が再開して随分経つと感じるのに、実際は2週間だ。身体はようやくフルタイムの日常に慣れてきた。

職場を出る前に時間をいただいて話した1時間で、自分の据えどころを決めた。葛藤と割切りの中で、結局できることは今できることを精一杯頑張ることだ。

先日読んだ吾峠呼世晴『鬼滅の刃』第6巻(集英社)には、訓練が思うようにいかない主人公・炭治郎が自分を鼓舞するシーンがある。

頑張れ!!
頑張ることしかできないんだから
俺は昔から
努力は日々の積み重ねだ
少しずつでいい
前に進め!!

少年漫画の美点の一つは、主人公の誠実さや健気さに読者である自分も励まされて前向きな気持ちになれることにあると思う。古くからある《友情・努力・勝利》は、その是非も含めてよく取り上げられる言葉だが、魅力的な登場人物や物語の根幹にあるのではないか。決して同じ状況でなくても、印象に残った一言、一コマが力になるのだ。
もちろんそれは少年漫画に限らず様々なジャンルの作品にも共通することだけれど、主人公の成長物語(Bildungsroman ビルドゥングスロマン)の色が濃い少年向け作品には、人の心に力をくれるものが特に多いのだと思う。

できることしかできないし、自分のできなさに嫌になることも多い。その中でできることが「頑張ること」であるなら、頑張るしかないなあと思うのです。

*****
《2020/07/01 補記》
主人公・炭治郎が自分を鼓舞する場面は他にもよく出てくるし、割と自分で自分を褒める場面も出てくる。そこでの彼の言葉は、太宰治「走れメロス」の主人公・メロスを彷彿させます。長男(兄)であることの自負とか我慢とか。

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吾峠呼世晴『鬼滅の刃』第3巻

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