キーワードは「期待値」
ドラッカー学会@糸島にて拝聴
(私はオンライン参加ですが)
した内容から得た学びを、順次
こちらで書いていきます。
まず今日は、午後の最初のセッションで
登壇された、エミン・ユルマズさんの
【投資の未来マネジメント】という
お話について。
エミンさんのプロフィールはこちら。
我々凡人から見ると、
「天才」という文字が浮かびます。
流暢な日本語と、落ち着いた物腰で、
深い知性をにじませる語り口が
とても印象的でした。
特に学びとして得られたこととして
挙げたいのは、
「投資」と「ギャンブル」の違いに
ついて、明確に定義してくれた点です。
スパッと切れ味よく、このように説明
してくれました。
なるほど、「期待値」というキーワード
一つで、これら二つの概念を分けられる
ことに、爽快感を感じた次第。
普段、ギャンブルの類は一切やらず、
投資の方もやるにはやっていますが、
基本的に投資信託やゴールドを地道に
定額購入して、そのまま寝かせっぱなし
という「ゆるゆる」投資家なので、
久々にこの辺の話を聞いて新鮮に響いた
というのもあるのかもしれません。
そして、この流れで出て来た話として、
アメリカのゴールドラッシュの時に
誰が儲けたか?というエピソードも、
併せて学びとして挙げておきます。
このエピソード、あまりにも有名です
から、ご存知の方も多いでしょう。
私自身も、いつ、どこで聞いたかは
すっかり忘れましたが、ゴールドを
追い求めた者たちはほぼ富を得られず、
リーバイスのような労働者の作業着や、
ツルハシやスコップなどの道具を
提供した者たちが儲かったという話は
記憶に残っていました。
当時、ゴールドが出た!という噂に
人々が群がったわけですが、
一体どの程度の埋蔵量があるのか、
ライバルはどの程度いるのか、
そういったことはほぼ考えもせずに
「一攫千金」を求めて突っ込んで
いったと考えられます。
即ち、ゴールドを追い求めた者たちは、
期待値がマイナスであろうギャンブルに
手を染めたに等しかったと評価できる
でしょう。
期待値がマイナスだと言い切るのは
難しかったとしても、少なくとも
マイナスとなる可能性が高かった
のではないでしょうか。
逆に、そういった「一攫千金」を
求める者たちが、必ず必要とする
道具立てを提供するというのは、
わずかな資金で確実に利益を出す
ことが見込める、正に「投資」に
値する行動でした。
自分のビジネス上の判断が
「投資」か「ギャンブル」かを考える
「期待値」というシンプルな判断基準は、
非常に便利な道具となりそうです。