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「知識の適用」が社会に革命をもたらした

毎週日曜日、ドラッカーの
『プロフェッショナルの条件』
読書勉強会で読み進めている。

先週、ようやくPart1の1章を終え、
今週から2章に入ったところ。
冒頭で1章の復習を行ったが、
これがなかなか難しい。

全てが重要に見えて来るせいか、
ポイントはこことここ!
のような「切り捨て」が
極めてやりにくいのだ。

Part1・1章の章題は、
「ポスト資本主義社会への転換」
というもの。
社会構造の際立った転換が、
歴史的に何度か起こってきており、
それがまた「今」起こっていると
いう認識に立った上での論説。

この「今」というのは、本章が
書かれた1993年を意味する。
早や30年前だ。
にもかかわらず、つい最近書かれた
と言われても、大して疑わずに
信じてしまいそうな切れ味
がある。

Part1・1章における重要ポイントを
サマリーするのは、先に触れた通り
非常に難しいのだが、あえて絞って
みるとするならば、
「知識の適用」が、社会に段階的な
革命をもたらした
、という分析で
ある。

彼は、「資本主義」「技術革新」
いうものは、ずいぶん昔から存在した、
ちっとも新しくないものだと喝破。
その上で、それらを「革命」へと
変化させたものが「知識」であった

言うのだ。

まず第一段階として、1750年から
1900年までの150年間。
「知識」が道具、工程、製品に適用
されたことで、「産業革命」
もたらされた。
ろくろの原理は昔からあったが、
それが糸紡ぎに利用されることは、
この産業革命期まで待つ必要があった
ことが例として挙げられる。

次に第二段階として、1880年頃から
始まり、1945年を頂点とする形で、
「知識」が仕事に適用されたことで、
「生産性革命」がもたらされた。
ここでは、仕事を客観的に分析して、
工場の生産性を劇的に引き上げた、
「科学的管理法」で知られる
テイラーが大きな役割を果たした。

更に第三段階として、1945年の終戦後、
「知識」が知識そのものに適用される
ようになったことで、「マネジメント
革命」
がもたらされた。
生産性革命は、主に肉体労働者
生産性向上を実現するが、
それがあまねく行き渡った結果、
もはや意味ある生産性向上を成し遂げる
ことが難しくなった。
そこで、非肉体労働者の生産性を
どうやって引き上げるかに焦点が移り、
マネジメント、即ちいかに知識を活用
して成果を挙げるか
が重要となった。

どうしても抽象度が高く、
パッと読んでも、あるいは聞いても、
かなり分かりづらいところだろう。

私自身、これらの概念を「手慣れた用語」
として使いこなせるかというと、
未だ心許ない。

それでも、より抽象的な概念を扱う
ことを通じて、自分自身の思考力を鍛え
仕事の「基礎体力」を養うことに
つながると思っている。

また、彼は歯切れ良く、断定的に
論を進める
ので、難しい議論でも
なんとなく分かった気になりやすい
側面がなきにしもあらず。

そこは、たとえドラッカーであっても
盲目的に信じるのではなく、
常に批判的な精神を持ちながら
学び続けたい
ものだ。


己に磨きをかけるための投資に回させていただき、よりよい記事を創作し続けるべく精進致します。