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クロスマーチャンダイジングを積極的に取り入れる

「マーチャンダイジング」という言葉は、
小売でよく使われている。
日本語にすると、「商品政策」とか、
「商品化計画」と訳されることが多い。

MDという略称がよく使われる。
どんな商品を、どのような価格で、
どんな見せ方で提供するか。
お客様との接点における、
商品取り扱いのコントロール全般を
指す、少々曖昧で多義的な概念だ。

先日、近所のスーパーが一週間ほどの
お休みを経て、改装オープンした。
いくつか変わった点が見受けられた
うちの一つが、カテゴリーを超えたMD
通称「クロスマーチャンダイジング」
より積極的に取り入れているところで
あった。

「クロス」=「交差」であるから、
要は異なるカテゴリー同士を組み合わせて
売場づくりを実践している、
そんな意味合いである。

具体例としては、ワイン売場にチーズや
ピクルスといったおつまみを一緒に
並べるような試みが挙げられる。

ワイン売場の管轄マネージャーは
ワインの売上に責任を持ち、
チーズ売場の管轄マネージャーは
チーズの売上に責任を持つ。

ワイン売場にチーズを並べて、
そこでチーズが売れると、
従来はワイン売場の売上になって、
チーズ売場の売上にはならない。
そういう管理が一般的だった。
だから、お互いに融通し合うのを
面倒くさがる。

しかし、お客様視点で見れば、
ワインを買うときに、ワインと
一緒に楽しめるチーズやピクルスが
並んでいたら、ついでに買いたく
なるのが人情というもの。

その視点を忘れ、売場の管理を
しやすくするという狭い視野で
考えていたのが、過去のMD
弱点であったのだ。

これに気付いた多くのスーパーが、
随分前からクロスMDの試みを進め、
今どきのスーパーの売場では
クロスMDが当たり前に見られる
ようになっている。

我が町のスーパーは、残念ながら
クロスMDの発展度合いが遅く、
今回の改装でようやく(!)
ワインとチーズやピクルスなどが
一緒に並び始めた次第。

焼肉売場には焼肉のたれも置く。
パスタの乾麺とパスタソースも
売場を隣り合わせにする。
ヨーグルト売場にドライフルーツや
ナッツも併せて置く。

以前から少しずつ増やしていた、
このようなクロスMDの売場が、
今回で大分増えたことはとても
歓迎したいところである。

このクロスMDは、「提案型MD
言い換えることもできる。
お買い物にいらしたお客様に、
こういう組み合わせで召し上がって
みてはいかがですか?
という「提案」を店舗側から発信
する。

この提案情報が的を射ていれば、
新たな付加価値として、店舗の
信頼度を増すことにつながるので
ある。

万が一、このクロスMDの売場が
元のような売場に戻ってしまったら、
我が近隣の消費者にはその提案が
刺さらなかった、ということになる。
どうなることやら、しばらく様子見
である。

己に磨きをかけるための投資に回させていただき、よりよい記事を創作し続けるべく精進致します。