2月に観た映画の話
相変わらず仲間とのアクティビティが躊躇われる時代ですが、1人でも楽しめる趣味として人生で最も映画筋がムキムキになっている現在です。
今のところ2022年に入ってから20本以上映画を観ているので、引き続き月に1本のペースで簡単な感想を纏めていければなと思います。
よろしくお願いします。
アンチャーテッド
あらすじは以下の通り。
先月日本でも封切られた「スパイダーマン:ノー・ウェイ・ホーム」に引き続き、またもやトムホが最高のアクションを披露してくれました。
PlayStationでリリースされている原作ゲームは累計で4,000万本超の売り上げを誇る人気タイトルですが、キャッチコピーである「PLAYする映画」の通り、圧倒的なグラフィックと映画的表現が魅力的な作品となっています。
(なお完全に余談ですが、私は外伝含め全作品をプレイする程度にはシリーズのファンです。)
そんなゲームが満を持してSONY手ずから映像化を手掛けるというニュース、しかも主演はあのトム・ホランドということもあり、個人的な期待値はかなりのものでした。
唯一の懸念点は、原作では東地宏樹さんが声を当てるほどのおじさんが主人公なのに対して映画は過去編(青年期)にフォーカスされているという点ですが…。
蓋を開けてみれば、個人的にはこれ以上ないほど理想的な実写化/映像化だったと思います。
理由はいくつかありますが、何といってもやはりキャストの寄せ方が見事だったからという点が大きいですね。
さすがにゲームと全く同じだとまでは言いませんが(そもそも原作で描写されていない青年期の冒険ですし)、映画という媒体で初見の方にアプローチすることを加味すれば、「何となく似てるな」と思わせただけでも素晴らしい仕事をしてくれたと言えるでしょう。
また原作のエピソードや設定を踏まえ、誰が観ても楽しめるように再構築された王道のストーリーも言うことナシの出来映えです。
原作プレイヤーには思わずニヤッとするようなネタが大小いくつもあって、まさに宝探しのような感覚でスクリーンを隅々まで観てしまい、劇中のトレジャーハンターたちとリンクしたかのようなワクワクした気持ちで映画に没頭してしまいました。
その他にも十字架を巡るオークションや、幼き日の兄弟の約束等、予告・あらすじで分かる範囲でもいくつものオマージュがあることが分かります。
本作は原作未体験の方はもちろん、プレイしている人にとっては原作を補完するという観点でも楽しむことが出来るため、是非どちらも体験してみてほしいですね。
tick,tick...BOOM!
あらすじは以下の通り。
第94回アカデミー賞にて主演男優賞にノミネートされた本作。数多くの苦難にぶち当たり涙を見せるその演技力は、正にアンドリュー・ガーフィールドの真骨頂だなと再認識させられました。
私はあまりミュージカルを通ってこなかったので知らなかったのですが、本作は実在の作曲家ジョナサン・ラーソンの自伝的ミュージカルを元に映画化した作品になっています。
アルバイトをしながら夢を追いかける主人公のジョン。かつて共にミュージカル作りに励んだ仲間は安定した生活を選び、恋人からも夢を諦めるようにそれとなく促されてしまい、苦悩と孤独の日々が続きます。
やりたいことが上手く進まず、周囲との関係にも亀裂が入ってしまうような状況は、ジョンのように創作活動を行っている人でなくとも身近に感じられる出来事ではないでしょうか。
古今東西を問わず琴線に触れるであろう人間関係の移り変わりを描いた作品ですが、本作のキモとなるのはやはり実在の人物を元にしているという伝記的要素でしょう。
ストーリー上で制作された舞台が、劇中ではどのように評価されどのような結末を迎えたのか。そしてそれは実在のミュージカル史においてはどうであったのか。
鑑賞後に胸をよぎる強烈な切なさ、虚しさ、あるいは充足感というのは、本作が単に「面白い映画」の枠に留まらず、現実の物語としての側面が色濃く表れているから生じるのだと実感しました。
あらかじめ調べてしまうとネタバレになってしまうので、生い立ちについてはぜひ鑑賞してから確認してみてください。
そしてもちろん主演男優賞にノミネートされるほどのアンドリュー・ガーフィールドの演技力については、それだけで感動すら覚えるほど素晴らしいものでした。
個人的に彼は感情を炸裂させる場面での演技がずば抜けて良いと思うので、ミュージカルのような大仰な振り付けが基本にある作風との相性は抜群でした。
身振り手振りはもちろんですが、顔中のパーツを目一杯に動かすことで喜怒哀楽のボリュームを拡張しているのが特に好きなポイントです。
どうしてもツラい展開になってしまうのであまり観たいわけじゃありませんが、泣きの演技に関しては相当に上手いので、本作でも心揺さぶられてしまいました。最高の俳優です。
パワー・オブ・ザ・ドッグ
あらすじは以下の通り。
章立てされた構成で淡々と物語が進んでいく本作ですが、一見しただけでは全ての布石に気付けないほど不気味さに包まれた作品になっています。
カンバーバッチ演じる牧場主のフィルが主人公のように思われますが、気が付くとその弟であるジョージの視点かのように描かれ、またある時はジョージの新妻のローズ、あるいはその息子ピーターの視点に移っています。
第一章を観る限りでは「いったいこの映画は何をする話なんだろう?」という疑問が浮かび、全体図の見えない空気感に戸惑うかもしれません。しかし鑑賞後に振り返ってみると、冒頭からしっかりと布石が置かれていたことに気付くかと思います。
男らしさに並々ならぬこだわりを持つフィルにとって自分が守り抜いてきた聖域(牧場)に入り込んだローズたち母子はまさに外敵のようで、何度も衝突する場面が描かれました。
決して上手くいっているとは言えない4人が過ごした時間が厚みを増していく中で、フィルの過去が少しずつ紐解かれていき、そして物語は急速に終わりへと向かいます。
クライマックスともいうべきフィルとピーターの一幕は、息を呑むほどに濃密で緊張感のあるシーンでした。
そこに至るまでの過程に触れてしまうことも憚られるため記述できないことがもどかしいですが、なぜこれほどまでに評価されているのか分かると思うので、ぜひ観ていただきたい場面です。
主演であるカンバーバッチやキルステン・ダンストはもちろん、ピーターを演じるコディ・スミット=マクフィーの得も言われぬ魅力を堪能できたのが一番の収穫だったかもしれません。
それに西部劇はロケーションが良いですね。日本では縁遠い文化だと思うので観ていてとても新鮮です。砂埃や獣臭さを感じるような画作りも説得力がありました。
そういった美術的・衣装的な面でも楽しめる作品だったと思います。
その他
以下、その他に鑑賞した映画を軽く紹介。
フレンチ・ディスパッチ
ザ・リバティ、カンザス・イヴニング・サン別冊
オペレーション・ミンスミート
-ナチを欺いた死体-
ハングオーバー!!! 最後の反省会
ゾンビランド
アイアン・スカイ
劇場版ポケットモンスター アドバンスジェネレーション
七夜の願い星ジラーチ
劇場版ポケットモンスター アドバンスジェネレーション
ミュウと波動の勇者ルカリオ
劇場版ポケットモンスター アドバンスジェネレーション
ポケモンレンジャーと蒼海の王子マナフィ
劇場版ポケットモンスター ダイヤモンド・パール
ディアルガ VS パルキア VS ダークライ
最後に
2月は「Pokémon LEGENDS アルセウス」に熱中していたのとポケモン映画がPrime Videoで見放題になったおかげで、久しぶりにどっぷりとポケモン漬けな日々を送っておりました。
3月は待望の「THE BATMAN」も公開されますし、ギレルモ・デル・トロ監督、マイケル・ベイ監督の最新作もあるので楽しみです。
それでは。
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