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解像度と普遍性

アイデアを形にする教室では、アイデアを形にするプロセスを「生む」「練る」「形にする」の三段階に分けてお伝えしています。今回はそのうちの「練る」段階のお話です。

アイデアを「練る」プロセスはかなりのバリエーションがありますが、その中でも欠かせないのは、思いついたアイデアを「普通」と「普通でない」要素とに腑分けしていく作業です。これは、アイデアを形にしていくうえでとても大切なプロセスです。

「喫茶店を開く」にしても、「新しいWebサービスを立ち上げる」にしても、「ファンタジー小説を書く」にしても、そのアイデアは細かな要素から成り立っています。それをひとつひとつより分け、吟味し、「普通」と、「普通でない」に腑分けしていく。この作業によって、私たちはそのアイデアの特色や強みを知ることができます。

ひとつのアイデアの中には必ず、「普通」と「普通でない」要素が混在しています。これはどっちが良くて、どっちが悪いというものではありませんが、一般論としては「普通でない」要素が、そのアイデアの強み、あるいは特色と考えることができます。ただ、「普通でない要素」があればそれでいい、というわけではありません。

アイデアを構成する要素のすべてが「普通」であれば、当然のことながらそのアイデアは凡庸で、特色や強みはない、ということになります。一方で、ひとつとして「普通」の要素が含まれないアイデアは、あまりにも尖りすぎていて、大衆性や市場性を持たない、ということが考えられるでしょう。

また、「普通」「普通でない」という評価そのものが妥当かどうか、ということにも注意が必要です。

ここで、日常のある場面、たとえば「三角関係がこじれて友人関係にヒビが入る」という場面を描いた創作アイデアを検討してみましょう。

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