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顧客と個客

ランチタイムに時折訪れるお店で、
「いつもありがとうございます!」
と言われると、客としては嬉しいもの
である。

自分がこの店を気に入って、
何度か訪れていることを認識して
くれている、というのが伝わって
くるではないか。

「ありがとうございます!」
という言葉は、どのお店でも大抵は
声掛けしている。
そこに、「いつも」とか、「毎度」
いう一言を加えるだけで、
メッセージがグッと親近感を増す

逆に、何度も何度も訪れているにも
関わらず、いつまでたっても客の
ことを覚えてくれない店もある。

私がよくお酒を購入する店では、
ここ1、2年のことだと思うが、
YouTubeでの情報発信を始めた様子。
そのURLを、紙に印刷して、購入客に
一言添えてレジで渡している。

いつも買い物をするときに、
私が愛想のない顔をしているのも
いけないのだろうが、かなり頻繁に
来店、購入しているにもかかわらず、
どうも私のことをハッキリと認識
していないようなフシがある。

というのも、そのYouTubeのURLが
書かれた紙を、購入の際に未だに渡そうと
するのだ。

「登録していますよー」
と返事をしたのは1度や2度ではない。
そう、一応YouTubeのチャンネル登録まで
している得意客なのである。
にもかかわらず、未だに覚えてもらえて
いないらしい。

「CRM」という言葉がある。
Customer Relationship Management
の頭文字を取ったもので、
お客様との関係性をマネージすること
というのが直訳となる。

お客様のことをよく「顧客」というが、
これは「顧(かえり)みる」という言葉が
示す通り、「何度も見る・振り返る」
ような関係性のお客様を指すことが多い。

CRMも「顧客関係性マネジメント」
訳されることが多い。
何度も買っていただけるような、
文字通り「顧客」とのつながり、関係性を
構築・維持・発展させていこう
という
意味合いとなる。

CRMは、「顧客」との関係性構築を、
より効率的に、そして効果的に行う
ためのシステム導入などの場面で
話題になることが多い。
しかし、そんな大掛かりなところでは
なく、街場の商店においても、
今日から、今すぐに実践可能である。

それは、「個客」を覚えること。
1人ひとりのお客様に興味を持ち、
関心を寄せて、丁寧に接すること。

「いつもありがとうございます!」
の一言が自然と言えるような関係性を
作り上げ、
「今週のYouTubeはいかがでしたか?」
と声掛けをできるようにする。

それだけで、お客様との太いパイプ
出来上がる。
そのパイプを、1本、また1本、増やして
行くことが、CRMの基本中の基本
では
なかろうか。
そんなことをつらつらと思いながらの、
酒屋さんからの帰り道であった。


己に磨きをかけるための投資に回させていただき、よりよい記事を創作し続けるべく精進致します。