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誰一人取りこぼさない

ドラッカー学会@糸島にて拝聴
(私はオンライン参加ですが)
した内容から得た学びを、
昨日に引き続き書かせてもらいます。

今日は、午後の二人目の登壇者、
白井智子さん
【教育の未来マネジメント】
というお話について。

昨日ご紹介したエミン・ユルマズさんに
続いて、白井さんも東大ご出身の才媛
こちらにプロフィールが掲載されて
いるので、是非ご覧ください。

話を伺っていて、幼少期に触れた
TV番組の話など、年代が近そうだなと
思っていたら、なんと全く同じ1972年
生まれ。

とにかく話のテンポが良い。
聞いていて、スッと耳に入ってくる
いや、腹に落ちてくる、そんな感覚を
覚えるスピーチでした。

ご本人は、落ちこぼれの正反対
いわゆる「吹きこぼれ」だったとの
ことで、大して勉強しなくても、
勉強については大概のことは理解
できてしまう頭の回転の速さ
生来お持ちでした。

あえて言葉を選ばずに言えば、
小さい頃は大人から見たら
「鼻もちならない」感じだった
のかもしれません。

そんな彼女の就職先の選択が、
なかなか興味深いものでした。
一般企業の内定を蹴って、
松下政経塾に入ったのです。
それも、子供達と関わる教育の
世界に進む
のだ、という明確で
強い目的意識
を持って。

直近の、いわゆる「不登校児」
人数はうなぎ上りで、約1年前に
こども家庭庁から発表された
令和4年度の小中学生の不登校児
数はほぼ30万人

白井さんが関わり合い始めた時点
では今よりずっと少なかったはず
ですが、当時から不登校などの
問題は少なからずありました。

「現地現場主義」を標榜する松下
政経塾で学んだ彼女は、小学校の
現場を「生のまま」理解
するために、
童顔を活かして(?)小学5年生に
扮する
ことを決めます。

突然転校生として、バカでかい
女子児童が入って来た
ということで、
クラス中の話題をさらったはずだと
いう回顧談
には、大いに笑わされ
ました。

と同時に、「現地現場主義」を
徹底せんとするその意気と情熱

鳥肌が立つのを感じた次第です。

小学校の現場で何が問題かを掴んだ
ように思えた彼女は、その流れで
沖縄にてフリースクールの立ち上げ
参画、以降とにかく走りながら考え、
考えながら走る
といった感じで、
不登校や発達障がいの子どもたちを
支援する事業に邁進
してこられました。

沖縄のフリースクール立ち上げでは、
最初は子どもたちから信頼を得られ
なかった
という白井さん。

子どもたちに、「真の自由」という
ものは同時に重い責任を担うこと
でもある
、ということを分からせる
必要がありました。

腹を括って、自分から何ごとも包み
隠さずに話す
ようにして、なおかつ
子どもたちの話に「絶対肯定」を
貫いて耳を傾ける
ようにしたところ、
ブレイクスルーが起きたそうです。

白井さんの現時点での結論らしきものを
まとめると、以下となります。

・人に合う学習法、教育法は千差万別
・今の学校における画一的な指導法では、必然的に落ちこぼれを作る
・誰一人取りこぼさないようにするには、学びの個別最適化が不可欠
・子供はみな大人の背中を見ているので、大人も学び続けることが大切

現場にどっぷり入り込んで、
当事者の気持ちを痛いほどに理解し、
彼らの代弁者として高い言語化能力を
いかんなく発揮する稀有な存在
だと
評価されているのでしょう。
文科省をはじめ様々な機関から
引く手数多
な様子が、プロフィールの
ページからも伝わってきます。

子供たちは、文字通り「日本の宝」
違いありません。
そんな彼らに寄り添い、力強くサポート
してくれる素晴らしい方がいると知れた
だけでも、大変に心強く、嬉しいこと
でした。

これまで「強み」について何度も
このnoteで書いてきた中で、
人の強みは千差万別であり、
弱みの是正より強みを伸ばすことに
時間と労力を傾ける方がトータルで
良い結果を得られるはず
だという
想いを強くしています。

不登校でも、発達障がいでも、
あくまでそれは画一的な基準で
見たときの一時的な評価
にすぎず、
別の基準で光を当てたらそれぞれに
素晴らしい資質を持っている
のだ、
ということをより深く理解できた
ように思えた時間でした。

己に磨きをかけるための投資に回させていただき、よりよい記事を創作し続けるべく精進致します。