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スシロー対くら寿司

一時期、くら寿司によくお世話になった。
よく使う駅から徒歩数分という利便性で、
車を持たない我が家でも行きやすいお店
だったからである。
このくら寿司、回転寿司チェーンの中で
二番手の大きさだ。
では、現在最も売上高が大きいのはどこか
といえば、スシローである。

スシローが業績を伸ばした要因として、
値段に比べ非常に味が良い、という話を
方々から聞いていた。
それゆえ、是非一度食べてみたいと
前々から思っていたが、車でないと
行けない立地ばかりで、長いこと
チャンスがなかった。
遂に先日、念願(?)がかなって、
スシローにデビュー。

先に、味の感想を述べてしまうと、
確かに美味しい。
このネタで、この値段であれば、
流行るのは当然かもしれない、
そう思えるクオリティ。

シャリの握りが甘いとか、中トロが
イマイチとか、文句を付けようと
思えば付けられるが、この値段を
前にしては文句も引っ込めざるを
得ない。
(ちなみに、4人でお腹一杯食べて
6,000円未満)

どんなタネや仕掛けがあるのか、
つい気になる性分なので、これを
気にネットでちょいと調べる。

スシローの原価率の高さを指摘する
記事があったので、IR情報で裏取り。
確かに、2020年9月度決算を見ると
原価率が48%弱となっている。
一般的な外食産業の原価率は30%
程度が相場と言われ、50%近い数値は
驚異的だ。


「俺の」シリーズや、サイゼリヤも
その原価率の高さで有名だが、
結局食材の原価で味の良さが決まり、
味が良ければお客様がどんどん増え、
回転率が上がる。

そうすると、食材をケチって回転率が
低空飛行するよりも、断然商売として
上手くいく
ということなのだろう。

スシローの対抗馬、くら寿司の原価率
はというと、45%弱。

こちらも結構頑張っているが、スシロー
にわずか及ばない。
正直なところ、くら寿司も、味は決して
悪くなかったと記憶している。
スシローとの違いがどこにあったかと
思い返すと、くら寿司の方が
・サイドメニューが充実
・システム投資が大きそう

と言えそうだ。

サイドメニューについては、
ラーメンやデザートなど、寿司以外の
メニューは両者ともに充実している
ものの、くら寿司の方がより充実した
取り組みをしているイメージがある。
ただ、寿司で十分差別化できないから
他の要素へ逃げていると取れなくも
ないため、評価は分かれるところ。

システム投資というのは、通常の回転
ベルト以外に特急レーンを設けて、
個別注文に応える体制を取る等、
くら寿司の方が設備投資進んでおり、
その分投資金額も大きいのではないかと
推測するところ。
もしこれが原価の一部に乗っている
とすれば、寿司ネタなどの食材の原価
だけで純粋に比較したときに、
スシローの方がより良いネタを割安に
提供している度合いが高まる。
IR情報からそこまでは調べきれていない
が、そんなコスパの差を消費者が敏感に
感じ取ることで中長期的に差が付く、
そんな可能性も十分考えられる。


ちなみに、写真に撮ったのは、
中華の名店「イチリン ハナレ」のシェフが
考案した特製のタレで食べる、期間限定の
メニュー。
よだれ鶏のタレがベースで、醤油ではなく
このタレで寿司を食べるという、興味深い
コラボ販促。

大規模チェーンだけに、スシローも
くら寿司も、常にこうした販促を
積極的に手掛け、新しいお客様の気を
引き、あるいはリピート客が再度訪問
するきっかけ作りを試みている。


売れている店舗には、それだけ様々な
仕掛けがあり、理由がある。
料理の味を楽しみつつ、そういった
仕掛けを眺めてはあれこれ考えること
でも楽しませてもらった。

己に磨きをかけるための投資に回させていただき、よりよい記事を創作し続けるべく精進致します。