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2月に観た映画の話

相変わらず仲間とのアクティビティが躊躇われる時代ですが、1人でも楽しめる趣味として人生で最も映画筋がムキムキになっている現在です。
今のところ2022年に入ってから20本以上映画を観ているので、引き続き月に1本のペースで簡単な感想を纏めていければなと思います。
よろしくお願いします。


アンチャーテッド

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トム・ホランド主演最新作。「クラッシュ・バンディクー」「The Last of Us」等を世に送り出したゲームスタジオNaughty Dogが手掛けた同名のTVゲームが原作。監督は「ヴェノム」「ゾンビランド」ルーベン・フライシャー

あらすじは以下の通り。

NYでバーテンダーとして働くネイサン・ドレイク(愛称:ネイト)は、器用な手さばきを見込まれ、マーク・ウォールバーグ演じるトレジャーハンターのビクター・サリバン(愛称:サリー)から50億ドル相当の財宝を一緒に探さないかとスカウトされる。
消息を絶ったネイトの兄サムが残した手掛かりを頼りに、2人は“地図にない場所”へ、辿り着けるか──
(※YouTube概要欄より引用)

先月日本でも封切られた「スパイダーマン:ノー・ウェイ・ホーム」に引き続き、またもやトムホが最高のアクションを披露してくれました。

PlayStationでリリースされている原作ゲームは累計で4,000万本超の売り上げを誇る人気タイトルですが、キャッチコピーである「PLAYする映画」の通り、圧倒的なグラフィックと映画的表現が魅力的な作品となっています。
(なお完全に余談ですが、私は外伝含め全作品をプレイする程度にはシリーズのファンです。)

時として実写映画を超えたと思わせるほど臨場感のあるシーンも。

そんなゲームが満を持してSONY手ずから映像化を手掛けるというニュース、しかも主演はあのトム・ホランドということもあり、個人的な期待値はかなりのものでした。
唯一の懸念点は、原作では東地宏樹さんが声を当てるほどのおじさんが主人公なのに対して映画は過去編(青年期)にフォーカスされているという点ですが…。

蓋を開けてみれば、個人的にはこれ以上ないほど理想的な実写化/映像化だったと思います。

理由はいくつかありますが、何といってもやはりキャストの寄せ方が見事だったからという点が大きいですね。

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止め画の時点でも何となく近い雰囲気を感じますが、動いているところを見ると想像以上にゲームで見た「ネイサン・ドレイク」の面影がありました。

さすがにゲームと全く同じだとまでは言いませんが(そもそも原作で描写されていない青年期の冒険ですし)、映画という媒体で初見の方にアプローチすることを加味すれば、「何となく似てるな」と思わせただけでも素晴らしい仕事をしてくれたと言えるでしょう。

また原作のエピソードや設定を踏まえ、誰が観ても楽しめるように再構築された王道のストーリーも言うことナシの出来映えです。
原作プレイヤーには思わずニヤッとするようなネタが大小いくつもあって、まさに宝探しのような感覚でスクリーンを隅々まで観てしまい、劇中のトレジャーハンターたちとリンクしたかのようなワクワクした気持ちで映画に没頭してしまいました。

5週間かけて撮影したという輸送機のバトルシーン。原作では3作目にあたる「砂漠に眠るアトランティス」でほぼ同様のシチュエーションがあります。

その他にも十字架を巡るオークションや、幼き日の兄弟の約束等、予告・あらすじで分かる範囲でもいくつものオマージュがあることが分かります。

本作は原作未体験の方はもちろん、プレイしている人にとっては原作を補完するという観点でも楽しむことが出来るため、是非どちらも体験してみてほしいですね。

嬉しいことに公開からひと月と経たない内にシリーズ化の噂も飛び出している様子。「インディ・ジョーンズ」のような長寿作品になれば良いな…。


tick,tick...BOOM!

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アンドリュー・ガーフィールド主演。同名のミュージカルを元に映画化された作品。現在はNETFLIXにて配信中。

あらすじは以下の通り。

舞台は1990年のニューヨーク。ダイナーでウエイターをしながら傑作ミュージカルを生み出すことを夢みて曲作りに励む若き作曲家、ジョン (アカデミー賞候補、トニー賞受賞のアンドリュー・ガーフィールド) は、ブレイクできるかどうかの瀬戸際の公演を間近に控え、周囲のすべてから大きなプレッシャーを感じていた。恋人のスーザンはニューヨークに縛られずに芸術的な暮らしをしたいと言い出し、友人のマイケルは夢に見切りをつけて経済的な安定を選ぶ。そしてエイズの蔓延が芸術家たちのコミュニティを襲う。時間が刻々と過ぎていく中、岐路に立たされたジョンは誰もが避けられない疑問に直面する。限りある人生で、自分は何を叶えたいのか?
(※YouTube概要欄より引用)

第94回アカデミー賞にて主演男優賞にノミネートされた本作。数多くの苦難にぶち当たり涙を見せるその演技力は、正にアンドリュー・ガーフィールドの真骨頂だなと再認識させられました。

私はあまりミュージカルを通ってこなかったので知らなかったのですが、本作は実在の作曲家ジョナサン・ラーソンの自伝的ミュージカルを元に映画化した作品になっています。

アルバイトをしながら夢を追いかける主人公のジョン。かつて共にミュージカル作りに励んだ仲間は安定した生活を選び、恋人からも夢を諦めるようにそれとなく促されてしまい、苦悩と孤独の日々が続きます。
やりたいことが上手く進まず、周囲との関係にも亀裂が入ってしまうような状況は、ジョンのように創作活動を行っている人でなくとも身近に感じられる出来事ではないでしょうか。

古今東西を問わず琴線に触れるであろう人間関係の移り変わりを描いた作品ですが、本作のキモとなるのはやはり実在の人物を元にしているという伝記的要素でしょう。

ストーリー上で制作された舞台が、劇中ではどのように評価されどのような結末を迎えたのか。そしてそれは実在のミュージカル史においてはどうであったのか。
鑑賞後に胸をよぎる強烈な切なさ、虚しさ、あるいは充足感というのは、本作が単に「面白い映画」の枠に留まらず、現実の物語としての側面が色濃く表れているから生じるのだと実感しました。
あらかじめ調べてしまうとネタバレになってしまうので、生い立ちについてはぜひ鑑賞してから確認してみてください。

そしてもちろん主演男優賞にノミネートされるほどのアンドリュー・ガーフィールドの演技力については、それだけで感動すら覚えるほど素晴らしいものでした。

ついにミュージカル映画にも進出した男。逆に何だったらできないんだ…。

個人的に彼は感情を炸裂させる場面での演技がずば抜けて良いと思うので、ミュージカルのような大仰な振り付けが基本にある作風との相性は抜群でした。
身振り手振りはもちろんですが、顔中のパーツを目一杯に動かすことで喜怒哀楽のボリュームを拡張しているのが特に好きなポイントです。
どうしてもツラい展開になってしまうのであまり観たいわけじゃありませんが、泣きの演技に関しては相当に上手いので、本作でも心揺さぶられてしまいました。最高の俳優です。


パワー・オブ・ザ・ドッグ

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ベネディクト・カンバーバッチ主演の西部劇。こちらも現在はNETFLIXにて配信中。第94回アカデミー賞の最多ノミネート作品。

あらすじは以下の通り。

威圧的だがカリスマ性に満ちた牧場主。弟の新妻とその息子である青年に対して冷酷な敵意をむき出しにしてゆくが、やがて長年隠されてきた秘密が露呈し…
(※NETFLIX作品ページより引用)

章立てされた構成で淡々と物語が進んでいく本作ですが、一見しただけでは全ての布石に気付けないほど不気味さに包まれた作品になっています。

カンバーバッチ演じる牧場主のフィルが主人公のように思われますが、気が付くとその弟であるジョージの視点かのように描かれ、またある時はジョージの新妻のローズ、あるいはその息子ピーターの視点に移っています。
第一章を観る限りでは「いったいこの映画は何をする話なんだろう?」という疑問が浮かび、全体図の見えない空気感に戸惑うかもしれません。しかし鑑賞後に振り返ってみると、冒頭からしっかりと布石が置かれていたことに気付くかと思います。

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荒くれ者揃いの大牧場を切り盛りするマッチョイズムの象徴のようなフィル。日夜動物たちの世話をしているため身なりは汚れていて素行も良くありませんが、実はインテリな一面も。

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ジョージの新妻であるローズの連れ子のピーター。華奢な見た目に加え、薔薇の紙細工を作るような点からもフィルと対極に位置するキャラクターです。

男らしさに並々ならぬこだわりを持つフィルにとって自分が守り抜いてきた聖域(牧場)に入り込んだローズたち母子はまさに外敵のようで、何度も衝突する場面が描かれました。

決して上手くいっているとは言えない4人が過ごした時間が厚みを増していく中で、フィルの過去が少しずつ紐解かれていき、そして物語は急速に終わりへと向かいます。
クライマックスともいうべきフィルとピーターの一幕は、息を呑むほどに濃密で緊張感のあるシーンでした。
そこに至るまでの過程に触れてしまうことも憚られるため記述できないことがもどかしいですが、なぜこれほどまでに評価されているのか分かると思うので、ぜひ観ていただきたい場面です。

主演であるカンバーバッチやキルステン・ダンストはもちろん、ピーターを演じるコディ・スミット=マクフィーの得も言われぬ魅力を堪能できたのが一番の収穫だったかもしれません。

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弱冠25歳でありながらこの目力たるや…。

それに西部劇はロケーションが良いですね。日本では縁遠い文化だと思うので観ていてとても新鮮です。砂埃や獣臭さを感じるような画作りも説得力がありました。
そういった美術的・衣装的な面でも楽しめる作品だったと思います。


その他

以下、その他に鑑賞した映画を軽く紹介。

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同名のゾンビゲームが実写映画化。ミラ・ジョボビッチが主演を務めた前シリーズとは異なり、今回はゲームに沿ったなストーリーに。前シリーズに比べれば遥かにしっかりとゾンビパニックものとして描かれているはずなのに、なぜかミラが恋しくなる不思議。


フレンチ・ディスパッチ
ザ・リバティ、カンザス・イヴニング・サン別冊

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ウェス・アンダーソン監督最新作。急死した編集長が手掛けていたフレンチ・ディスパッチ誌は廃刊の憂き目に。クセのあるライターたちはそれぞれトピックを持ち寄り雑誌を組み上げようとする。ライターごとに全く異なるエピソード、映像表現で表現される短編集のような楽しみがある作品。キャストも「ゴーストバスターズ」ビル・マーレイ「ノマドランド」フランシス・マクドーマンド等、名優揃いです。


オペレーション・ミンスミート
-ナチを欺いた死体-

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第二次世界大戦中に実際に行われた作戦をもとに描かれたスパイドラマ。説明不要のスパイ・アクションシリーズ「007」の生みの親であるイアン・フレミングが当時考案した作戦とのことで、「M」や「Q」といった聞いたことのある用語が飛び交う会話劇に感動。ただ心理戦・情報戦が多くの割合を占めるため、観る人は選ぶと思います。


ハングオーバー!!! 最後の反省会

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前作まではあんなに面白かったのに…という気持ち。


ゾンビランド

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6,7年ぶりくらい2度目の鑑賞でしたが、いつ観ても100点満点の安心できる映画ですね。どこか抜けてる4人がゾンビに支配された世界で生き延びようと戦うといえばそれだけのストーリーなのですが、シリアスの中にある隠しきれないコメディさが大好きです。


アイアン・スカイ

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クラウドファンディングで1億円を集めフィンランド、ドイツ、オーストラリアのプロダクションが共同製作した怪作。大真面目に作られたB級映画かと思ったらかなり本意気のCGグラフィックに不意打ちくらいました。宇宙船のデザインも良すぎるのでぜひ観てみてください。
パロディも下ネタも満載です。



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クラウドファンディングで1.5億円を集め製作された怪作。ナチス残党が月の裏側にいたと思ったらヒトラー総統は地球の地下都市(アガルタ)に潜伏していてローマ法王やスティーブ・ジョブズと共に恐竜に乗って逆襲を企むというストーリー。
どういうことですか?


劇場版ポケットモンスター アドバンスジェネレーション
七夜の願い星ジラーチ

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千年に一度目覚めるジラーチとの感動的なクライマックスと、それに全くスケール負けしていない壮大な主題歌。
久しぶりに鑑賞し、無事に号泣して参りました。世代直撃だったこともあり何度見ても泣けますね。一番好きなポケモン映画です。


劇場版ポケットモンスター アドバンスジェネレーション
ミュウと波動の勇者ルカリオ

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初見でしたが、ヒロイックなストーリーと全てが報われたエンディングに思わず泣いてしまいました。ルカリオの声優が浪川大輔さんで、主人への忠義厚い陰りのある二枚目として完璧。しかも主であるアーロンの声優はポケモン映画常連の山寺宏一さん。無敵すぎます。


劇場版ポケットモンスター アドバンスジェネレーション
ポケモンレンジャーと蒼海の王子マナフィ

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「七夜の願い星」がジラーチとマサトの物語であったように、「蒼海の王子」はマナフィとハルカの物語になっていることに気付き、その対比にも感動。旅の途中に訪れた街並みやそこで生きる人々の生活風景でワクワクさせてくれる、とても理想的なファミリー映画だと思います。


劇場版ポケットモンスター ダイヤモンド・パール
ディアルガ VS パルキア VS ダークライ

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神々の争いにただ巻き込まれただけのダークライが可哀想で笑ってしまった。個人的にはあまり刺さるもののないシナリオで残念。


最後に

2月は「Pokémon LEGENDS アルセウス」に熱中していたのとポケモン映画がPrime Videoで見放題になったおかげで、久しぶりにどっぷりとポケモン漬けな日々を送っておりました。

3月は待望の「THE BATMAN」も公開されますし、ギレルモ・デル・トロ監督、マイケル・ベイ監督の最新作もあるので楽しみです。

それでは。

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