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亀甲萬の温故知新

「温故知新」
私の好きな四字熟語である。
いや、私だけでないだろう、
かなり人気のある言葉のはずだ。

「古きを温めて、新しきを知る」
即ち、昔からあるものをよく見直して、
新しい知識や知恵を得る。
そんな意味合いである。

この「新しきを知る」部分については、
単に知識や知恵を得るだけにとどまらず、
何がしかの成功にたどり着く
というように意味を幅広く取ることも
可能だと思われる。

キッコーマンが始めたD2Cサイト、
「亀甲萬本店」を見て、
これぞ正に、広い意味での「温故知新」
そのものではないか。
そんな思いに駆られた。

醤油といえばキッコーマン。
醤油の代名詞的存在であり、
市場シェアも圧倒的にNo.1
どのスーパーに行っても、
醤油の棚にキッコーマンが置かれて
いないことはまずありえない。

そんなキッコーマンであっても、
自らが変わっていかなければ、
市場の変化に取り残されてしまう

そんな「危機感」があるのだろう。
何と、D2C(Direct 2 Consumer)
つまりは消費者直販事業に乗り出した。

この直販事業のコンセプトを
検討するにあたり、
恐らくは「温故知新」がキーワード
だったのではないか
、そのように
感じるサイトなのである。

キッコーマンの創業、由来に遡り、
そのストーリーを端的に、かつ
効果的に魅せてくれている。

そして、そんなキッコーマンだから
こそ造れる逸品の醤油たちを、
この「本店」だけで買えるようにする、
そんな仕掛け。

D2Cを自社で始めるときには、
一般市場で扱う商品と同じものを
取り扱うと、必ず小売店や卸売店と
もめることになる。
特に、価格政策に関して、もめる
原因となることが多い。

その点、オンラインで売るのはあくまで
限定品のみとし、販売チャネルが重なら
ないのであれば、もめる心配も不要。

一般に流通している醤油の最近の
パッケージは、プラスチックのボトルに
入ったものが大半だ。
それに対して、「本店」は「本店」らしい
世界観を打ち出し、クラシックで本格的、
高級感のあるイメージ
を築いている。

古き良き日本の伝統を全身にまとい、
これぞ醤油の王道である、
そう高らかに宣言するかのようだ。

関係者に聞いた話では、
「20~30代の方がカッコいい!
とおっしゃってくださる」

そうである。

伝統を、今どきの若者にも刺さるような
センスの良さで包み込んだデザインで、
軽やかにスタートを切った「亀甲萬本店」。
今後どのように盛り上がっていくか
注視しておきたい。

己に磨きをかけるための投資に回させていただき、よりよい記事を創作し続けるべく精進致します。